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ドクター・キリコの部屋  手塚治虫の安楽死論

作者: 舜風人

ドクター・キリコの部屋  手塚治虫の安楽死論




8月24日午前4時からNHKのラジオ深夜便を聞きました。


その4時台のコーナー「絶望名言」で手塚治虫の作品を取り上げて、、、、


頭木さんの解説で取り上げていましたね。


そこでブラックジャックの中に登場する


あの有名なキャラ「ドクターキリコ」にも、さりげなく触れていた。




ところでこのラジオ深夜便の「絶望名言」のコーナーは


頭木さんという解説者が

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%AD%E6%9C%A8%E5%BC%98%E6%A8%B9


古今東西の賢者、作家、芸術家。哲学者などの著作から


絶望に「効く」?名言を紹介するという実にユニークな番組です。


今まで取り上げた著名人のアーカイブはNHKのホームページに出てるはずですからそちらをご覧ください。


https://www.nhk.or.jp/radiosp/zetsubou/




カフカ、カミュ、宮沢賢治などが印象に残っています。


頭木さんは、20歳の時難病の「潰瘍性大腸炎」になり絶望の淵に立たされそこからの闘病でこの絶望名言をかみしめたという、




さて、、、、、、、、、、、、ドクターキリコである。




「二人の黒い医者」


https://www.youtube.com/watch?v=P5TRHEbYURw




に登場するのが、


安楽死を「是」とするドクター・キリコである。


白い長髪をなびかせて、、いかにも悪徳医者っぽい?風貌で


安楽死を請け負うという設定ですね。


安楽死を真正面から取り上げた作品として日本では嚆矢だと思われます


日本では


タブーだった安楽死を、漫画とはいえ一つの選択肢として提示した手塚さんの勇気には敬服する。


ご存じのように手塚治虫は医師の免状も持っていますし。


こういう「医者物漫画」も先駆者です。




キリコは元・軍医で、戦場で、兵士の死をさんざん見てきた。


そこでは治療しても無駄な兵士に受動的な?安楽死をさせた経験もあるだろう。


そういう過酷な生と死の究極の選択、


そこから得られた死生観。


そして死を与えるというのも

治る見込みのない患者に

無意味な闘病を

無意味な苦痛を

無意味な絶望を

それらから「救命」?するために


死を与えるということも「医療」なのではないか

という真実?に目覚めたのだった。




ある日、、、、、、、、、、、、、、


ブラックジャックは、爆破事件で瀕死で寝たきりの母親を

その子である兄妹の依頼で手術で救命する

そしてめでたく退院の日


その

母はなんと、退院時に、乗ったタクシーが交通事故で子供(兄妹)3人が死亡する。


それを聞いたキリコは大笑いする。


「どうだ 所詮、そんなもんなんだよ  わっはっは」


ブラックジャックはでもこういう


「それでも俺は助けるんだ、自分が生きるために、、」




治る見込みもなく、、、、、、、、、、、、


死を望むものに安楽死させるキリコの存在をあなたは、「全否定」できるだろうか?


いついかなる時も生は善?なのだろうか?


そして、、いついかなる時でも死は悪なのだろうか?


難病で治療法もなく

苦痛が毎日襲う

点滴と呼吸器と、胃婁と、排尿器でつながれ

体はマヒで動かない、寝たきりで、、、、

これが何年もつづくのだ、いいえ、、10年も続くのだ。

それでも生きたい、という人もいるだろう

その意志は尊重するべきだ。命ある限りドンな植物状態でも生きる権利はあるのだ、


だが、、、、中には「もういいよ、死にたいよ」という人だっているだろう。

「もうこれくらいでいいよ。この苦痛と闘病から解放してくれよ」という人だっているんだろう

そういう意思に対してどうできるのだろうか?

そういう死にたいという人に医療は、、医師は、何ができるだろうか?

実は

現状、、何もできません。

というか「なにかしたら」それは殺人罪となります。




だが?


そういう治らないという病気の苦痛に対して

死しか選択がない?

死によって治る見込みのない苦痛から逃れたい

そういう絶望に対しては

死だけが、救いになることもあるのではないだろうか。


そういうタブーを臆せず主張したキリコも医者の一つの「典型」「良心」なのではないだろうか?



ただし、、

キリコは、ただ、意味もなく死にたい、死にたいというものは断っている


治療可能なものも断っている。


「安楽死の処置をする条件として「回復の見込みがない事」「生きているのが苦痛である事」「本人が死を望んでいる事」の3つをもうけており、このすべてを満たさない限りは断固として処置を断っている」

 カッコ内引用




あの「首吊士」事件とは次元が違うのである。これは自殺詐欺?ですからね。

自殺請け負いますと、おびき寄せて、殺して金品を奪う、自殺詐欺です?




さて、、、キリコは、、ブラック・ジャックの「裏返し」「対極点」ともいえる存在なのであろうか?。


あるいは北極と南極?

そして極左と極右を足すと?  プラス マイナス ゼロで、、


表がブラックジャック イコール 裏がキリコ、というまさに

同じコインの裏表

裏と表が合わさって一つのコイン、、という。


そういえるのではないだろうか?。


正に表裏一体?なのではないか?

コインに表だけで、、裏がなかったら?ダメでしょう?



ゴッドハンドで、、神の手術で難病を、大けがを治す、ブラックジャック


そして、、なおる可能性ゼロの患者の無意味な苦痛と闘病を終わらせてくれるキリコ。


ドッチモ、患者を「救っている」という点では全く同一なのではないのか?


同じ目的の 表と裏?


手塚治虫はタブーとされたこのテーマをま正面から提起して見せているのである。


安楽死という重いテーマを考える人がぜひみてほしいこの漫画、アニメ


一般には周知されてないので


例えば?

24時間テレビにでも放映したら良いと、、私はおもうけどね。





こちらもどうぞ


奇子について  手塚漫画の奥深さ

https://ncode.syosetu.com/n1401fe/


ドクターキリコ 白い死神  スピンオフ作品です。

https://mangapedia.com/Dr.%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B3%EF%BD%9E%E7%99%BD%E3%81%84%E6%AD%BB%E7%A5%9E%EF%BD%9E-exyb4tn8p



☆付記

終末期緩和ケアについて


ターミナルケアとも言いますが

患者の終末期に、無用な痛みや苦痛を取り除く(緩和)ためのケアをする医療行為です。

例えば末期のがん患者の痛みは通常の鎮痛剤では緩和できず、そのためにモルヒネで緩和するなどの医療を施すことです。これで治癒はしませんが苦痛は除去できますから。

治す医療ではなく、直せないが。苦痛を除去して安らかな自然死を?迎えられるようにすることです。

じゃあ安楽死ではなくってもターミナルケアでいいじゃないか?

でも、終末期ではないという、難病で苦痛はあるがそれで死ぬことはないという患者には

こういう方法も臨時的?なものとなるでしょうね。

そもそもターミナルケアとは、

数か月後に死ぬだろうという終末が見えている患者の苦痛を除去するという行為ですから。

安楽死とは次元が異なるのです。


先ほどの例のような


「難病で治療法もなく苦痛が毎日襲う。点滴と呼吸器と、胃婁と、排尿器でつながれ体はマヒで動かない、寝たきりで」


、、、、、、も、こうした延命治療を続ければ5年でも10年でも生きることはできるわけですからね。



スピンオフ作品のドクターキリコの妹のユリという女医がこの専門医という設定です。





















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― 新着の感想 ―
[一言] 初めまして。 いやいや、24時間テレビではだめでしょう。 昔は、24時間テレビは手塚アニメと決まっていましたけどね。 安楽死については、スルーしておきます。話し出すと長くなりますから。W…
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