三八三年 雨の二十日
お昼過ぎにウィルが来た。
「あさってまでお世話になります」
そう言ってから、あと、と続ける。
「ジェットがここにいることで、訪れるギルド員が増えてますよね…」
ちょっと申し訳なさそうな顔のウィル。
「何か困ったことなどありませんか?」
確かに忙しくはあるけど、それだけだよね。
「ジェットもダンも手伝ってくれるから、手も足りてます」
だから大丈夫だと言うと、ウィルはちょっと安心したように笑ってから、何かあれば言ってくださいね、と言ってくれた。
お休みで来てるはずなのに。ウィルはお仕事熱心だよね。
ウィルが宿に行って少ししたら、ジェットとダンが来てくれた。
ジェットは店が忙しくなってからこっちに来ることが多いのに、今日は珍しいね。
そう言ったら、ジェット、あさっての方向を見て。
「…ウィルの奴が………」
って呟いてた。
そのあといつもと同じくらいの時間にお兄ちゃんがこっちに来て。
…ってことは、店はククルとウィルのふたり、だよね。
心配する私をよそに、普通の顔して働いてるお兄ちゃん。
ロイもいつの間にかククルとふたりになってたみたいだし。
お兄ちゃん、ホントに大丈夫??
ウィルが来ましたが、相変わらず会話の弾まないふたり…。
本編はようやく尋ねることのできたウィル。ロイ程攻めることはできません。
ククルも少し動き出そうとしています。