第三十五話 なにもかもが大きな街 2
少し歩くとすぐそこに冒険者ギルドはあった。冒険者ギルドは国内、国外問わず依頼があるためそのどちらもに行きやすい場所に設置されているらしい。外で何かしらあったときすぐ駆け込めむことができるためにもこの位置に建造されている。
「例外なくどの建物もおっきいね~」
やはりどの建物にも人族サイズ用の扉が設置されている。というか獣人のサイズの扉は取っ手に手が届かないうえに掴めたとしても開かないだろう。
中に入ると不思議な感覚に陥った。
(……暖かい?)
「なんかぽわぽわしてるね」
暖房がついているような、そんな暖かさ。
獣人の冒険者達が依頼書と睨めっこしておりどこの冒険者ギルドも変わらないなと思ってしまう。パッと見た限りでは人族は仕佐たちだけらしく、受付の人も耳が生えている。
「受けれそうな依頼探すね~」
そう言いながら咲夜だけ獣人たちの群がっている場所へ行く。
「じゃあ僕はトイレ」
「あ、うん」
影兎も居なくなってしまった。仕佐はわりと新しい場所や慣れていない街や道などが苦手である。どうしても同じ道を通ってしまうし、同じ店で買い物をしてしまう。こうして一人になってしまうと本当にどうして良いか分からないタイプだ。
(……壁の方で待とう)
そう結論付けると咲夜が見える位置、というより咲夜からすぐ見つけて貰えそうな受付付近の壁に行きもたれかかった。
「――う~ん。フォークグロックの討伐はちょっと気になるよねぇ。でもレベル的にこっちのアークグリフォンもいけそう」
真剣に悩んでいるように見えるが、実はこれ名前を見て判断しているだけなのだ。いろんな異世界作品を履修している咲夜にとって大体は名前で姿形が思い浮かぶが、とくにフォークグロックはカエルだろうということしか情報がない。フォークが何を差しているのかに興味津々だ。
「でも、三人で討伐っていうことを考えたらフォークグロックかな。うん、こっちにしよう」
サッと依頼書を剥がすと受付に持って行く。すると影兎もいつの間にか戻ってきており三人はバッチリなタイミングで合流した。
受注が無事完了すると扉の方へ足を向ける。
「さっそく行こっか」
◆ ◆ ◆
――その頃条夜は何をするでもなく、先日魔族に襲われた場所へ来ていた。
(蒼磨はなにもなかったって言ってたが……)
決定的な何かを見落としている可能性もある。日没まで時間はあるので注意深く周囲一帯をくまなく詮索しはじめた。
が、あの魔族が何かをしていたような痕跡は見当たらず、あったのは変な魔力溜まりだけだった。
「そういやコレ前にも見たな」
いつしか妙な魔力溜まりを発見したことがあった。あの時も魔族絡みで、どういうわけかソレはすぐに無くなってしまったが。
「俺らが戦った結果できたんなら納得できるが……それだと至る所にコレがないとおかしいよなぁ」
あの戦闘でできたというにならシュタード達と一緒に戦った後にもこの痕跡があったということになる。しかしそう言う話は一切聞いていない。
どういう原理でできているのか分からない以上、コレを魔族と結びつけることは出来かねる。
「……やっぱダメだな。そうそう上手いこといかねぇわ」
ため息を零すと髪をぐしゃぐしゃ掻く。
魔力溜まりを横目に条夜はこの場から離れた。
1週間経つの早くない?
ストックがかなりまずいことになっている上になんと1週間の間で1つしかストックができなかった……プラスマイナス0!!!
来月の投稿までにストックを増やすぞぉ……!!
はい。次の投稿は来月の11日ですね。それではまた――




