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三八二年 動の三十五日
ものっすごく元気なおじいちゃんたちが来た。
ううん、おじいちゃんなんて言えないけど、おじさんでもない。何だろう、難しいな。
最初、二階の部屋に荷物を持って上がるのは大変かなって思って、手伝いますって言ったんだけど。大丈夫って笑って、さっさと上がっていっちゃった。
旅してるくらいだし、足腰は丈夫なのかもしれないけどね。
ホント明るい人たちだな。
お昼もだいぶ過ぎてから。
こっちに来てたお兄ちゃんが、お父さんと何か話してる。
「だってどう見ても…」
「心配ない」
言いすがるお兄ちゃんに、お父さんが宥めるように背中を叩いてる。
何の話してるのかわからなかったけど、お兄ちゃんはまだちょっと納得してないような顔でお父さんを見てた。
「ここはいい町だな」
夕方戻ってきたおじいちゃんたちが、私を見てそう言ってくれた。
町を散歩してたんだって。旅の途中なのに、ホント疲れてないんだね。
生まれ育った町をほめてもらえて私も嬉しかった。
ライナス、いい町だよね。
じぃちゃんず登場回ですね。
我先にと話しそうです。