第零話 まさかの異世界召喚 前編
俺の名前は雷鳴仕佐15歳。
どこにでもいるごく普通の中学生だ。
だけど、今は普通ではない。というのも2時間前に遡る――
そう、あれはいつも通り学校に登校していたときのことだった。
突然視界が真っ暗になり――気を失った。
目が覚めたとき、そこは知らない床がただ一幕に広がっていたのだ。
◆ ◆ ◆
あれ?確か俺学校に行く途中で.......その後どうなったんだっけ?
「ここは.......どこだ?」
俺はなぜか、うつ伏せのまま赤い絨毯を睨め付けていた。俺がこの状況に戸惑っていると、隣から誰かの声が聞こえた。
「――おぃ――おい! 大丈夫か?」
「え? ああ、大、丈夫。ここは?」
俺はかなり混乱しながら、ここがどこか聞いてみた。
「お前は今、異世界に召喚されたんだよ」
「……? というか君は?」
突然訳の分からないことを言われ、俺は一瞬困惑した。だがなぜか、その人の名前を聞いてしまった。
「まだ名乗ってなかったな、俺は赤城条夜だ」
「えと、よろしく条夜さん」
かっこいい名前だなぁ。とか思いつつ、さん付けで挨拶を交わした。が
「呼び捨てでいいよ」
と、言われ「そうなのか」と安心しつつ、俺も自己紹介をした。
「あ、俺の名前は雷鳴仕佐」
「おう! よろしく仕佐」
「話は終わりましたでしょうか?」
するとTHE〇〇教のような格好の綺麗なお姉さん? が話しかけてきた。
「え? いやまだ、聞きたいことがいろいろ.......」
「いいじゃねえか。あとでいくらでも話せるだろ、先にこの世界のことを聞こうぜ」
(それって……ってことだよな?)
「あ、うん」
「私はあなた方を召喚した召喚魔法を得意とする神官です。名をアスチル・フォン・テルナリアと申します。以後お見知りおきを――」