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三八三年 雨の二十五日

本編『雨の二十六日』のネタバレを含みます。

 今日はジェットとダンが帰る日。

 ずっといてくれたから、帰っちゃうの寂しいな。

 朝から来てくれたふたり。世話になったなって笑ってる。

「いっぱい手伝ってくれてありがとう!」

 むしろこっちがお世話になったくらいだよ。

 私もお礼を言うと、ジェット、笑って頭を撫でてくれて。

「クゥのこと、レムにも頼んでいいか?」

「ククルのこと?」

「長くいたから。寂しがるかもしれないなって」

 そっか、前にお兄ちゃんが言ってたことだよね。

「もちろんだよ!」

 頷いた私に、ジェットはありがとうって言ってくれた。

 ジェットたちは使ってた部屋を片付けてくるって店に行って。

 また出る前に来てくれた。

「動の月に来るから。また頼む」

「レムもよく休んでおくようにな」

「うん。ふたりも気をつけてね」

 今日は雨だし、きっとククルも心配するだろうし。

 ふたりともわかってるって言って。交互に頭を撫でてくれる。

 また来てくれるの、待ってるからね。



 お昼過ぎにきたお兄ちゃん、ククルのことで頼みがあるって言ってきて。

 ククルが今晩ひとりにならないように、泊めるか泊まるかしてほしいんだって。

 もちろん私が反対するわけないから。

 代わるよって言ってもらえたから、そのまま店に行ってククルに提案したんだけど。

 ククル、笑って首を振った。

「ありがとうレム。でも大丈夫。いつまでも甘えてばっかりいられないしね」

 甘えてなんかいないし、むしろそうしてほしいんだけど。

 ここのところ何度か泊まりに来てくれてたから、気にしてるのかもしれない。

 結局ククルは大丈夫の一点張りで。頷いてくれなかった。



 休憩のときに食べてねってお菓子を持たされて宿に戻って。

 お兄ちゃんに断られたって話した。

「そっか…。ここんとこよく来てたから、気にしてるんだな」

 やっぱりお兄ちゃんも同じ理由だと思ってるね。

 お兄ちゃん、そのまま少し考えてたけどすぐに思いついたみたい。悪いんだけど、と前置いて。

「朝、いつもより早く起きてもらっていいか?」

「朝?」

「うん。ククルが起きてすぐくらいに店行って。一緒に朝食を…ってのはどうかな」

 夜は仕方ないけど、せめて朝からってことだよね。

「わかった!」

 頷く私に、お兄ちゃんはありがとうって言ってくれるけど。

 ククルの為だもん! お礼はいらないよ!

 帰るジェットたち。名残惜しいのはお互いですね。

 ククルのこととなるとレムも協力は惜しみません。言い出すのは断然テオのほうが多いですけどね。

 本編は『ここ』にいたいテオ。ちょっとした言葉が嬉しいです。

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冬野ほたる様 作
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