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三八二年 実の四十三日

 ゼクスさんたち、また遊びに来るって言って。朝食が済んだら帰っていった。

 やっぱりジェットのことを話しに来てくれたんだね。

 またしばらく寂しくなるなと思ってたら、お昼すぎにヴェインさんが戻ってきて。

 お父さんに何か言って、ふたりで奥に行っちゃった。

 ヴェインさん、ゼクスさんたちと朝に帰ったのに? 何でいるんだろう?

 不思議がってる間にお父さんたちはすぐ戻ってきて、私とお兄ちゃんを呼んで言った。

「クライヴたちの事故現場に行ってみるか?」

 事故現場って、ミルドレッドへの途中の、馬車が落ちたとこ…?

 何で、と思ってお兄ちゃんを見ると、お兄ちゃん、真剣な顔で考えたあと、まっすぐお父さんを見た。

「俺は行く」

 お兄ちゃん?

「見といたほうがいい、んだろ?」

 お兄ちゃんに頷いて、今度は私を見る。

「レムはどうする?」

 どうして見ておいたほうがいいのかはわからないけど。

 頷くと、お父さんは少し笑って頭を撫でてくれた。



 まずはククルとヴェインさんが行くことになった。

 ククル、大丈夫かな。

 そんなことを思ってる間にお兄ちゃんが戻ってきて、私たちの行く番になった。

 お父さんとお兄ちゃんと。三人で丘を降りる。

 私も馬に乗れるのに、お父さんもお兄ちゃんも駄目だって言う。何でって思ったけど、帰りが怖いからだって。

「だってレム、お前絶対泣くだろ?」

 お兄ちゃんにそう言われた。

 確かにそうだろうから、素直にいうことを聞くことにするよ。

 行きはお兄ちゃんに乗せてもらった。

 事故現場までは十分もかからなくて。

 そのことが、逆に怖い。

 だって、こんな近くで亡くなったなんて思わなくて。

 もっと遠いとことか危ないとことかじゃなくて、こんなに町の近くの、普通の道でだなんて。

 悲しいのと、怖いのとで。

 涙が止まらなくなった私の肩を、お父さんがずっと抱いていてくれてた。



 やっと泣きやんだ私を優しい顔で見て、帰ろうかとお父さんが言った。

 お兄ちゃんを見ると、ちょっと笑って見返してくれる。

 うん、何だかちょっとわかったよ。

 クライヴさんたちが亡くなったのは、ホントに現実なんだなって。

 もちろん疑ってたつもりはなかったんだけど。何だかそんな感じがした。

 帰りはお父さんが乗せてくれて。

 町に戻ると、何故かヴェインさんはいなくなってた。

 レムももちろん馬に乗れます。運動神経はそんなに悪くないようです。

 本編ではロイが大暴走したとこですね。

 あまりの執着ぶりに、予定にない言葉を書き込むことになりました…。

 次も短いのですぐ上げますね。

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冬野ほたる様 作
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