これからの事②
さあ、今後の方針(酒飲みルート)の為に、まだまだ出来る事を考えて行きますよー!
シャルロッテがシナリオ通りならば……
①12歳の時にクリストファー殿下に恋をする→無理矢理に婚約を結ぶ。
②15歳の時に王立ラヴィッツ学院に入学。
③【聖女召喚】があり彼方が学院に入学してくる。同じクラスになる。
④彼方がクリストファー殿下らと魔物討伐任務に就く。いつも一緒。(みんなでお泊まり有り)
⑤クリストファー殿下の彼方を見つめる瞳が柔らかく優しいモノに変わる。→シャルロッテが偶然に目撃。
⑥嫉妬したシャルロッテが彼方を虐め始める。
⑦幾重に待ち受ける虐めにも負けず、魔物討伐を頑張る彼方へクリストファー殿下が愛の告白をする。シャルロッテは婚約破棄を告げられる。
⑧彼方を殺そうとシャルロッテが飲み物に毒を混入。→攻略対象キャラ達にバッチリ目撃される。
⑨【聖女】を殺そうとした事が明るみになり、王様の前で断罪される。首斬り処刑or魔物の国へ追放。
⑩死亡。the END。
……。
確か……今は三月だった。
ルーカスお兄様達の入学式は九月だから……
あと半年。
ギリギリだった。
本当に記憶を思い出して良かった……。
クリストファー殿下と婚約した後だったら、どうしようも無かったかもしれない。
後は半年後の入学式に参加しなければ良いのだ!
そう思えば希望が見えた気がした。
これで、長生きが出来る!
四年後のお酒が飲める様になる年まで平穏に暮らせそうだ。
これならゲームで、一番推しだったあの人にも会えるかもしれない。
ていうか……寧ろ、こっそり会いに行っちゃう!?
……いや、駄目だ。
危険過ぎる。無理に会おうとすれば、攻略対象者達と接点を作りかねないし、第一に彼は私の事をまだ知らない。
少なくとも、もう少し安全なルートに進むまでは接触を避けるべきだ。
だけど………早く会いたい。
会いたいのに会えない。この距離がもどかしい。
ゲームの中などではなく、同じ世界にいるのに……。
って、あーっ!駄目だ。
余計な事を考えるとネガティブな思考に陥ってしまう。
この世界に居れば、いつかは会えるのだ。
それで良いのだ。そう思うのだ。
【リカルド・アーカー】
ルーカスが学院で出会う学友。ルーカスが心を許している、数少ない親友の内の一人。
大人しくて、優しい狼系獣人の少年。
シルバーグレイの髪に、透き通る様なブルーグレーの瞳。
私は攻略対象者じゃない彼が大好きだった。
リカルド様に会いたいが為に、私はルーカスのルートを選び続けた。
彼はルーカスルートにしか出て来ないのだ。
そういえば……。
ルーカスは二学年目の最初の頃に出会うリカルド様と仲が悪かった。
と言っても、ルーカスが一方的に嫌悪感を丸出しにしてるから、空気を読んだリカルド様ががそれを避けてただけなんだけどね。
……あれ?どうしてそこから仲良くなったんだっけ??
誰にでも優しい筈のルーカスが、どうして冷たい視線がデフォルトのツンドラデレキャラクターになったの…?
今までの記憶を辿っても、妹である私に甘いの変わらないけど、両親に対しても素直だし、執事や侍女達にも分け隔てなく優しかった。
なのに、ゲームの中では常に無表情。彼方に対しても、初めの頃は冷たくて、酷い言葉ばかり投げつけていたよね?
そして……私はいつから我が儘放題の悪役令嬢になったの?
まあ、今も末っ子の権限を振りかざして、家族にも侍女達にも甘えまくってはいるのだけれど……。
高圧的、自己中、殺人未遂までやらかす様なお嬢様になる教育はされていない筈だ。
嫉妬だけで、そこまで変わる?
では、どうして…?
ふと思った疑問の答えが見出だせないまま……色々と考え過ぎて疲れていたのか、はたまた二日酔いのせいか、私の意識はいつの間にか夢の中へと沈んでいた。