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8/11

ワイ、竹中平蔵に続いて小林製薬にも激怒する!!!  【ヒロイン 本職の妹】

ワイ。

性欲を解消するも、感動は起こらないことに気づく。

静かに絶望してから、魂の老いを受け入れる。


現時点でワイの関心は一つだけや。

ここは、死後の世界なのか?

それとも日本から離れているだけの空間なのか?

仮に単なる遠隔地やとしたら帰還する手段はあるのか?


いや。

そら気になるやろ?

キミら、ワイのことショーモナイ50過ぎの根無し草やと思ってるみたいやけど…

どんな下らん人間でも50年生きたら、義理もしがらみも腐る程ある。


叔父貴のな?

介護とか色々あるねん。

保険とか税金とか色々せなアカンねん。

キミらも年取ったらわかるわ。



『あらあらうふふ。

超賢者様♪

この世界の主としてずっと君臨して下されば宜しいのに♪』



賢者の姉ちゃんが頬を染めておっぱいを密着させてくる。

ワイは行ったことないんやけど、おっぱいパブってこんな感じなん?

誰か詳しい人情報求む。



「いや。

別に生に未練がある訳やないんや。

ただ、もしもこの場所が日本に近いのなら…

ワイには帰る義務がある。」



『はて…

≪日本≫で御座いますか?

聞いた事がありませんわ。』



『そうだな!

我も武者修行であちこちを回ったが≪日本≫などという土地は聞いたことがない!

お役に立てずに申し訳ないぞお師匠様!』



『ふむ、余も知らぬぞえ。

先代からの引継ぎにも≪日本≫などと云う単語はなかったからの。』



『申し訳ありませんオジサマ。

団員にも尋ねてみたのですが…

≪日本≫も≪尼崎≫も知っている者はおりませんでした。』




…。




『オジサマ?』

『新王?』

『超賢者様?』

『お師匠様?』



「キミらな?」



『『『『はい!!!!』』』』



「流暢な日本語で≪日本なんか知らん≫って言われても…

オッチャン反応に困っとるねんで?」



『お言葉ですが超賢者様!

人である以上、言葉は喋ります!

人語を解することを理由に疑義を掛けられても…

我々としても対処のしようが御座いません!』



…ワイは確信する。

コイツら絶対日本語ネイティブやで。

いや、ホンマに。



「なあ、賢者の姉ちゃん。」


『愚者でございます♪』


「はー(クソデカタメイキ)  愚者の姉ちゃん。」


『はい!』


「キミら、キンキラのピアスやら指輪やらしてるけど…

それってどこから手に入れてるん?」


『魔法です!』



…でたー。

魔法。

野球部の≪気合≫並みに万能ワードやな。



「いや、魔法で物体を作るにしてもやで?

何を入するかのイメージがなかったら、手に入らへんやろ?

っていうか、最強の姉ちゃん!!  アンタ!!!」



『うわっ!

いきなり怒鳴らないで下さいよお師匠様。

それに最強の称号はお師匠様に献上したので、我は単なる一番弟子です!』



「いや弟子は要らんけど!

いや! それより!

何で制汗スプレーしとるねん!!!!!』



『え? 何故って?

いやだなあww

我も一応女子ですよ~♪

汗のケアくらいするに決まってるじゃないですか♪

なあみんな、常識だよなあ?』



『『『ねー。』』』



くっそ、こういう時だけ結託しやがって!

日本人かどうかはさておき、コイツらの思考はガチで女やな。



「す、すまないが。

そのスプレーをワイにも貸してくれないかな? (プルプル)」


ワイは怒りで震える拳を堪えながら、最強姉ちゃんに頼んだ。



『はい、お師匠様♪』



ワイは心頭を滅却してスプレー缶を覗き込んだ。







「小林製薬って書いてあるやないかーい!!!!!!!!!!!!」






ワイの絶叫が王宮に響き渡るが、姉ちゃんたちは不思議な顔でこっちを見ているだけだった。



『いや、新王陛下よ。

それはメーカー名じゃぞ?』



「メーカーの概念があるやないかーい!!!!!!!!!!!!!!!」



『いや、超賢者様。

商品が実在する以上、誰かがメーカーになりませんこと?』



「商業の概念があるやないかーい!!!!!!!!!!!」



『いや、オジサマ。

これだけの人間が暮らしているのですから商業が発生するのは自然の理ですよ?』



「じゃあオマエラ普段どうやって買い物しとるんじゃ!!!!!!!!」



『『『『魔法です♪』』』』



「キー!!!!!!!

しばき回したろかこいつら!!!!」



この温厚なワイがここまで怒るのって珍しいねんで!

ここまで腹立ったのは一週間ぶりやで!!!!!

竹中平蔵の資産公開見て以来やぞ!!!!!!



『まあまあ、お師匠様。

御立腹の理由は解りませんが…

狭い異世界♪  もっとのんびり過ごしましょうや!』



「いや、キミ。

昨日ワイに決闘申し込んできたやん。」



『はっはっはww

お師匠様も顔に似合わず根に持ちますなww

そのスプレーを献上するので御寛恕下されww』



ワイは無言でスプレーを受け取り、その隅々を調べる。



「おい賢者君。

キミ、この文字が読めるかね?」



『えーっと、この部分ですか?

小林製薬尼崎工場と書いてますわね。』



「尼崎やないかーい!!!!!!!!!!」



『新王陛下ぁ。

一々怒鳴らんで欲しいのじゃ。

製造者名やら製造地なんか普通は確かめんじゃろ。』



ワイは頭を抱える。

いや、この国…

絶対日本の近所やろ…

なんや?  フィリピン政府とかが日本人誘致用の特区でも作ったんか?


ワイはキョロキョロする。

どっかに隠しカメラがあって、ワイを笑い物にしとるんちゃうか?



『もーww オジサマww

どうしたんですか~?

急に辺りを見渡して♪』



「いや、この国は…

国と言う割には人が少ないからな…

他の人間は何処に住んどるんや?」



『いや、新王陛下。

キャラが増えると作画枚数が増えるのじゃよ。』



「だから! その作画枚数って何やねん!!」



『じゃから~。

集客に繋がるキャラだけをピンポイントで出したいのじゃ。』




「ん?

集客?

キミ、今、集客って言った?

言ったよな?


何や?  ここはやっぱりテーマパークか何かなんか?」



『ですから超賢者様♪

ここは異世界ハーレム国で御座います♪』



女しか居ない空間…

日本語が通じる…

日本製品がある…

≪集客≫という単語…

そして今、この姉ちゃんは≪ハーレム≫と言った…




日本人客を誘致する為の歓楽地帯… なんか?

いや、それならワイみたいな貧乏人を入れてくれる訳がない。

それとも…

この施設はオープン直前か何かで…

スタッフの実地訓練として、故意にワイみたいな下客の接客をさせてる?



『やれやれ。

新王陛下も仕方ないお方だのー。

作画枚数が増えるが仕方あるまい。

我らが異世界が誇るヒロインを召喚しよう!』



「ま、まだ誰か居るんでっか?」



『出でよ! 妹!!!』



女王の嬢ちゃんが右手を高く掲げると、煙が巻き起こりそこに人影が浮かぶ。



「はじめまして、お兄ちゃん!

私はお兄ちゃんの妹だよ!!

てへっ♪」



煙から飛び出してきたのは小学生から中学生くらいのおチビちゃんやった。

屈託のない笑顔でおチビちゃんはワイに抱き付いてくる。



「…。」



いや、≪ハーレム≫という単語を聞いた瞬間に、この展開は読んでいた。



問題は、本気のワイが警戒態勢に入ったのに…

カメラを含む監視の気配を全く察知出来てないことや…

言っておくが、抗議の為に議員会館に潜入した経験もあるからね、ワイ。

捕まったけど。

普通の人よりは敏感やで?



『もーww

お兄ちゃん、表情かたーいwwww』



「あんまり暴れたら危ないで。」



ワイはおチビちゃんを大袈裟に静かに抱き下ろすフリをしながら、姉ちゃんたちの表情を盗み見る。



作為は…   全く感じない。

これが接客スタッフやとしたら、観光や演劇なくて防諜の世界の人間やろうな。


女王 「ほら! 新王陛下! 新たなるヒロインの投入じゃぞ!

   もっと喜ばぬか!」


ワイ 「え? ヒロインってあの子がですか?」


女王 「ハーレムと言えばロリ枠が必須じゃろうが!!

   ほれ、遠慮するでない!  

   余と並んでダブルロリヒロインを愛でるが良いぞよ!」


ワイ 「いや、その枠は遠慮しときます。」


女王 「な、なぜじゃー!」


ワイ 「いや、尼崎市の条例で禁止されてるんで…」


女王 「じゃ、じゃあ余はどうなる!?」


ワイ 「いや、王様稼業に戻られたらええんちゃいます?」


女王 「鬼かキサマ!!!」

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