ワイ、異世界の真ん中で正義を叫ぶ! 【ヒロイン 愚者の姉ちゃん】
歳をとると、若いお姉ちゃんの名前がまず覚えられなくなる。
というか見分けがつかなくなるねん。
逆に、若い頃は同じに見えてたジジババ共が克明に見分けられるようになってくる。
そんな時、ワイは哀しむことすら出来ずに思う。
「ああ、ワイは老いたんや」
と。
賢者の姉ちゃんはおっぱいが大きい。
ドヤ顔で演説する度に、それがプルンプルン揺れる。
従って、ワイの目は姉ちゃんのおっぱいに釘付けになっていた。
しゃーないやん。
ホンマにブルンブルン揺れるんやから。
そんなワイを見て姉ちゃんは自分のキャリアに圧倒されて萎縮されてるものやと思ったらしい。
マウンティングの為か、話を掘り下げてきた。
『あらあらうふふ。
大賢者のワタクシを前にして緊張する気持ちはわかりますけど。
お気遣いは無用ですわよww
ワタクシ…
何と23歳ですけれど!
失礼だけど、アナタ♪
年齢はお幾つかしら、くすっww』
「え?
ワイでっか?
ワイは51歳ですけど?」
年齢を答えた瞬間。
賢者の姉ちゃんの瞳孔が開き、全身から冷や汗が噴き出すのが肉眼で確認出来た。
小刻みに震え始めた所為か、おっぱいも変な揺れ方をする。
『あ、あ。
き、聞き間違いですわね。
あ、アナタは11歳♪
そうですわね?』
「あ、いえ。
ワイは51歳です。
干支を4周してから更に3年歳を取りました。
10年を5回過ごして、+1年で51歳ですね。」
小学生でも解かるレベルで「51」という年月を解説してみた。
まあ、この姉ちゃんやったら産近甲龍位の知能はありそうやから、理解出来るやろ。
『ご、ご、ご、ご51歳ですか?』
「あ、はい。」
『そ、そ、そ、そs はひゅう。 それは年齢が51歳ということでしょうか?』
「ですから、はい。」
『あばばばばば じょ~ はひはひはひぃ~』
良く解からんが、大賢者の姉ちゃんは崩れ落ちてしもうた。
「あのー、大賢者さん? 御具合大丈夫ですか?」
『あばばばばば~ ワタクシ、23歳の小娘の分際でおこがましくも大賢者などと名乗っておりましたー!!』
「ええんちゃいます?
中学校とかでも人生語っちゃう奴おりましたし。」
『なななななな、何という大人の切り替えし!
は、ははー!!!! 感服致しました!!
本日よりワタクシ! 大賢者の称号を返上し、愚か者と名乗って生きて参ります~!』
ここでワイは再認識する。
セリフ回しのセンスから見ても、他の二人よりはこの女の方が知的水準が高い。
「いやいや。
その若さで色々と役職に就かれて、御立派だと思いますよ。
応援しておりますので、これからも頑張って下さいね。」
『何たる、大人の対応!!!
は~、素敵♪ (ぽっ)
アナタ様こそ、超賢者様ですわ!!!』
ワイが展開を呑み込めてないうちに、大賢者の姉ちゃんは頬を染めて勝手に土下座していた。
良く見ると女王の嬢ちゃんと騎士の姉ちゃんも土下座している。
…キモ。
正直。
この展開は引く。
どん引きや。
何や?
この世界は年功序列制なんか?
PLの野球部よりキモい感性やぞ?
尼崎に居る時は、おっさんやというだけの理由で若い娘さんに嫌そうな顔をされた。
こっちが歩いとるだけやのに、露骨に避けられたことも一度や二度ではない。
こっちは一見逆や。
おっさんやと理由だけで若い娘さんがひれ伏す。
せやけど、本質は同じや。
コイツらは単に世間的に価値があると信じられている者を崇め、世間的に価値がないとされているものを嘲るだけの軽薄な生き物や。
いや勿論、人生経験の少ない姉ちゃんに多くを望むのは酷やで?
でもワイやって血の通った人間や。
やっぱり現実の残酷性に直面したら傷つくし、人間不信にもなる。
ワイは苦悩した。
この軽薄な別世界の真ん中で脳味噌が沸騰するほど葛藤した。
人間とは何ぞや?
社会とは何ぞや?
本質とは何ぞや?
評価とは何ぞや?
価値とは何ぞや?
生命とは何ぞや?
ワイとは何ぞや?
正義とは何ぞや!!!!!!
…誰かワイに真実を教えてくれ!!!
世界って何やねん!!!
「うおおおおおおおお!!!!!!
正義って何じゃーい!!!!!!」
ワイは叫ぶ。
『オジサマ!?』
『狼藉者?』
『超賢者様!!』
傍らで騒ぐ女達を無視して、ワイは頭を抱えて咆哮する。
「うおおおおおおお!!!!
ワイは!!!
ワイは!!!!!
ワイは~!!!!!!!!!!」
その晩、ワイは騎士の姉ちゃんとセックスした。
気持ち良かった。
おっぱいが大きくてお得感があった。
ふー。
スッキリした。
じゃあ、明日からこの世界を見物してみるか。
ふー。
すっきりした。
これでビールと出し巻き玉子があったら最高やねんけどなww
アッハッハwww