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「悪役令嬢」ではない・・・、『悪令嬢』だ!!!  作者: サムライドラゴン
本編
2/2

悪の令嬢と、愉快な仲間たち

※この作品は「悪役令嬢モノ」ではありません。




 我輩(わがはい)の名は「キャロライン・ハイザック・城ヶ崎」。


 もちろん本名ではない。

 キャロラインは実名だが。


 偉大なる人物は、偉大な名前を付けた方がいい。

 だから、それっぽい名前を考えたのだ。


「お嬢様、近くの村でならず者たちが暴れているようです。」

「そうか。」


 このヤギ頭は、執事の「ゴードン・ゴードン」。

 我輩たちは普通に"ゴードン"と呼ぶ。


「城の者たちを作戦室へ招集(しょうしゅう)させてくれ。」

「かしこまりました。」




 我輩たちは、悪の軍団『地獄のウサギ団(ヘルラビッツ)』である。


 『地獄のウサギ団(ヘルラビッツ)』の目的は当然「世界征服」である!

 世界中の人間たちなどを我輩にひれ()させることが、最大の目標だ!!

 そのために、ウサギのように軽やかに計画を進行させている!!!


 ・・・だが、もう一つ重大な目的もある。


 我輩はいずれ、この世界を支配する存在なのだ!

 だから、我輩の世界を汚す存在は許さないのである!!

 ウサギのように軽やかに奴らのもとまで行き、制裁を加えるのだ!!!


 それが我輩たちの使命なのだ!!!






 作戦室へと来た。

 城の者が全員集まったので、改めて紹介といこう。



 まずは我輩、「キャロライン・ハイザック・城ヶ崎」から。

 我輩は見ての通り、この城の主で、『地獄のウサギ団(ヘルラビッツ)』のボスだ。


 我輩は元々裕福な家で生まれたが、父と母が早くに亡くなってしまい、幼き我輩は独りぼっちとなってしまった。

 しかし、城の者たちと次々出会い、そして仲間となり、「悪の軍団」を創り上げたわけだ。


 なぜ「悪の軍団」になったって?

 「悪」なら好き勝手にやれるからだ。



 次は、執事の「ゴードン・ゴードン」。

 我輩の身の回りの世話をしてくれる、かけがえのない奴だ。


 過去に、何者かに首をちょん切られたらしいが、ヤギの頭を移植されて一命を取り()めたらしい。

 だから、一応ゴードンは人間だ。


 我輩の世話だけでなく、ドローンを飛ばして世界の様子などをチェックしてくれる、偵察係の役目もしてくれている。

 本当に頼もしい奴だ。



 次は、科学者「ドクター・シェパード」。

 道具や兵器を開発してくれる、頼もしい奴だ。


 顔はブサイクだが、頭は良い。

 凄い猫背だが、足は速い。

 もちろんシェパードも人間だ。


 実はこの城を設計したのも、シェパードだ。

 中々面白い奴だし、我輩は気に入っている。



 次は、庭師の「フォースフィールド」。

 庭の世話をしてくれているが、我輩の剣術の師範でもある、素晴らしい奴だ。


 蒼炎剣技という剣術で、簡単に言えば蒼い炎を剣に(まと)わせて攻撃する技だ。

 見た目は全身甲冑姿だが、人間だ。

 目は黒白目だが、ちゃんと人間だ。


 我輩がタメ口を許している唯一の人物だ。

 そして、我輩にとっては「兄」のような存在だ。



 次は、コックの「デスファイト」。

 料理をしてくれている、ありがたい奴だ。


 コイツも全身甲冑姿である。

 素顔は見たことないが、ちゃんと人間だ。

 言われただけだが、人間で間違いない・・・ハズ。


 食材を手に入れるために、狩りに出ることがある。

 そのため、軍団一のマッチョである。

 甲冑姿で筋肉は見えないが・・・。



 次は、メイドの「デュアル」。

 城内の掃除などをしてくれている、感謝すべき奴だ。


 片目に包帯を巻いている。

 それと、肌がかなり白い。

 かなり白いけど、ちゃんと人間だ。


 普段は物静かで口数が少ない。

 過去になにかあって、褒められることに慣れてないらしい。



 最後は、近衛兵の「ガチ」。

 城の警備をしてくれている、あっぱれな奴だ。


 鎧を身に着けているが、全身ではなく体のみだ。

 顔は怪物みたいだが、ちゃんとした人間だ。

 繰り返す、人間だ。


 デスファイトほどではないが、ガチもかなり筋肉質だ。

 というか、初見は絶対ガチが一番マッチョだと思うだろう。

 そして、背もデカいのがポイントだ。



 以上が、この城の者たちだ。

 「軍団」というにはメンバーが少ないが、我輩はこの時点でも満足している。


 それはなぜかって?

 なぜなら、今話した全員は「強い」からだ。


 全員、本来の役柄と「戦闘員」も兼役(かねやく)をしている。

 そのため、誰でも任務に行けるのだ。


 それが、この軍団の強みである。






「で、今回はならず者たちの退治をするのが任務だ。 行ける人は挙手(きょしゅ)。」


 我輩の言葉と共に、何名かが手を挙げた。

 ・・・いや、全員だ。


執事「いつも通り、行けますよ。」

科学者「アハッ、特に予定はないから行けるですぜぇ。」

庭師「退屈していたところだ。」

コック「ちょうど食材を()りに行こうかと思っていたので。」

メイド「今・・・やること・・・ない・・・です・・・。」

近衛兵「言うまでもねえでしょ?」


 それぞれが好き勝手言っていた。

 こうなったときが一番めんどくさいのだ・・・。


「めんどくさいから、ジャンケンで決めてくれ。 ああ、ちなみに三人ね。」


 我輩の命令を聞き、全員が「ジャンケン、ポン」と言い放った。

 そして数回の戦いの末、ついに勝者が決まったのである。


「私めと、シェパードとフォースフィールドに決まりました。」


 勝者はゴードン、シェパード、フォースフィールドの三人。

 そして、我輩を入れて四人だ。


「では、参ろう。」

「『ラビットパレス』を動かしますか?」

「いや、近いし歩きでいいだろう。」


 『ラビットパレス』とは、この城の名前だ。

 この城は移動式でもあり、動かすこともできる。

 そのため、遠くまで旅をするのも楽である。

 欠点は、移動が少々遅いことであるが。






 そして目的の村まで着いた。

 そこにはならず者たちが村人たちから、食料や金品を盗んでいた。


 我輩の世界で、好き勝手にはさせないぞ・・・。



 我輩は高い場所へ(のぼ)った。


「ならず者たちに告ぐ! 大人しく武器を捨て、両手を挙げて投降(とうこう)しろ!!」


 我輩はトランジスタメガホンを使って、村中に声を響かせた。

 ならず者たちは当然、なにも知らない村人たちもコチラを注目した。


「繰り返す! 大人しく武器を捨て、両手を挙げて投降(とうこう)しろ!!」


 再び同じことを言った。

 しかし、やはりならず者たち言う事を聞かない。

 コチラを指差してバカにする奴もいた。


 ここまでは想定内のことだ。

 では次のステップへ行こう。


「投降する気はないと見た! ならば、力で解決させてもらう!!」


 我輩は忠告した。

 しかし、やはり誰一人として従おうとしなかった。

 また指差してバカにしていたりもした。


 だが、今度は違った。

 ならず者の一人が、持っていた剣を我輩に向けて投げつけてきたのだ。

 刃が我輩の方に向いたまま、飛んできていた。


 だが、我輩は逃げなかった。

 次の瞬間、隣にいたゴードンが飛んできた剣を持っていた槍で(はじ)いたのだ。

 我輩が逃げなかった理由はこれだったからだ。



「ならず者たちよ! "キャロライン・ハイザック・城ヶ崎"の名のもとに、貴様たちを成敗する!!」


 その言葉と共に、ゴードン、シェパード、フォースフィールドは飛び出していった。

 そして、村にいるならず者たちを次々と成敗していった。



 ゴードンは槍と身体能力を使った戦い方だ。

 単に槍で攻撃することもあれば、地面に突き刺した槍を利用した蹴り技を使ったりしている。


 シェパードは素早い動きを武器として、敵の攻撃を回避した隙をついて殴ったりして攻撃をする。

 また、おかしな発明品を使って攻撃する場合もある。

 例えば、今なら臭い匂いを出す玉を投げつけたりして、錯乱させている。


 フォースフィールドは先ほど言った蒼炎剣技使って無双している。

 しかし、直接相手に当てるのではなく、相手の武器をダメにさせたりしている。


 我輩は人間は殺さないからな。



 さてと、では我輩も行くか。

 みんなにばっかり戦わせるわけにはいかない。


「やあぁぁぁー!!」


 我輩は前方宙返りをしたと同時に、一体のならず者に蹴りを放った。

 そして倒れたならず者から剣を奪い、他のならず者の方に向かった。


 次々に相手の武器を弾き、丸腰のならず者に強めの蹴りを放つ。



 その後もならず者たちを一人残らず成敗し続けた。






「村を救っていただき、本当にありがとうございました。」

「自分の世界を守ることは当然だ。」


 我輩は腕を組みながら高笑いをした。


 村人たちはなにを言っているのか分かってなさそう顔をしていた。

 まあ、我輩は未来でのことを言っているから、分からないのもしょうがない。

 笑って許してやるさ。



 今回倒したならず者たちは、全員網に入れて城へ運ぶつもりだ。

 そしてテキトーな場所に捨てておくのさ。

 「国家」の目の届く場所にね。


 本来なら我輩が直々に逮捕してやってもいいのだが、今現在は「国家」と呼ばれる連中に世界を任せているので、ひとまずソイツらに頼むのさ。




 我輩たち『地獄のウサギ団(ヘルラビッツ)』は、このような感じで世界征服を進めるのさ。


 まあ、いつでも世界を征服できるし、ウサギのようにゴール前で寝てても全然大丈夫だろう。

 未来は決まっているんだし。






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