第一話 冒険者ギルドと宿 中編
《宿屋ライム》
「部屋空いてますか?」
「ああ、二人部屋なら空いてるよ」
かなりガタイの良いおっさんが店番をしていた。
良かった、これでなかったら別のとこを探さないと行けないとこだったな
「そこでお願いします」
「あいよ、1泊2日で銅貨4枚、一週間で銀貨2枚」
「一週間で」
「延長するんなら、また声をかけてくれ」
これでひとまずは安心だな。
「はい、ありがとうございます」
そんなことを考えつつ、この後の事を考えていると不意に
「それよりあんちゃん、珍しい服きてんねぇ」
と言われ
「あーこれは……」
どうしよう、なにも考えてなかった。えーと……と、とりあえず
「田舎から出て来たばかりなもんで……」
と言いながら笑って誤魔化す。
「へー……まあ頑張れよ!」
僕は銀貨4枚をそのおっさんに手渡した。
この世界のお金は小銅貨10枚で銅貨1枚、銅貨10枚で銀貨1枚銀貨10枚で金貨1枚、金貨10枚で大金貨1枚らしい小銅貨1枚=100円 銅貨1枚=1,000円 銀貨1枚=10,000円 金貨1枚=100,000円 大金貨1枚=1,000,000円だという。庶民には大金貨とは一生縁のないものらしい。
とりあえず部屋に条夜と僕のカバンだけ置いて、待ち合わせのギルドに向かった。
服は、早めに買えておいた方が良さそう……
「もう終わったかな?」
僕はギルド内を見渡しながら条夜を探した。
「おっ! 仕佐、依頼達成したぞ!」
「早いな」
てか、なんの依頼受けたんだ?
「これ回復のポーションと銅貨2枚と小銅貨3枚」
「僕が持っといていいの?」
僕が持ってていいのか?
「ん? その方が良いだろ?」
2人は宿屋ライムに向かって帰りだした。
「明日はさ、この街を探検しようぜ」
「そうだね」
「一応地図はあるんだけどね」と仕佐は小声で呟く。
「早く帰って寝ようぜ、俺疲れたわ」
と明日のことを話している内に宿に着いた。
2人は別々のベットに横たわり、向かい合って話している。
「それじゃぁ、異世界生活1日目の夜、終了!」
「ん、おやすみ」
今日はいろんな事があったな、学校に行く途中で異世界に召喚されて……冒険者ギルドに登録して……あれ? あんまり無いな……まあ、いいや、寝よう……――