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ワイ、相対的な悟りを開いてしまう。 【ヒロイン 賢者と名乗ったお嬢さん】

こんな城貰っても使い道ないやん?


昔、取調室で刑事に言われたことがある。



「田中さん。

言葉が通じないガイジンさんは厄介だが、本庁が通訳さえ用意してくれればなんとでもなる。


でもね?

言葉が通じるのに話が通じない人間は本当に何ともならんのよ。


わかる?

アンタのことだよ。 」



勿論、その時はわからんかったが。

今になって、刑事さんの言葉の意味が朧げに理解出来るようになった。



『くっ 殺せ~!! 辱めを受けるくらいなら余は死を選ぶぞよ~!』

『オジサマこそ真の主君!!  さあ、この女の首をお刎ね下さい! (カンオチー)』



辛いな…。

ひょっとして、県警の目から見たらこんな風に映ってたんやろうか?

正味に話、心が抉られる様に辛いな。



「あのー。

二人共、ちょっとええですかね?」



『何じゃ? 余の操を奪いたければ力づくで成し遂げてみせよ!』

『はい、オジサマ! 何でしょうか? (シャキリンコ)』



「あのー。

いや。

今からの発言に他意は無いんやけどね?

いや、ホンマに他意は無いんやけどね?


もうちょっと賢い人と話がさせて貰いたいんやけど…

いや、キミらがアカンとかそういう意味やないで。


ただね。

うー。 あー。 ただね?


この国って知的階級の人はおるかな?

オッチャン、その人と少しだけお話させて貰いたいんやけど?」



生まれて初めて言葉選んだわ。

甲子園で喧嘩した時とか、大阪地裁で罪状認否した時でも、ここまで神経使わんかったぞ。



怒るかな?

と思ったが、二人は顔を見合わせてから『『それなら大賢者のお姉様が一番』』と教えてくれた。

若い娘さんのキンキン声に辟易していたワイは内心ホッとする。



『オジサマ!  連れて参りました!  

【あらあらうふふポジション】のお姉様です!

いつも知ったような顔をして、お見通し風の発言をしている女です! (バーン)』



…それは  …嫌な女やな。



「いやあ、そんな凄い人を紹介してくれるなんて、皆さんのお気遣いには頭が上がりませんワ。」



『ふっふっふ。

狼藉者よ、聞いて驚くなよ。

お姉様は人生経験が豊富なのじゃ♪』



「ほう、人生経験が!」



いや、それは助かる。

ホンマにありがたい!!!



『何と!  お姉様は御年23歳じゃ!!!』



「…あ、はい。」



一番の古株で23か…

いや、他所様の国の事情やから…



『『あ、お姉様♪』』



扉の外から人影が現れたので、二人が歓声を上げる。

どうやら慕われているらしい。



『お姉様! この者がお姉様と面会したいと申したのですじゃ!』



女王が不躾にワイを指差す。



「はじめまして。

アポの無い訪問に応対して下さってありがとうございます。

兵庫県尼崎市と言う街から参りました、田中清志と申します。」



ワイなりに丁寧に頭を下げておく。



『あらあらうふふ。』



事前に聞いていた通りの口癖。

ふざけた女や。



『『あらあらうふふキター!』』



外野が五月蠅い。



『ワタクシ。

この国の相談役のような仕事をさせて頂いているリリと申します。


大賢者、と皆は呼びますが。

あまり過度の期待はしないで下さいね。


ウフフ。


例えば、この城門。

ワタクシの魔術で錬成したものですが。

これはワタクシの技量が優れている訳ではなく…

師でもあるワタクシの亡き母の遺した魔法具の性能に依存したものですの。


あー。

よく誤解されるんですけど。

魔法と魔術は異なります。

何とワタクシ。

魔法が苦手ですのw

魔法使いの家系なのにおかしいでしょwww

親族の法事で集まる度に劣等生扱いされて困りますのよ、オホホ。


まあ、魔法の不得手を魔術の工夫で補っている、と言ったところかしら。

一応。

一通りのことは出来るんですケド♪

器用貧乏って損ですワ~


ワタクシ。

いつも貧乏籤を押し付けられますの。


お姉様な~んて言われて持ち上げられることが多いんですけど。

は~ (わざとらしい溜息)

便利屋扱いよね~

ふ~ (色気を強調した溜息)


昨日は運が良くて3時間も寝れたんですけど…

今週は寝てないわ~

最近ホント、寝れてないわ~

平均2時間くらいかしら?


でも、ワタクシが居ないと組織回らないから

回らないから♪


大変ですのよ~。

特定の人員に依存している時点で、組織としての体をなしていないと思いませんこと?


ああ、組織といっても大層なものじゃありませんのよ?

作画枚数の関係で描写はされませんけど。


図書館。

異世界大図書館に所属しておりますの。


ああ、所属と言っても平の司書ではありませんのよ?

まあ、自分で言うのもナンですけど…

理事長的な ウフフ 理事長的なお仕事をしておりますの。


厳密に言えば施設責任者兼主席研究員かしら

オホホホホホwww


あら失礼ww

所帯の小ささが露呈してしましたわね♪


ウフフフフフ♪


気を遣わないで下さいね?

大賢者というのはワタクシを形容した単なる綽名ですからww

別にそういう役職がある訳ではないのですよ、オホホホホホwww


歳を取りますとね?

歳を取ってしまいますとね?

周りが勝手に持ち上げてしまいますの。


困ったものですわ~

ワタクシ。

誰に対してもフランクでありたいのに。


は~ (クソデカ溜息)


パーソナルバランスって本当に難しいですわぁ~

方程式を解くより、人間関係の円滑化の方がよっぽどの難問。


なーんもん!


そう思いませんこと?


ああ?

年齢?

ワタクシの年齢で御座いますか?


あらあらうふふ。


あらあらうふふ。


もーww  嫌ですわーww


ワタクシ。

周囲の皆さんに気を遣わせてしまわないように

自分からは絶対に歳の話をしませんことよ。

しませんことよ♪


うふふー。


幾つに見えます?


ヒ・ン・ト・は~?


あ~ww やっぱりやめましょうかwww

無粋ですわねww 無粋ですわねww


ふ~

でも、外交案件ですし。

今回は外交案件で伺ってますしwww


オホホホホホwww


こう見えてワタクシ。


23歳ですの♪』





…めっちゃ早口で言われたし。

ワイ 「あのー。 この国って人口何人なん?」


賢者 「あらあらうふふ。 それは制作員会の望むヒロイン数次第ですわ。」


ワイ 「いや。 これ以上、新しい人に出て来られても…

    正直、話回すのがしんどいですわ。」


賢者 「では、この世界の人口は3人です!」 


ワイ 「いや…  流石に3人で国は回らんと思うんですけど…」


賢者 「では、ワイ様がこの人数なら社会が成り立つと思う人数を挙げて下さい。」


ワイ 「…3人かな。 昔から、三人寄ったら公界って言うし。」


賢者 「では、トリプルヒロインで!」


ワイ 「…。」

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