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三八二年 雨の二十日

 今日は朝からお兄ちゃんたちもバタバタしてる。

 いよいよ明日、丘の上食堂再開の日!

 ククルは忙しそうだけど、ホントに嬉しそうで。

 そんなククルを見るお兄ちゃんは、ホントのホントに嬉しそうで。

 私もできるお手伝いはしようと思って、しばらく使ってなかった食器を洗ったり、掃除をしたり。

 家族の食事くらいは作れるけど、食堂の仕込みは無理。

 そうそう。ククル、お兄ちゃんが手伝い程度しか料理できないと思ってたみたい。食堂にあったクライヴさんのレシピを見て作ったお兄ちゃんの料理にびっくりしてた。

 そのときのお兄ちゃんの嬉しそうな顔!

 ふふ。よかったね、お兄ちゃん。ずっとずっとがんばってたもんね。



 今日泊まるお客さんから、朝食は食堂で食べてもらうことになる。それを説明して、朝食代を含めた料金をもらって。朝、引き換えの札を忘れず持っていくように言わないと。

 ()の月でお客さんが少ないうちに慣れておかなくちゃ。

 今日の夕食は宿で出すから、ククルもこっちに来た。昨日より、おとといより、楽しそうに見える。

 本当に、よかった。

 しばらくして、ご飯を食べてきて、とお母さんが代わってくれて。厨房を覗くとククルが手招きしてくれた。

「お疲れ様。そこで食べる?」

 お客さんから丸見えの食堂の厨房とは違って、宿の厨房は別の部屋になってる。私たちもここで食事をすることが多いから、作業台代わりのテーブルと椅子がふたつ置いてある。

「うん。ククルは?」

「先にテオに…」

「あとでいいよ。作ろうか?」

「ホント? じゃあオムレツ!」

「チーズ入り?」

「チーズ入り!」

「了解。ククルは?」

「じゃあ同じで。ありがとう、テオ」

 お兄ちゃん嬉しそう。そう思ってたら、オムレツを置くときにちょっとジト目で見られた。

 ニヤニヤしすぎたかな。

 レム、オムレツ好きなようです。

 テオのオムレツレベルはレムのおかげで高いと思われます。

 

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冬野ほたる様 作
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