三八三年 雨の十日
お昼を少し過ぎた頃にジェットとダンが到着した。
「ただいま、レム!」
「ジェット、ダン、おかえり〜!」
ふたりとも初めての長期休暇! クライヴさんたちの命日にここにいられてホントによかったね。
今回はダンもククルの家に泊まることになってる。年明けに客間作ってたもんね。
日数も長いし、ジェットも向こうだし。そのほうがダンも気兼ねしなくていいかなってなったんだって。
宿だと普通に宿泊のお客さんがいるから。騒がしくする人は滅多にいないけど、出入りはどうしてもあるし、日中は私たちが掃除や片付けでバタバタしてるからね。
日数が長いからこそ、ちゃんと寛いでもらわないと!
「レムも忙しいんじゃないのか?」
夕方こっちに来てくれたジェットが、長椅子に座ってそんなことを言ってくる。
この時間に宿に来るの、ククルが気にせず調理できるようにだよね。
「確かに雨の月にしてはお客さん多い気もするけど、これくらい大丈夫だよ」
それに全然お客さんがいないより、やっぱりいてもらえたほうが嬉しいからね。
「ジェットはお休みの間どうするの?」
「とりあえず、明日はミルドレッドに行くかな」
「ミルドレッドに?」
お休みなのに、ギルドに行くのかな?
そう考えてたら、ジェットが笑って。
「買えたら何か買ってくるな!」
え? ひょっとして、お土産何頼もうかって考えてたんだって思われてた??
ひどいよジェット!!
ジェットとダンの長期休暇開始です。
ダンは兄同然ということで、店の二階に泊まることに誰も反対しませんでした。
でかい図体のふたり、廊下ですれ違うのも大変そうです。ちなみにジェットは190cmくらい、ダンは200cmくらいです。
ちなみについでに。ナリスは185cmくらい、レムは160cm弱。ウィルは180cm弱、ロイとアリーは175cmくらい、テオは170cmくらい、ククルは160cmくらいのイメージです。
本編はまたもやポンコツ炸裂のジェットとククル。お世話役のふたりの気苦労は絶えません。