ワイ、妹性悪説を熱く語りき! 【ヒロイン 大阪のオバチャン(悪)】
妹のおる奴。
ホンマに気を付けとけよ…
ホンマのホンマやからな!
大事な話し合いは必ず公証役場でせなアカンぞ!
『お兄ちゃん♪』
そう言って駆け寄ってくる妹をワイは華麗に回避する。
『『『『跳んだ!?』』』』
娘さん達が一斉に驚く。
…跳ぶよ?
言っとくけどワイ、機動隊2個中隊の制止を潜ってロシア大使館に弾劾状を渡したことあるで?
おチビちゃんの一人や二人、物の数やないで?
「ちょい待ち~!!!!!!」
ワイは一喝しておチビちゃんの接近を阻む。
『新王陛下! どうしてそなたはロリキャラに厳しいのじゃ!!
異世界妹なんて、殿方から見れば最も美味しい存在であろう。
主に性的な意味で!!』
他の娘さん達も大きく頷く。
『ひどいよ、お兄ちゃん!
こんなに可愛い妹の何が不満なの?』
いや、自分で可愛いとか言うか普通?
「解かった!
キミらの不満は良く解かった!
ワイもただ感情的に妹回避してる訳やないんや!
言い分!
まずはオッチャンの言い分を聞いてくれ!」
『わかったー♪ 聞くー♪』
「勝手に膝の上に乗らん取ってくれるかな?
御家族の人に怒って貰うで?」
『私の家族はお兄ちゃんだけだよー♪』
「…(#^ω^)ピキピキ」
『超賢者様! ワタクシも!』
『お師匠様! 我も!』
『オジサマ! 私も!』
『新王陛下! 余も!』
ぐっ、乳に埋もれて…
息が苦しい…
『いやー。 ようやくハーレムアニメらしくなってきましたなーww』
ハーレム… アニメ…
最強姉ちゃんが口を滑らせた台詞を頭の片隅に留める。
恐らく、これが状況打開のヒントや。
だが、今は持論展開に専念する。
「ぷはっ!!!
…ハアハア!!!
右の乳!!!
鼻を塞ぐのはやめてくれ!!
殺す気か!!!」
『あら~ オジサマ申し訳御座いません!!
昨日あんなに喜んで下さったから…
私、サービスのつもりで。』
「気持ちは嬉しいから、気道は保護してくれ…」
『はーい♪』
「それでは!
ワイが何故妹を警戒するか論を語る!」
『『『『『はーい♪』』』』』
「まず!
ワイには実妹が居る!
岡崎(旧姓・田中)千恵子、49歳!」
『『『『『わー♪』』』』』
女達がわざとらしく相槌を打つ。
『凄い年齢ですね~!
圧倒されます!』
「実物見たらもっと圧倒されるで?
俗に言う【大阪のオバチャン(悪)】って生き物や。
千恵子はワイより2歳年下。
子供の頃は『兄ちゃん兄ちゃん』言うて後ろから付いてきおったもんやけどな。」
『『『『『そーですね♪』』』』』
コイツらホンマむかつくな。
『ほう! さぞかし可愛かったでしょなあ!』
「え?
いや、顔はワイそっくりやから…」
『なるほどー。 (あ、察し)』
「まあ、可愛気があったのは小学校の低学年までやな…
五年生くらいの頃から…
悪い意味で色気づき始めてな…
女はアカンな。
女同士で変な悪知恵を付け合って…
ハアー! (クソデカ溜息)
まあ、そっから先はお察しや…」
『超賢者様!
五年生と言えば、小五とロリを合わせれば悟る年齢ですわよ!』
「いや。
友達の妹さんとか娘さんとか見た体験談やけど…
小学五年は、悪い意味で大人やで?
殆どの子はちゃんと打算も出来てるしな。」
『えー♪ 私は打算なんかしてないよ、お兄ちゃん♪』
「うん。
そんな風にな?
都合が悪くなると少女性を前面に出して来るねん。
でも、ちゃんと女の感性で戦略は練れる歳やねん。
ワイは実体験でそれを知ってるねん。」
『ぐぬぬだよ、お兄ちゃん!』
「いや、子供の頃はまだええねん。
TVのチャンネル争いとか、お菓子の配分程度の話で済むからな…
でもな?
ワイらの歳になると、介護とか相続とか絡んで来るねん…
親の葬式に弁護士と公証人連れて来おるからな、アイツ…
今、思えば…
子供の頃から、千恵子にはアレな面があったわ…
ワイの家系にはキチガイが居らんとは聞かされて来てんけどな…
ホンマ、他は皆マトモやのに、何でアイツだけあんなキチガイに育ったんやろか…
やっぱりマスコミとか政治が悪いんやで。」
『でも私は普通の女の子だよ、お兄ちゃん♪』
「いや、それはワイも解ってるねん。
キミは恐らく女性として一般的な感性を持ってるんやと思う。
せやからこそ、妹的な存在を抱え込むリスクは極力避けたいんや。
ええか?
キミに落ち度があると言ってるんちゃうぞ?
あくまで、【妹という負債】を抱えたくないだけで。
キミに対して含むところは無いからな?」
『しかし、新王陛下!
所謂萌えアニメでは【妹枠】は大多数の視聴者から絶大な支持を受けておるぞ!』
「いやいや。
それは、彼らが女兄弟との介護・相続戦争を経験してへんからやで…」
『お言葉ですがオジサマ!
先日、オジサマは貧窮しておられると申されてました!
遺産で揉めることはないのでは?』
「はー。 (クソデカ溜息)
これやから素人は…
ええか?
遺産で一番揉めるのは貧乏人や。
それも30万円~150万円のラインが一番トラブル率が高い。
ワイの近所でも、その金額帯で普通に刃傷沙汰が発生してるし
200万円超えると、ヤクザを介入させる家庭ある…
遊びやないねんで!!!」
『ぐぬぬだよ、お兄ちゃん♪
じゃあ、せっちゅうあんとして「ぱぱー」って呼んでいい?』
「ワイ、女から言い出す「折衷案」が折衷していた試しがないことを既に知悉しとる。
それと『パパ』と言うのは歳の差売春の隠語やから止めなさい。」
『ぐぬぬだよ、パパお兄ちゃん♪
じゃあ、お兄ちゃんはどんな女の子が好きなの?
それを聞かせてよ!』
やはり、このおチビちゃんはかなり頭が回るな…
話の持って行き方が、一々周到やわ…
ひょっとしてワイ、誘導されてるんか?
「いや、この歳になったら『好き』とかあんまりないで?」
『でも昨日! 私を抱いてくれたじゃありませんか!』
「いや、抱くと好きはイコールでは…
ってこの歳になって恋愛論とか勘弁してくれや!」
『えーww
聞かせて下さいよーww お師匠様ーww』
最強姉ちゃんがヘラヘラ笑いながら乳圧を強めてくる。
うん、やっぱりそうや。
コイツらの言動は一貫している。
コイツらは… ワイの「色恋に対する価値観」を探っている。
何や?
これは何かのリサーチか?
日本の中年男性の恋愛観・女性観の統計か何かを取っている?
ビジネス? ハニートラップマニュアル作り?
いや、違う。
そんなデータは遥か昔にガイジン共が取得済や…
「いやー。
流石に50過ぎて色恋の話するのは恥ずかしいやん。
大体、好みの女の話をした所で理想の女が現れる訳もないしなー。」
やや、わざとらしいが…
駄目元で探りを入れてみる。
すると、賢者の姉ちゃんが急に饒舌になった。
『あらー♪
あらあらうふふ♪
超賢者様も、そうならそうと言って下されば宜しいのに♪
この異世界は百花繚乱!
ありとあらゆる属性のヒロインが居りますのよww
猫耳♪ 筋肉♪ 長身♪ ロリ♪ エルフ♪ ロボ娘♪ 先輩♪ 後輩♪ 女教師♪ ボーイッシュ♪
ワタクシ! ワタクシったら職業柄! 超賢者様にどんなヒロインでも紹介することが出来ますわよ!
自分で言うのもなんですけれど!
ワタクシ、結構慕われていますの!
顔も広いんですよ、ヒロインだけに!!!!
オッホッホッホwww』
…やはり
この姉ちゃんが一番の穴やな。
自分を賢いと思ってる辺り、正真正銘のアホや。
情報収集はこの女をピンポイントで切り崩すのが近道かも知れん。
「ほー。
流石は賢者さんですなあ。
いやー、インテリの方は視点が違いますわー。
頼りになりますなー。」
『あらやだ、うふふふ♪
ワタクシったらウフフ♪
ホ―ッホッホッホwwww』
『それでオジサマ。
オジサマの好みって、どんな女ですか?
私? それとも私? もしかして私?』
『我! 我! 我!』
『余! 余! 余!』
「ふーむ、好みかあ。」
ワイは顎に手を当て考え込むフリをしながら、話術を発動させるタイミングを探っていた。
まさか、千恵子との不毛な戦いの日々がここで生きてくるとはな…
千恵子~。
オマエの言ってた通りやわ。
人間、思慮を持って生きなアカン。
ワイがもっと早くこの言葉を実感出来ていれば、オマエと二人で墓参りに行くような未来もあったかもな。
千恵子 「ねえ!」
ワイ 「何や?」
千恵子 「著作料払いなさいよ!!!!!」
ワイ 「ちょ、著作料って何のことや?」
千恵子 「誤魔化しても無駄やよ!!!!
ウチを勝手に文章で書いたでしょ!!!!
ウチのプライバシーを侵害したでしょ!!!! 」
ワイ 「おいおい、ちょっと待ってくれや。
書いたって言っても、少し引用しただけやで?
短い回想シーンやで?」
千恵子 「反省の色なしやね?
ウチは穏便に済ましたろ思っとったのに。
ハーーーーー!!!! (超デカ溜息)
小西センセ!!! お願いしますわ!!!!
コイツを懲らしめてやって!!!!!」
ワイ 「え? え? あの? こちらの方は?」
小西 「初めまして、大阪弁護士会の小西と申します。」
ワイ 「千恵子! 屑と付き合うなってあれほど言ったやろ!!」
千恵子 「小西センセは私の依頼を受けてくれるちゃんとした先生よ!!!」
ワイ 「その時点でアウトやーーーーー!!!!!!!!」