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悪役令嬢はGL展開を回避する為に婚約破棄を目指します!  作者: 鬼京雅
序章・アヤカは悪役令嬢になりました編
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1話・貴族令嬢のアヤカは悪役令嬢になりました

 15歳の成人式の夜に私、貴族令嬢のアヤカは「悪役令嬢」になった――。


 成人洞窟での成人式の儀式が終わり、魔法陣の中にいる私の儀式魔力で逆立つ髪は落ち着いたの。

 前髪のぱっつん具合と黒髪ロングの姫カットをチェックして、ツインテール跳ね上げる。


「……これが悪役令嬢ジョブ。おぉ。凄い……」


 黒い魔女服の身体に魔力の高ぶりを感じたの。


「悪役令嬢……凄いクラスだわ。無駄に魔力の高ぶりを感じてしまう」


 私の住む世界は異世界ジパング大陸。

 森や自然環境が豊かなその中央都市であるバクーフ王国は、ジパング大陸での実質的な支配国なの。そこで私は貴族の令嬢として生まれついていて、今日は夜の洞窟で自分のジョブを決める成人式の日だったんだけど……。


「ぽえ? でも<悪役令嬢>ってジョブはイージークラスのジョブには無いよね? 私、魔法使いのウィザードを選んだんだけど……勇者様助けて」


 という問いに答えてくれる勇者様も他の人もいない。

 だって15歳の成人式の儀式は一人で行うものだから。


 基本的に15歳の成人式でジョブを選んで、これからの人生の方向性を決めるの。このジョブが20歳になった時にどれだけマスタークラスや、その上の支配者級のクエストクラスになれてるかで、「バクーフ騎士団」への加入が認められて、かなりの待遇で生活が出来るようになる。



 男の子なら剣を使うファイターか、槍を使うナイトクラスが多い。

 女の子は私の希望したウィザードが多いんだけど……。


「タロット占いでも今日は愚者のフールだった。正位置だから未知の世界でも怖がらずやれ! って事だけど未知すぎるジョブになったわ。だからこんなイレギュラーなジョブになったのね。朝のタロット占い信じてれば良かった……でもやけに魔力の高ぶりを感じる。悪役令嬢なら、もしかして凄い人になれる可能性がある。逆に運が良かったのかも知れないわ」


 何か凄いスーパーレアジョブにクラスチェンジしたような気がして、成人洞窟を飛び出して森で魔法を使う事にしたの。


「勇者様……とうとう私もジョブを得る事が出来ました。でも訳の分からないジョブだから練習してみます。行きますよ……火の精霊よ我に答え給え。ファイアー!」


 ブオオオッ! と凄まじい火柱が上がり、山火事が起きました!

 焦る私はとりあえず水魔法を使います。


「あわわわ。とにかく鎮火しなきゃ! えっと……水の精霊よ大地を潤せ。ウォーター!」


 ジュワァァ……と山火事は鎮火されめでたし、めでたしです。


「めでたし、めでたしじゃないよ。バカか私。てか、何この魔力……? え? 私かなりチートじゃない? イージークラスでもなく、熟練のマスタークラスでもなく、どの王国も一人いれば国は安泰と言われる支配者級のクエストクラスだよ。ヤバイ……悪役令嬢ジョブはチートだわ勇者様」


 私は憧れの勇者様に会える日が近いと確信した。

 この悪役令嬢ジョブなら、封印された魔王を討伐する時の勇者様の役に立てるのは確実ね。


「よし、成人式も終わったから家に帰って家族に報告しよう。10年前に勇者様に助けられたこの命を、世界の為に使う時が来たようです。勇者様ありがとうございます」


 すると、夜の森のどこかからパチパチパチと拍手が聞こえた。その人物は茶髪の長い髪で、左右の耳の横で後ろに向かって編み込んでいる、編み込みポニーのヘアスタイル。服装は金のネックレスに白い高級ドレスを着ていたの。足元のシャンパンゴールドのヒールも高そうだわ……。金持ち?


 それに、Eカップはありそうな胸と細いウエストでスタイルも良い。顔はまるでSSS級美少女の押し売りのような顔をしてる。年齢は私と同じぐらいに見える、謎の女の子は言ったの。


「成人式おめでとうアヤカちゃん。わざわざ貴女に「呪い」をかけて悪役令嬢にした甲斐があったわ。これから貴女は私の悪役令嬢として存分に働いてもらうわよ。我がバクーフ王国の為にもね」


「ぽよ?」


 何を言ってるかわからないから、変な返事をしてしまった!  その美少女は更に言葉を続けるわ。


「あら、私を知らないの?  この王族である私の事を」


「まさか……バクーフ王の娘。スズカ様……」


 そこに、このバクーフ王国の王の娘であるスズカ様が現れたの。

 こんな夜に一人でバクーフ王の娘が歩いてるなんて、あり得ないから私は警戒心を強くした。


 そして、「呪い」って何?


 こうして、成人式の儀式の夜は私にとって運命の夜となってしまったの。




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