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僕らと重要参考人

 怯えるアーシャは、僕の腰あたりに縋り付き、不安そうな瞳を覗かせて。

 それでもしっかりはっきりと僕を指指している。

 アーシャを怯えさせたのは僕自身である、とその行動がなにより雄弁に物語っている。


「え、僕?」


「そんな血みどろで帰ってきたら、びっくりだってするの!

 うぁぁ、うぁぁ。ラシュ、ラシュ! 回復薬(ヒルポ)茶を持ってきてぇ、なのっ!」


 アーシャの指摘はもっともだ。血と汗とが混ざり合った液体が服と肌とを貼り合わせ、完全に忘れていた不快感も同時に込み上げてくる。


 僕の腰あたりを掴んで離さないアーシャは慌てふためきながらも、ラシュに指示を出す。

 木剣を構えたままのラシュは、アーシャの指示の通りに回復薬茶を用意して、ローブの人物を視界に収めたまま、そろり、そろりと僕の方へにじり寄る。


「いや、僕は大丈夫だから、」


「だまるの!」


「はい……」


 見たこともないような剣幕で僕を叱りつけるアーシャは、背伸びをして、僕の顏の血を拭う。

 その表情は真剣さ半分、不安半分といったところ。


 ヒンメル夫人作の工房従業員服が血で汚れていくのも厭わず、一心に。

 使用感こそ出てはいるものの、その服を彼女が大事に大事に使っていることを、僕は知っている。


「わらわを無視するとは良い度胸を、」


「だまるの!」


「はい……」


 カウンター前で怪しく佇んでいた人物が高慢な少女のような声音でこちらに向き直り、何か言おうとする。が、それすらをもぴしゃりと叱りつけ、てきぱきと手をうごかすアーシャ。


 その人物は面食らったようで、僕やアーシャやラシュを交互にちらちらと見ているが、大きな動きはない。

 黒緑のゆったりしたローブを身につけ、身長はシャロンと同じくらいか。立地的に旅人も多いガムレルでは、その格好は別段珍しいものではない。

 しかし、目深に被ったローブの頭あたりには黄金色のピンと主張する耳が、腰あたりには窮屈そうに畳まれた同じく黄金色のもふもふとした尻尾が、その存在を主張していた。

 携えた大きな鞄の中身は丸々一つの大掛かりな魔道具であることを、掛けっぱなしにしている"全知"が教えてくる。ローブの中には尻尾だけでなく、他にも宝玉や回復薬、ナイフなどの装備を隠し持っているようだ。


「狐――の獣人? それがなんで魔道具を?」


 アーシャにされるがままになっている僕の呟きに、見て取れるほどにびくぅっと肩を跳ねさせる黒緑ローブの狐少女。


「なンッ……貴様といい、こやつらといい、なぜわらわを見咎めるのじゃ! なぜわらわを正しく認識できるのじゃ!?」


 正しく認識。認識阻害の術式。

 嫌な予感はかなり的中に近いところまで来ていたようだった。


 それを受けていればどういった認識となるのかは不明だが、アーシャやラシュには首輪による抗魔(レジスト)が。

 僕には腕輪の抗魔(レジスト)、もしくは"全知"による看破が働いているのだろう。


「お前。『奴隷失踪事件』の犯に――わっぷ」


 今度も最後まで言わせてもらえず、目を白黒させながらもラシュによって口に直接突っ込まれた小瓶から、回復薬茶を飲み下す。

 ラシュは一度小さく頷くと、再び木剣を構える。その相手は黒緑ローブの人物だ。


 小瓶を咥えたまま状況の収拾に動こうとする僕を、ちいさく柔らかな掌が捕まえて離さない。

 その小さな掌は僕を屈ませると、鼻の頭あたりをしっかりと掴んだ。大きな瞳が、僕の目をじぃっと見つめてきている。


「オスカーさま、こう、ちょっと上をむくなの。血が止まりやすくなるの」


 つっこまれたヒルポ茶をなんとか全部飲み干し、


「アーシャ、いまあいつにちょっと大事な話が、」


「アーシャには、家族の血を止めるほうが大事なの!!」


 再度、にべもなく叱りつけられた。

 よろしい、とばかりに顎を引くアーシャ。その頬には僕の血が擦れてこびりついているが、そんなことに頓着する様子は微塵もみられない。


「おねーちゃんに、ひどいことするやつ。逃がさない、よ」


「くぅっ――!!」


 そろり、そろりと我関せずとばかりに出口に向かおうとしていた黒緑ローブの獣人の前に、木剣を構えたラシュが立ち塞がる。


「くぅう〜!! ――何故!? なにゆえにわらわの邪魔をする!? 何故なんじゃ、おぬしら。

 ぬしらもわらわが自由にしてやると言うたじゃろう! 虐げられ続けた同胞を、あるべき場所に導こうと言うわらわの心意気が! 努力が! 何故、わからぬのじゃ!」


「わからないし、わかるつもりも、ないよ。ぼくたちのいばしょは、ここだから」


「それは卑劣な人間どもに騙されとるだけじゃ! ほかにぬしらの場所などないぞと縛り付けられておるだけじゃ!

 目を覚ませ、わらわが卑劣なやつらから解き放ってやろう。自由を手に入れられるんじゃぞ!?」


 かぶりをゆっくりと振るラシュに、心底理解できない、と目を開きがちにすると一歩一歩を確かめるように近づいていく。


「最初は怖いかもしれん。しかし、心配はいらぬ! わらわたちは度量が広いのじゃ。

 新しい国、新しい法! わらわたちが疎まれ、蔑まれ、辱められることはもうなくなるのじゃ」


 扉の前に立ちふさがる自らに差し伸べられたその手を、ラシュは悩むそぶりもなくばしりと払い退ける。


「ぼくは。だいすきな人たちとはなればなれにされる自由なんて、いらない。そんなの、自由じゃ、ない」


 はっきりと、きっぱりと。それは決別の言葉に他ならない。

 相手はそれが尚更信じられないようで、払われた手を呆然と見つめている。


「オスカーさま、やっぱり痛むの!? しっかり、しっかりなの! 気を強くもつの!

 アーシャのまねして息をすってはくといいの。ひっひっふー、ひっひっふー」


 涙がひとすじ頬を伝う僕に、混乱したアーシャが謎の手ほどきをしてくれる。


「だいじょうぶだよ。あにうえさまも、ぼくがまもる」


 僕がラシュのために作り与えた木剣を、僕やカイマンの教え通りに正眼に構え、気負うことなく気圧されることなく相手を見つめるラシュ。


「くぅうぅ〜!! わらわを見咎め、拒絶するだけでは飽き足らず!

 なんたる不遜! なんたる不敬! この憤りをどうしてくれよう、どうしてくれようか!!」


 "治癒"で表面を再生したこともあり、ようやく血が止まった僕は再び立ち上がる。

 まだアーシャは不安そうな目で僕を見るけど、大丈夫。


「どうもさせない。おまえは重要参考人だ。逃すことはできない」


「くぅううぅぁああ〜!! 人間風情が、このわらわに! 大きな口を叩きおる!!」


「このわらわとか言われてもどのわらわ様か存じ上げねぇよ」


 それも、捕まえてからじっくり聴取するまでだ。

 その狐っぽい獣人は、立ち上がった僕を怒りを宿す眼で正面から睨めつける。

 端整な顔立ちに、黄金色の見事な毛並み。高貴さをにじませるその相貌と言葉遣いも相まって、その首に着けられた無骨な首輪がひどくちぐはぐに見える。


 "倉庫"を展開し、捕縛のための縄を取り出――そうとして、無反応。

 抗魔(レジスト)されたのとも違う。

 場所が定まらない、魔力が散らされるかのような、奇妙な感覚。

 さきほどアーシャやラシュに"念話"を試みたときのような手応えだ。

 それならば、と"念話"でシャロンと連絡を取ろうとしても、同様の結果に終わる。


《空間系の魔力干渉を阻害し、光を捻じ曲げて姿を隠す魔道具。座標の固着を狂わせ、散らす》


 原因は、奴が鞄の中に持つ、認識阻害の魔道具の副効果といったところらしい。

 "結界"も散らされてしまうようで、いつものように空気濃度をいじって意識を奪う方法は使えなさそうだ。地味に厄介である。

 となると、仮に"転移"の魔道具を予め作っていたとしても、工房に戻ることはできなかったかもしれない、か。


 黒緑のローブの下には他にもいくつか、道具を隠し持っているのはすでに視て取った通りである。動かれる前に行動を封じなければならない。


「痴れ者が。わらわを誰と心得る」


「ああ? 名乗ってもいないのに偉そうな奴。

 《ルナール》とか言うらしいけど、残念ながら、どなた様なのか存じ上げちゃいないよ」


 "全知"で看破した名を告げると、黄金の狐人、ルナールは今度こそビシリと硬直した。

 いきなり名を言い当てられると、誰しも警戒や困惑により隙が生まれる。そしてその隙を見逃す僕ではない。


 "倉庫"が使えなくたって、ここは僕の工房(ホーム)だ。

 やりようは、いくらでもある!


 ルナールに向けて右手を掲げ、名を知られていることによる困惑と、僕の行動への警戒から動けない対象を封殺する。


「なッ――!! んじゃこれはッ!!」


「何って。板だよ」


 僕の邪魔にならないよう二歩ほど下がったアーシャやラシュを縫うようにして、地下や暖炉、あるいは商品棚の中から見繕った板が、ルナールに向けて殺到する。


「なッ――なななな!!」


 木の板、鉄の板、テンタラギオス鋼の板。


「ピピェッ!!?」


 そのうちの1枚にはらっぴーが寛いだ様子で丸まって乗っていたが、突然の徴用に驚いて転がり落ちていく。


 "念動"で飛んでくるそれらの1枚目をすんでのところで横に見切り、2枚目を屈んで躱し、下から迫る3枚目を軽い身のこなしで飛んで避け、宙にあるルナールに殺到した全ての板が、彼女を打ち据える。

 苦し紛れとばかりに投擲したナイフも僕へと届く前に、迫る板に叩き落とされ床を滑っていった。


「ぬぅッ、しかしこの程度でやられるわらわでは」


「倒す気はない。――閉じ込めるつもりだからな」


「しまったッ!?」


 僕の言葉に、宙にあるままで目を見開くルナール。

 しかし、もう上下左右すべてを幾重もの板で囲まれ、逃れ得る隙など存在しない。


 バチ バチ バタン


 組み合わさった板は箱状に組み合わさり、不遜な獣人少女を荷物ごと完璧に閉じ込める。


「くぅぁあ――!! このっ、このっ!」


 その体躯には似合わぬ音を立てながら箱は揺れ動くが、分厚さもそれなりの鉄やテンタラギオス鋼も組み合わせてある箱だ。そうそう壊れることはない。

 宝玉を使って魔力弾を炸裂させようとも突破できるかはわからないし、密封された箱の中でそんなことをすれば自身もただでは済むまい。


 ルナールは、しばらく箱の中でどたどたばたばたとやっていたが、何をしても無駄だと悟ったのか。

 今度は一転、シンと静まり返った。それはそれで少し不気味なのだけど。



「おつかれさま、なの」


「あにうえさま、つよい」


 近くに寄ってきて口々に労ってくれるふたりの顔をみて、ようやく一息をつく。

 倦怠感が一気に押し寄せてきて、ふらつきそうになる僕をアーシャとラシュが左右からしっかりと支えた。


「ふたりとも、よく無事でいてくれた。

 奴に何もされなかったか?」


 半ば二人にもたれ掛かったままそれぞれの目を見て尋ねると、アーシャは僕にこくこくと頷き返した。


「『ワラワはカミノツカイじゃぞ〜』って言って、アーシャの首輪(だいじなもの)壊そうとしたの」


「"そうこ"つかえなくて、こまった。でも、ぼくの剣があったから、おねーちゃん守ろうって」


 いまでも毎日磨いている首輪を破壊されそうになり、アーシャはたいへんおかんむりのようだった。

 それとは対象的にラシュのほうは、アーシャを守り抜くことができた達成感からか、どこか誇らしげだ。

 床に転がっていたらっぴーを拾って胸の前に抱きかかえ、得意げな表情である。


 そんな二人を両腕に抱きしめる。間に合って、ほんとうによかった。


「わわわっ、オスカーさま?」


「ピピェ」


 一人と一羽が驚いた声をあげる。ラシュは嬉しげに、抱きしめられるがままになっている。

 憲兵を2人引き連れたカイマンが工房の戸を叩いたのも、ちょうどこのときだった。


「オスカー! 大事ないか!」


「でかしたカイマン。さすが頼れる僕の友」


「オスカーに素直に褒められるのは若干気持ち悪いが都合の良さなら任せてくれ!」


 いや都合よく使ってるのは僕だけどさ、いいのかそれで。


「ちょうど、『奴隷失踪事件』に関わっていそうな重要参考人を捕まえたところだ。

 縄持ってるか? 憲兵に引き渡したい」


 僕は匣を持つてゐる。

 匣の中には重要参考人がぴつたり入ってゐる。


 蓋を剥がして見せると、ルナールが実に狭そうに大きな鞄を抱きかかえるようにしてぷるぷるしている様が目に飛び込んできた。

 が、カイマン以下憲兵ふたりも、怪訝な表情だ。


「ハウレル殿? 誰も――何も入ってないようですが」


 はて、と首を傾げる僕やアーシャたち。僕らには今も窮屈そうにしているルナールの姿が――そうか。認識阻害の魔道具が、まだ有効なんだ。

 抗魔(レジスト)できない人物には、何もないように見えるのか。かなり強力な魔道具だ。


 ただしく魔道具が機能することに、ルナールはにんまりと笑みを形作る。


「ふほほ、ふほほほほ! 無駄じゃ、無駄無駄なのじゃ!

 神の御使いたるこのわらわが矮小な人間どもに遅れを取るなどありはせんのじゃ」


 カイマンたちは、姿の見えない相手の声に困惑を深め、きょろきょろと目を泳がせている。

 直前までぷるぷるしていたことも綺麗さっぱり忘れたのか、高慢な声音が復活した。


 しかし、だからといってそのままみすみす逃がしてやるものか。


「ハウレル殿? あの――オスカー = ハウレル殿?」


 何も入っていない(ように見えている)急造の箱に向かって右手を翳し、紫の魔力光を迸らせる僕に憲兵の一人が明らかに狼狽する。

 そして彼は、次の瞬間にはさらなる驚愕に目を見開くことになる。


 ガギィ――!!


 硬質かつ耳障りな音を立て、魔道具が『剥がれ落ちる』。

 最近あまり出番がなかった僕の十八番、"剥離"の魔術、その最大出力。


 魔道具が強力かつ複雑であればあるほど、一つの部品でできていることなどあり得ない。

 元は別々のものが一つとなっているのであれば、その悉くを剥がしてみせる。


 ルナールは余裕の笑みを崩さない。が。


「親方ァ! 箱から女の子が!」「獣人!?」


 やにわに慌ただしくなる憲兵を前に、その笑みは引き攣った。


「捕縛だ!」


 ルナールを見据えたカイマンが短く告げると、その引き攣った笑みもすぐに剥がれ落ちた。


「馬鹿な馬鹿な! 何故、わらわの、わらわ……の……」


 鞄の中で魔道具が壊れたのを見咎めたルナールは、キッと僕を見据える。

 耳と同じ黄金色のその瞳は憎悪に歪んで、近く憲兵も視界に入らないようで一心に僕を睨めつける。


「貴様ッ、貴様ァ、神より賜りし、わらわの……。

 よくも、おのれおのれおのれおのれぇ――!!」


 縛りあげようとする憲兵に「寄るでない!」と一喝。

 あまり身動き取れない箱の中だというのに、その剣幕に大の男が気圧される。それも一瞬のことだが、彼女には一瞬あれば十分だったのだろう。


 その一瞬の隙をついて、ぽい、と山なりに放り投げられたそれ。今度はそれを目で追う僕の顔が引き攣る。


「全員伏せろ! 毒煙玉だ!!」


 短く叫ぶ。僕らの工房(みせ)で、なんてもの投げるんだ。


 そんなものを炸裂させれば自身もただでは済むまいが、道連れ上等ということか。

 にまにまと、嫌な笑いを浮かべるルナールと、僕以外の全員が伏せたことを横目で見つつ、ふらつく身体で落下先に回り込み、右手を翳す。


「なにくそ!」


 形作るは"結界"。


 毒煙玉が炸裂する寸前に、今度は正しく発動した魔術。

 淡い紫色の光は、その煙をひとところに封じ込める。


「すげぇ――」


 ぽつりと漏らしたのは憲兵のひとりか。

 工房の一角、何もない"結界"空間に煙は押し込められ、そこから広がることはない。


「アーシャたちを同胞と言いつつ本性はそれか!」


「愚なことを申すでない。防ぐと思っておったわ!」


 吐き捨てる僕に、箱の中から応酬する声。


 ばたりと倒れた箱から這い出した、黒緑ローブの獣人少女は片手にナイフ、もう一方の手に宝珠を握っている。


「せいっ!」


「遅いわッ――!!」


 すかさず体当たりをかけるカイマンを、ひらりとばかりに跳んで躱す。

 箱から逃れた段階で、そして僕が毒煙玉の処理にかかりきりになっている段階で、己の負けはないと判断したのだろう。

 その口元が、高慢な笑いを形作ろうとして。


「空中では身動きが取れないんだろ!」


 僕が翳した左腕の先に展開した、もうひとつの"結界"に、その身を躍らせた。


「暴れても、無駄だぞ。

 シャロンが殴っても、壊れない"結界"だ」


 せっかく止まっていた鼻血が再び口元を伝い、ぱたぱたと床を汚し、その光景にアーシャが息を飲んむ。

 飛び跳ねたことによって目深に被っていたローブが脱げたルナールは、その黄金の瞳を細め、「フン」と鼻を鳴らした。


「わらわを邪魔した貴様、忘れはせんぞ」


 口の端を歪め、僕を見るその目は恨みと怒りに満ちている。


「神の意志に背いた貴様、忘れはせんぞ」


 "結界"越しにじりじりと距離を詰める憲兵を横目に、その声は僕を責め立てる。

 その目を正面から見返す僕の目の前で、ルナールの持つ宝珠が光を放った。


「馬鹿な、"転移"だって!?」


 "全知"が伝えるその情報に驚愕する僕に、ようやくしてやったり、とばかりに黄金の瞳がにやりと笑う。


「忘れはせんぞ。神に賜った道具をよくも。オス? オズロー? = ハウ……バウ? レ? リ? あれ、なんじゃったっけ」


「忘れる以前に覚えてねぇじゃねぇか!!」


 宝珠から迸る、白い光の帯に飲まれて消えたルナールの捨て台詞に、僕の猛る声が正しく届いたかどうかは定かではない。


ウゥ。戦闘描写、ムツカシイ。

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