表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/176

三八二年 実の十一日

 ククルの誕生日前日、ウィルが来た。

 やっぱりククルの誕生日だからかな、と思ってると、お父さんとお母さんと私、皆ロビーに呼ばれる。

 お久し振りですと挨拶したあと、ウィルは深々と頭を下げた。

「ギルドの問題をこちらにまで持ち込むことになってしまい、本当に申し訳ありません」

 急に謝られてびっくりしてると、お父さんがすぐにウィルの傍に行って肩に手を置いた。

「ジェットの問題なら、俺たち家族が関わるのは当然だ。ウィルバートさんが謝ることじゃない」

 そのまま引っ張り起こすお父さん。

「あいつはあんなだから迷惑もかけるだろうが、これからもジェットをよろしく頼むよ」

 ウィルはちょっと驚いたようにお父さんを見て、それから少し笑って頷いた。

「もちろんです」

 ジェットの前では多分絶対にしない、ウィルにしては珍しい顔。

 ウィルもジェットのこと、やっぱり大事に思ってるんだね。



 もう一度お礼を言ってくれてから、ウィルがちらりと私を見た。

「あの六人のことなのですが」

 何だろうと思ったら、そういうこと?

「しばらくの減給と奉仕活動で済みました。全員前向きにがんばっていますよ」

 私が心配してるのを知ってて教えてくれたんだね。

 皆もギルド辞めさせられたりひどい罰を受けたりしなくて、ホントに、本当によかった。

 そう思うとやっぱり涙が出てきて。

「レム??」

 慌てたウィルを見て、お父さんが気付いて宥めてくれた。

 びっくりさせてごめんね、ウィル。

 教えてくれてありがとう。

 皆、ホントによかったね!

 レムが泣くのに遭遇するのは初めてのウィル。

 さぞうろたえたことでしょうね。

 アレックがいてよかった…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バナー
本編バナー
冬野ほたる様 作
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ