三八二年 雨の三十七日
前回やらかしました。すみません。
後書き、こっちの分を書いてました…。
ジェットたちが来た。でも今日は泊まらないんだって言ってる。
ジェットがウィルバートさんたちを呼びに行ってる間に、ダンたちと話してた。
「無理してないか?」
そう言ってダンが頭を撫でてくれる。
隣でナリスが笑った。
「ダンはいつもそれだよね」
もうこども相手じゃないんだからってナリスは言ってくれるけど、私はダンに撫でられるの、ほめてもらってる感じで嬉しいんだけどな。
「レムは忙しくなったんじゃない?」
「大丈夫! ククルもお兄ちゃんもがんばってるんだもん。私だってがんばりたいよ」
「レムらしいね」
優しい声でそう言ってくれる。それから一歩うしろに立ったままの男の子を振り返った。
「今年から一緒のリック。レムはジェットの…家族みたいなものかな?」
後半は男の子にそう言って、ナリスは私たちを向かい合わせた。
「リック・シドリアです」
「レム・カスケードです。よろしくね」
そう言ってお辞儀をすると、慌ててぺこりとしてくれたけど。
なんだろう、怖がって警戒してる子犬みたい。睨むっていうか、なんていうか。
まだ新人さんみたいだし。緊張してるのかな。
「紛らわしいからレムって呼んでね」
「俺はリックと…」
そんなやり取りをしてたら、上からジェットたちが降りてきた。
「じゃあユアン、ウィル、先行っててくれな。俺は隣に顔出してくるから」
「本当にジェットは人遣いが荒いな…」
「お前に診てもらったら間違いないんだから仕方ないだろ。戻ったら埋め合わせするから」
あれ、ジェットとベルフィムさん、仲いいんだ。ベルフィムさんも何だかいつもより優しい顔してる。
そっか。がんばってたの、ジェットの為でもあったんだ。
そう思うと私まで嬉しくなった。
ホントにジェットって、色んな人に好かれてるよね。
改めまして。二度目の方は申し訳ないです。
ユアンは院長のルギウスの息子です。
ジェットとダンとは幼い頃からの付き合いです。ひとりっ子なので、ふたりのことは実はちょっぴりお兄ちゃん的に慕ってます。
書き直しなのでネタ追加。
院長になったルギウスは今も現役医師。ダンたちがルギウスのことを名呼びするようになったのは、ユアンを紹介されてからです。
ユアン的には、ルギウスの人当たりの良さを見習いたくても見習えない、ちょっとした葛藤があったりします。