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三八三年 雨の二十二日

 お昼前に帰るけどって言いながら、ウィルは先に部屋を空けてくれた。

 片付けられるようにってこともあるんだろうけど、店にずっといるつもりだからってことでもあるよね。

「動の月の訓練の日程はまたお知らせしますね」

 よろしくお願いしますって言ってくれるウィル。

 お休みなのに、ホントに仕事のこと忘れないよね。



 ウィルが帰ってからも、雨の月にしては多いお客さんが来る。

 ジェットひとりだと結構話しかけに来るのに、ダンが一緒だと確実に減るよね。

 やっぱりダン、ちょっと怖がられてる…?

 口数が少ないだけで、優しいのにね。



 夕方、お兄ちゃんとジェットがお父さんとお母さんに明日休むように伝えてくれた。

 たぶんジェットから言えば聞いてくれるよね。

 でもお父さんとお母さんって、お休みの間何するんだろう?

 全然想像つかないよ。

 夜になってお父さんからお礼を言われたから、明日は何するのって聞いてみた。

 お父さん、結構悩んでから。

「ゆっくりすると言っても。何しような」

 そんなこと言って笑ってる。

「レムなら何をする?」

 私?

「私ならミルドレッドまで買い物に行きたいかな」

 私からの誕生日プレゼントはエプロンとかシャツばっかりなんだけど、作るからには生地がいるからね。

 お兄ちゃんとククルの分の生地はセレスティアで買ってきたけど、ほかにも作るのはわかってるから。生地も慌てて買うより、その人に合いそうなのをじっくり選びたい。

 ライナスでも売ってるし、早めに希望を言えば仕入れてもらえるけど。やっぱりたくさんあるのから選ぶのって楽しいんだよね!

 そう言うと、お父さんはそうかって言って頭を撫でてくれた。

「動の月になったら、お母さんかテオと半日だけでも行ってくるといい」

「ホント?」

 驚いてお父さんを見たら、もちろんって笑って頷いてくれた。

 アレックはライナスに来てからは宿兼食堂で育ち、自身も宿を営んだ為、基本予定があるから休むのであって、予定のない休みはなかったんでしょうね。少し困惑気味です。

 本編は帰るウィル。

 クライヴたちが亡くなったからこそ出会えたククル。出会えてよかったとは思うけれど、言えませんよね。

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冬野ほたる様 作
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