第三十五話 なにもかもが大きな街
――それから数日後。四人ともしっかり回復し、ようやくテス王国内を見て回れるくらいに元気を取り戻した。蒼磨はその間襲われた森の調査を行ってくれたが、とくにこれと言った収穫はなかったらしい。
「それじゃあ、みんな準備は良い?」
ようやく肝心のテス王国への一歩、もとい二歩目を歩き出せる。
ということでわざわざ四人はテス王国を囲む巨大な城壁、門の前にやって来たわけだ。
「ああ」
「行くよ? せーのっ!」
「「「おお!!」」」
「すごい……でっかいね」
一斉に振り向きそれを視界に入れたがその圧倒的なボリュームに驚いた。二番煎じといえばそれまでだが、こう言うのはやり直した方が楽しいしおもしろいのだ。
「なんか小人になったみたいだ~!」
「テス王国のテスって大きいとか巨大みたいな意味なのかな」
各々が各々の感想を誰に言うでもなく口にする。
ここテス王国は門をはじめとした建物や道幅などありとあらゆるものが大きい。それにはもちろん理由がある。
「でっか……」
思わず咲夜が呟くその先には自身の身長の倍以上もある背丈の歩行者。後ろ姿を見送ると腰辺りから伸びている尻尾に目が行ってしまう。
そう、街の住人のほとんどが獣人であり人族よりかなり大きいのだ。領主も獣人のためこのように大きな外壁や建造物が多くなっている。
「それじゃあ早速探索に行こっか!」
うきうきで、目を輝かせながら今にも走り出しそうなテンションで言うが、一人は乗り気でなかった。
「悪いけど俺はパスさせてもらう」
「えっ条夜行かないの?! まだどっか痛い?」
つい昨日まで療養していたのだ。もしかしたらまだ本調子ではないのかもと訊いてみるが
「いや、そういうわけじゃあないんだけど……」
深くは聞かず咲夜は残念そうに了承すると気を取り直したように手を振った。
「そっか……また後でね! ほら仕佐、えっちゃん行くよ」
「え、あ、うん」
「――どこ行こっか!」
「――とかどう?」
離れていく声と三人の後ろ姿を見ながら条夜は手を軽く手を握る。そのまま回れ右をすると潜ったばかりの門をもう一度潜って行った。
(条夜……今までこんなことなかったのにどうしたんだろう)
ただ心配で、でも咄嗟に訊くことはできず流されるままに咲夜達と歩いている。かく言う咲夜と影兎はどこに行こうかと盛り上がっている最中だ。影兎がここまでよく話しているのは滅多にないので仕佐的には珍しさを覚えてしまう。
「――いいかな仕佐?」
「……え? あ、ごめん聞いてなかった」
「まずは冒険者ギルドに行こうかなーって」
咲夜は特に何か聞くようなことはせず明るいテンションのままもう一度言った。
「うん。いいよ」
握りこぶしを作りながら喜ぶとタタっと少し先へ走る。そして別に何十メートルも離れたわけではないのに大きく手を振りながら二人を呼んだ。
「行くよー!」
ストックがあまりにもまずい
明日明後日でめっちゃ書くぞ~っと、増えてたら次の後書きでちゃんと報告するんでね。ええ
さ、始まったねテス王国編。もう6章だよ、早いね。なんならこの作品も6年目とかだよ、すごいね
テス王国って名前だけはちょくちょく出てたけど、というか4章から5章にかけて住んでたのはテス王国だけど。ビーリアンの街のほうが近いからって理由であんま行ってなかっただけだし、ねぇ?(29話参照)
はい。テス王国での話です。ようやくやっとタグに入れてるヤツが出来そうで感慨深いね
次の投稿は来週の21日ですね。ストックがあまりにもまずいですね
いざとなればゲームを控えながら書きますよええ。それではまた――




