表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

138/213

ライス島~その後➀

『おむすびころりん……スットントン』

 おむすび……。英語で言えば、ライスボール?


『おーい!おむすび〇ーん』

 ……食べれないけど、おにぎりの仲間!こむすび〇んもいるよ!


『これっくらいのーーお弁当箱にーーおにぎり、おにぎり……』

 丸、三角、俵型。家庭によって色々な形があるよね!


え?……何が言いたいか分からない……?

仕方ないなぁ……。教えてあ・げ・る!


【お・に・ぎ・り】作ったどーーーー!!!

ひゃっふーー!!


……分かりにくくて……すみません。

今の私は、テンションマックスなのでウザさもマックス!!


多少……大目に見てやって下さい……。


しかーし!

それもこれも【海苔】のせいである!!

まごうことなき【海苔】でせいである!!


なんと!!

ライス島には(マイ)だけじゃなく、海苔まで存在していたのだ!!

気付いたのは、炊きたてご飯パーティーの時だ。


ご飯を炊いたのは良いが……私は全くご飯の()()の事を考えていなかった。

それに気付いたのは、二杯目の白米をお代わりした時である。


『お・か・ず・が・な・い!!』


……あれは衝撃的だった。

もしかしたらここ最近で一位、二位を争う衝撃だった! ……と思う。


ガックリと肩を落とした私に……

「シャルロッテ様、どうしたマイ~?良かったらコレを食べるマイ~!」

コマチさんがそう言って差し出してくれたのは……【佃煮】だった。

()()()()()!! ごはんで〇よーのアレである。


…………私は衝撃を受けた。

私の身体の中を稲妻が駆け抜けた。


【炊いたご飯】が無いのに【海苔の佃煮】はあるのか!?……と。

海苔の佃煮と言えば、老若男女問わないご飯のお供である。

そして、ライス島でも(マイ)のお供なのだそうだ。


バリバリの生米に……!?

いやいやいやいや!!どんな食べ物だ!!


私は直ぐにコマチさんに海苔の存在を尋ねた。


すると……

『こんなのは海に腐るほどありますマイ~。』

とにこやかにおっしゃるではないですか!


マ、マジですか!!

私は絶句した。


ライス島に上陸した時は全く気付いて無かった。

ましてやここは海に囲まれた島なのだから、海産物があってもおかしくはなかったのだが……。

私はその事に気付けなかった。

いや……気付く余裕が無かったのである!

私の全てはお米に集中していたから……!!!


これまた食べられない分は、家畜の餌に……とかコマチさんが言ってる。

家畜がうらやま……。


つまり、私が言いたかったのは……『海苔があるなら早く言ってよ!!』である。


因みにライス島では、海苔の事を『ノリノリ』と言うそうだ。


ノリノリ……。

意外と良いかもしれない。ノリノリ……。


そうして直ぐに案内してもらったのはライス島の港付近。


そこには大量の岩海苔があるのが遠目にも見えた。

海苔!!

しかも、この岩海苔……。これまた一年中取り放題らしい。

海苔があるのだから、ワカメや昆布も勿論あったよ?

だが、それは置いておく……。


今は海苔だ。海苔なのだーー!!


日本ならば海水温の低い数ヶ月しか取れないといわれている海苔。

どうしてこの島は一年中取れるのだろうか?

私はそう不思議に思いながら岩海苔を手に取ろうとした時に、海苔の生えている辺りの海水だけが冷たい事に気付いた。


流石は異世界……何でもありである。

海苔が出来る環境が確かにここにあった。


……まあ、でもそのお陰で海苔がget出来るのだから良しとしましょう!



コマチさんにお借りしたカゴいっぱいに海苔を取った私は、ルンルン気分で村に戻った。


お兄様達やコマチさんや村の皆さんが見守る中で、私は作業に取りかかった。


まずは……私の前にサイラスに立っていてもらい、平らで少し斜めな形状の完全防水結界を張る。

その完全防水結界に取れたての岩海苔を、薄く均等にならしながらペタペタと貼っていくのだ。

この地味な作業がなかなかに楽しい。


食べ物が出来る課程って面白いよね!


あ、取ってきた海苔が多すぎて結界が足りない……。

という事で、リカルド様とお兄様にも協力をしてもらう。


二人の前に同じく結界を張り、海苔を張り付けて行くのだが……。

私の作業を見ていた子供達が手伝ってくれた。楽しそうに見えたらしい。

そうした子供達のお手伝いのお陰で、あっという間に三人の前に巨大な海苔壁が出来た。


え?三人に結界を張った意味?

三人はただの目印である!

何もない空間に結界を張っても見えにくいじゃないか。……ふふふっ。


出来上がった海苔の壁に……念のために浄化(消毒)を施し、『ドライ』と呪文を唱えて乾燥させたら…………

パリッパリの海苔の完成である!!


出来たての海苔をハサミで適当な大きさに切って……塩むすびに巻いたら…………。


おーに・ぎ・りっ! おーに・ぎ・りっ!!(応援するように)


パクっと一口齧り付けば……甘味のあるご飯に程好い塩加減。

ふっと口の中に漂う磯の香りが堪らない。


おーに・ぎ・りっ! おーに・ぎ・りっ!!(応援するように)


「……っ!!」

なんだこの病み付きになりそうな味は!!

大地の恵みと海の恵みのマリアージュやー!


って誰やねん!!


やっぱり海苔のおにぎりは美味しかった。

生きていて良かった……!!


……と、まあそんなこんなで、これまた喜んだサイラスにパリパリ海苔のレシピも伝授したら、これまた定期的に送ってもらえる事になった。



ライス島最高!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ