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三八三年 動の三十一日

 訓練二日目、今回はジェットも無茶してないみたいで、皆ちゃんと訓練に向かえてる。

 でも、毎回何だかんだあるからね。今回だって気は抜けないよ。

 そのうちソージュも来てくれて。本当に穏やかに時間が過ぎていった。

「…こんな日もあるんだね」

 ちょっと拍子抜けしてそう言うと、ソージュに笑われる。

「何かあったほうがいいみたいな言い方だな?」

「そんなことないけど…」

「まぁアリーは大変みたいだけど」

 ミュスカーさん、アリーに手合わせをお願いしてるみたいなんだけど、アリーが断ったんだって。そしたら顔を合わせる度に言われるみたいで。

 って、これまんまアリーとダンだよね?

 アリーも何度もダンに頼んでるみたいだけど、受けてもらえないみたい。

 それにしても。何でアリーはそんなにダンと戦いたいのかな?



「だって!! ギルドで一番強いのよ? 興味あるじゃない?」

 お昼を食べに行ったときにアリーに聞くと、当たり前みたいにそう言われた。

「せっかく戦えるって喜んでたのに、途中で降参されたのよ? 信じらんない!」

「じゃあ戦ったことはあるんだ?」

 少しだけね、と頷くアリー。

「納得いかなかったから、また戦いたいだけなのに! ダンったらちっとも受けてくれないのよ!」

 そう言って怒るアリー。それでもジェットや私やククルからダンに頼むよう言ってこないのは、ダンがホントに嫌なら断れるようにだよね。

 アリーらしいよね。

「受けてもらえるといいね」

 そう言うと、アリーは笑ってそうねって言うけど。

 何でそれだけのことなのに、そんなに色っぽいのかな?

 羨ましいよ。



 夜、ナリスにその話をしたら、ちょっと苦笑いして。

「ダンもどうしていいかわからないみたいで」

 だって。

「強いのは知ってるけど、やっぱり女性だからね。気は遣うよ」

 実動員は男の人しかいないから、女の人と戦う機会がないんだって。

 やっぱりアリーみたいな人は珍しいのかな。

「探せばいるだろうけどね」

 そうだよね。実動員も警邏隊も、男の人にしかなれないもん。鍛える目的がないし、仕事にもつながらないよね。

「でも、こうしてアリーのことが広まれば、もしかしたら実動員になりたいって女性も出てくるかもね」

「そのうち女の人もギルドに入れるようになるってこと?」

「実動員としてはすぐに無理かもしれないけど。ギャレットさんはその辺りの考え方は柔軟だし、なるかもしれないよ」

 今でも実動員以外には女の人も少しはいるんだって。戦ったりはしないみたいだけど。

 って、ギルド、女の人いるんだ…。知らなかったよ…。

「レム?」

 覗き込まれて名前を呼ばれる。

「何考えてるの?」

「たいしたことじゃないよ!」

 ギルドでのナリスが見れていいなぁとか思ってただけだから!

 それだけだからね!

 ナリスはじっと私を見て。

 ……ごまかされてはくれなかった。

 案の定きっちり白状させられたけど。

 私だって恥ずかしいんだから、聞き出しておいて照れないで!!

 本編にはない日付です。

 まったりモードの宿。訓練生たちも仲良しですから問題なく過ごせています。

 ギルド内の女性は、表向きは食堂と寮と受付にいますが、すべて諜報員でそれなりに戦えます。

 あとは審理部にもいます。もちろん諜報部と審理部は事務長の権限も効きません。

 補佐を兼任しているイーレイは、少々特殊な立場になります。

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冬野ほたる様 作
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