僕らのお風呂 そのに
岩場の中にある温泉は、村人たちが作った簡易の脱衣所が側に設けられている以外には天然そのものの作りとなっているらしい。
お湯が熱すぎたら側の小川から水を足すような仕組みとなっているそうで、シャロンやアーシャが口々に"念話"で報告を飛ばしてくる。また、なかなかに良いお湯だとのこで、なによりである。合間合間に僕やラシュも一緒に入ろうと要求されなければ、なお良いのだけれど。
アーニャも沈黙を保っているというわけでもなく、にゃあにゃあと騒ぐ声が岩の裏側から響いてきている。どうやらまたシャロンに揉み込まれているようである。毎回やってるんじゃなかろうか、あのやりとり。
僕はラシュと周囲の警戒という名の、暇つぶし中だ。温泉で泳ぎだしたらしいアーニャの騒ぐ声を背中に聞きつつ、こちらは随分と落ち着いたものだ。
ちなみに嗅覚は麻痺したらしく、独特の変な匂いはもうとくに感じない。それはラシュたちも同様であるらしかった。
「あにうえさま、おさかながいるよ」
「お、ほんとだ。
小さいなー」
山間に位置するこの場所では、木々が茂り、何者とも知れぬ獣の気配や川のせせらぎが聞こえるのみである。アーニャの騒ぐ声を除けば、だが。
小川は時折水飛沫をあげ、その透き通った流れは僕らや馬の喉をおおいに潤した。
またラシュの言葉通り、黒っぽい魚がそこかしこに泳いでいる。なかなか豊かな土地なのだろう。
厳しい寒さのなか、身を切るような冷たい小川でも、それらの小さな魚は不満を感じさせない泳ぎでラシュの目を奪っていた。
「ちいさい。
でもね、おねーちゃんがたまに取ってきてくれてたおさかなは、これくらいだった」
アーニャたちが元々住んでいた『猫人族の里』とやらは、厳しい食事事情であったと聞く。
魔物や野鳥、木の実や、ときに木の根を食べて飢えを凌いでいたというし。
「あにうえさまと、あねうえさまに助けてもらってから、はじめておっきいおさかな食べた」
キシンタで食べた魚を思い出しているのだろう。じゅるりと涎が落ちそうになるのをあわてて拭っている。
まだ"倉庫"内にはけっこうな量の魚が詰め込まれているが、出来る限り自分たちで消費するようにしよう。母の眠る氷の棺が若干魚臭くなっちゃいないかというのが、若干の気がかりではあるけれど。
「ラシュは魚好きか」
「うん。とてもすき」
「それじゃ、また近いうちに魚釣りに行こうな」
「さかなつり?」
白くてもふもふした尻尾をわさわさと振る様子は、やはり猫というよりも犬っぽい。
水面に反射する白い影が、泳ぐ小魚の群れを千々に乱していく。
「うん。こう、長い棒と糸を使って、魚をとるんだ。
ほら、キシンタ――海の近くの街で、やってた人がいただろう」
「うん、いた。
あれは、まじゅつじゃない?
ぼくにも、おさかなとれる?」
「魔術じゃないから、大丈夫。
一緒にいっぱい魚を釣って、アーニャたちをびっくりさせような」
「うん、うん! ぼく、がんばる。
あにうえさま、なんでもできる。すごいね」
目をきらきらさせて僕を見あげるラシュを撫でてやると、にへーっと目を細めてされるがままになっている。もふっとした耳の手触りが、なんとも心地よい。
僕はなんにもできなかった頃、こんなに素直にシャロンのことを認められていただろうか。――いや、そうではなかったような気がする。
なんでもできるシャロンに対して、自分はなんにもできなかった。そうして、卑屈になって。
あの地下空間において先行き不安が大きかったのは確かなことだが、それでも僕は自分の不安ばかりで。
他人を認めるという点に関して、ラシュのほうがよっぽど僕よりも大人なのかもしれない。
だがしかし。
僕のことをこうして慕ってくれる弟分のためにも、僕はなんでもできるかっこいい兄貴分であり続けなければいけない。
そのためには、僕も成長し続けなければならないな。
そんな僕の決意を知ってか知らずか、ラシュは耳をぴこぴこさせながら僕の手と戯れている。
さしあたっては、魚釣りだ。
たまに父さんと釣りに繰り出したときには、ふたりとも釣果なしなんてことがザラであったが……"全知"を手に入れた今、きっといくらでも釣り上げることができるだろう。たぶん。
そうやって、のほほんと川のせせらぎに耳を傾けて。
穏やかな時間を満喫していると、ふいに声が飛んでくる。シャロンからの"念話"だ。
『旦那様、警戒を。
麓のほうから馬車が来ます。先ほどの蟲の魔物の反応もあるようです。
私たちも、急ぎますね』
『わかった』
シャロンの言葉通り、僕らが上がって来た道を辿って馬車がもう一台来ているようだった。本当に、入浴しながらでも警戒を怠らないシャロンの精度には舌を巻く思いだ。
反応は人間が4人と、シャロンの情報によると蟲型魔物もいるかもしれない。警戒して損はない。
馬車が視認できる位置にまで近づいて来たあたりからあった嫌な予感は、やがて馬車が止まり、人が降りだす段になって、確信に変わった。
まず最初に降りて来た男がこちらの姿をみとめると、馬車内に向かって何事か呼びかける。そうしておずおずと降りて来た女性がふたり。御者は降りてこなかった。
全員、冒険者風の格好をしており、村付近で結構なガラの悪さを発揮していた者に相違ない。女性ふたりのほうは、大変に居づらそうであったけれど。
「おうコラ、ケモノ連れのくそガキ。
お前らのせいで、こっちは討伐隊から外されるわ、稼ぎもなくなるわで散々だ。どう落とし前付けてくれンだァ、あァコラ!?」
何なんだ、こいつは。
連れの前で恥をかいたことだとか、冒険者組合に報告されると評価が下がるとか、そういったどうでもいい感情がないまぜになっているらしい男の目は血走っている。
わざわざこうやって当たり散らすために追いかけてくるあたり、討伐隊から外されたというのも本当なのだろう。村近辺の魔物は軒並み討伐したため、安全確保のためにはそれほど人手が必要ではなくなった、というのもあるのかもしれない。
落とし前だとかどうとか、すべて自分の責任だと思うのだけれど。
僕がまだ若いことや、獣人と見るや怒鳴りつけたことによって、この男は自分の強さや格好良さのようなものをアピールしたかったらしいのだが、なんとも陳腐極まる。
むしろそういった横暴な態度によって、連れからも現在進行形で冷ややかな目で見られていることに気付かないのだろうか。もっとも、こいつを強硬に止めないあたり、連れも同罪なようなものかもしれないが。
「なんとか言えやコラ、びびってんのか? あぁ!?」
青筋を浮かべる男の剣幕に、僕の側にいたラシュが縮こまって僕の背に隠れる。
そんな様子に得意気になった男が連れのほうを振り向くが、連れの女性はふいっと目を逸らしている。
「大丈夫だよ、ラシュ。
ああいう、うるさいのは嫌だよな」
僕の背にしがみつくラシュを右手であやし、"倉庫"かららっぴーを取り出すと、その頭に乗せておいた。
らっぴーにとっては"倉庫"に仕舞われたときには数秒でまた外に連れ出され、しかもその都度景色も変わっている。毎回驚いてしかるべき状況な気がするのだけど、存外肝が座っているのか、はたまたなにも考えていないのか、それでとくに騒いだことはない。
僕の背中から手を離したラシュは、いつもの頭上の相棒を腕におろしてきゅっと抱きしめる。
外の景色が変わっても動じないらっぴーだが、さすがにいきなり抱きしめられるとびっくりするらしい。「ピェ!? ピェ!?」と喚いて短い足をぱたぱたとしているが、ラシュは気にせず頰ずりを続けている。
そんな僕の弟分の様子をみて、うるさい男の連れのひとりは「ほうっ……」と切なげな息を小さく漏らした。
そんな様子がおもしろくないのは、やはり正面のうるさい男である。
青筋を浮かべて、さらにがなり立てようと息を吸い――止まった。
原因は、その視線の先を振り返るまでもなく判然としている。
けれど、意味不明な男よりも、可愛い嫁を視界に収めておきたい僕としては、そのまま振り向くことに一片の躊躇いもない。
「旦那様」
お風呂上がりでは、しっかりとした靴は履きにくかったのだろう。
細く白い足を、海辺を歩くために買った簡易な板靴につっかけて、ぽてぽてと歩いてくる。
しっとりと濡れた髪は紐で括って一つに束ねてある。つやっとした唇に、見るからに柔らかそうな頬。凪いだ海のような美しい蒼い瞳に、少し上気した肌。
それでいて透き通るようなもとの肌の白さを伺わせる、鎖骨からうなじまでが大きく開いた服を身にまとったシャロンの姿に、老若男女問わず見惚れてしまうことに無理はない。
これをもとにもし何かの物語を書いたりしたら『うちの嫁が天使すぎてつらい』とかいうタイトルになりかねない代物なのだから。
そんなシャロンは僕に向かっていつものようにニコリと微笑みかけると、僕の左腕に全身できゅっと抱きつく。濡れた髪が僕の首に冷やっこく、しっとりした質感を伝えて来て、少々くすぐったい。
「お、な……おま、なん……」
男は市場に並べられた魚のように、ただただ口をぱくぱくとさせながら意味のない言葉の羅列を僕らの耳にまで届けてくる。
シャロンはそんな男には見向きもせず僕の肩に顔を埋めて頭をぐりぐりとしてくる。
そんな風に僕に甘えつつも右手ではらっぴーを抱きしめているラシュの頭を優しく撫でており、わりと器用なシャロンさんである。
あとからアーニャとアーシャが板靴でぽてぽてと岩場を降ってきて、「ひぁっ」とアーシャが尻餅をついたあたりで、ようやく男の拘束は解けたようだった。
その間、ゆうに1分以上は口をぱくぱくさせながら何かうめき声をあげていたのだから、すでに威厳もなにもあったものではない。僕としては、僕の嫁に対して変な目で見られるのは、あまり気持ちの良いものではなかったのだけれど。まさか目潰しするわけにもいかない。
「そ、そうだっ、てめぇせっかくの温泉をケモノの奴隷風情に使わせるなんて」
シャロンやアーニャ、アーシャに目まぐるしく目移りさせつつ捲し立てる男に、アーシャを助け起こしていたアーニャの目がすっと細められ、猫を思わせる鋭い瞳孔が男を射抜く。
アーシャによって磨き上げられた白い首輪に据えられた宝石が紫に光ると、アーニャの手にはしっかりとナイフが握られていた。
「なん……てめぇら! 自分が何やってんのかわかってんのか!?」
がなりたてる男は背負った剣に手をかけ、連れの女性が息を飲む。
しかしそんなことには全く動じずに「私は旦那様といちゃついているだけですが」と僕の耳元で小声で答えるシャロン。
ラシュも対抗してか、僕の肩付近にまで背伸びをして「らっぴー、なでてる」と報告してくれる。
アーシャは少し離れていたからか、念話で『アーシャ、こけてたの……』と恥ずかしそうに報告がきた。見ていたから知っているが、たぶんそういう答えが欲しい質問ではないと思うんだ。
その間にも、ぺったぺったとナイフ片手に無言で近づいてくるアーニャ。
「アーニャ、べつに放っときゃいいと思うけど」
「んー」
いよいよ止まらないアーニャに、男は剣を握る手に力を込めた。鞘走るのも時間の問題だろう。
まあ。
抜ければ、だけれども。
「んン"!?」
ぺったぺったと歩み寄るアーニャに向かって、ついに剣を抜き放とうとした男は、目一杯力を込めて剣の柄を握った姿勢で固まった。
"結合"の魔術――"剥離"とは逆に、モノとモノをひっつける――によってガッチリと結びついた剣と鞘はもはや一体の物体となっており、仮に体から鞘を外したところで鈍器としてしか使えまい。
「そん……待っ」
ぺったぺったと眼前にまで迫っていたアーニャを前に、男は腰につけられた予備の剣を引き抜こうとし、そちらもがっちり"結合"されていて抜けないことを認めると、情けない声をあげた。
いわゆる獣人と呼ばれる者たちは、身体能力が高い。アーシャやラシュなどは、わりとコケたり、そこここでぶつかったりするなど、あまり身体能力に優れた印象を持ちづらいのではあるけれど。
それでも一般的に、人間と獣人の関係性を絶対的なものとして隔てているのは、魔力の有無である。
つまり、魔術を扱えない人間と獣人であれば。基本的には、獣人のほうに部があるということになる。
人間は法で守られていると言っても、いざ光を跳ね返すナイフを目の前にして、法が何を守ってくれるというのか。
法が真に人を守るのならば。
違法に殺される人は居ないはずである。そう、たとえば僕の父母のように。
ぺったぺった。
そうして先ほどのアーシャと同じように尻餅をついた絶望の表情の男の横を通り抜け、「ひっ」と怯えて背を向けた、連れの女性の背めがけてアーニャは踏み込むと、一閃。
「ギュッギギィイイ――!!!」
甲高い声を上げて女性の背からポトリと落ちた親指大の蟲は、アーニャのナイフによって両断されていた。
「うわ。せっかくお風呂入ったのにまた汚れてもーた」
「だから放っときゃいいって言ったのに。
僕らに害意を持ってるやつらなんか、どうなろうと別に助けてやる義理なんてないんだから」
ぺったぺったと戻ってくるアーニャを、"剥離"で綺麗にしようとして遮断される。いかん、やはり忘れる。
「カーくん、きれーにして!
もうお風呂面倒やし」
白い首輪をパチリと自分で外すアーニャに、"剥離"と"抽出"で汚れを綺麗にするついでに、髪や耳、尻尾の水分をも取っておいた。
アーニャは嬉しそうに「んー!」と目を細めると、再び自らの首にパチリとチョーカーを嵌め込んだ。
「……」
自ら首輪を付け外しする様子を見たからか、それとも僕の無詠唱魔術のせいかはわからないが、男はもはや悪態をつくでもなく口をぱくぱくさせるだけになった。市場の魚であれば、鮮度が落ちて来たと判断するところである。
せっかくアーニャが助けたんだ。お節介ついでをやっとくか。
「あー、えーと。お前ら。
セリネ = レヴェスティエに、シーネス = シルィン」
僕が呼びかけると、アーニャの一閃のあとへなへなと座り込んで女性と、それに駆け寄っていた女性が揃ってびくりと肩を跳ね上げる。
見ず知らずの、自分のパーティメンバーが因縁をつけていた相手に突然呼びかけられたら、そりゃ驚きもするだろう。
「お前ら、そこの男になんか弱み――あー、借金か」
今日も冴え渡る"全知"さん。
キーワードを呟くだけで、それっぽいことを関係者が連想していってくれるおかげで、全容の把握が簡単にできる。
剣が抜けなかったり魔物が潜んでいた混乱があったので、なおのことだろう。
「その借金な、どうもそいつと食事処の支配人の共謀らしいぞ。
なんでも、酔いつぶれさせて偽の借金を背負わせる常套手段らしい。あくどいなぁ」
「そんっ、このガキ、何を」
あ、男が多少鮮度を取り戻した。
突然の暴露に、混乱状態にはあるみたいだけれど。
「きみ、いったい何を」
目を白黒とさせる女性も、訝しげに僕を伺っている。
しかしそれは信用できないとかそういうのではなく、もっとべつの、畏怖とかそういう類のもののようだったが。
ようやく僕から離れたシャロンは、いつものように髪を編み上げながら「さすが私たちの旦那様はお優しいです」とか言っている。
とたんに恥ずかしさが襲ってくるので、できればやめてほしい。
シャロンたちに馬車を出す準備をしてもらうよう指事を出すと、僕は再び冒険者風のやつらに向きなおった。
はじめてしまったものを途中で切るのも座りが悪いため、手早く話をまとめにかかる。
「いいか、よく聞いて覚えろよ。
そいつと『銀の月光』って店の支配人のロブスって呼ばれてる男の共謀。
冒険者組合でも通して、王都のダビッド = ローヴィスってやつに『オスカーからの紹介』って渡りを付ければ何かしら動くと思うよ」
僕からダビッドへの仕事を増やすという、ささやかな仕返しである。
進捗がなかったらリーズナル男爵経由で突ついてやろう。そうしよう。
「ま、待て待て、ローヴィス? てめ……いや、待て、待ってくれ!」
よたよたと追いすがってくる男を両の手を広げて迎え入れる趣味はない。僕の身内を貶すようなやつならば、なおのことである。
透明な"結界"でそれを阻むと、ガンと壁にぶつかったような音を立ててずるずると男がうずくまった。
アーニャたちが乗り込み、出発準備ができた馬車の御者台でこちらに小首をかしげるシャロンに頷き返し、その隣に乗り込むと、車輪の魔術が発動して初速から軽やかに馬車が走り出した。
「あ、そうそう。僕は入ってないけど良いお湯らしいぞ。
せっかくだから、楽しんでいけばどうだ?」
捨て台詞を残して去る僕らの馬車を、呆然と見送る女性ひとりと御者。もう一人は頭を下げ、残る男は倒れ伏し。
自分で言っておいてなんだが、温泉を楽しむ状況じゃあなさそうだなぁと苦笑いする僕らを乗せて、一路馬車はガムレルの町を目指す旅を再開した。
――
とまあ。そんなこんなが、あったのだ。
手元で精製したテンタラギオスの魔黒鱗由来の延べ棒に視線を落とすと、黒々艶々した質感が"全知"を着けた僕の目を反射してくる。
「お風呂、作るか。
すっごい綺麗なやつ」
「ほんと?」
ぴくんと耳を揺らし、ラシュは目を輝かせる。
「たのしみ」
獣人だからと排斥されないお風呂があるといいなと、ラシュは言う。
町の風呂屋でも、ある程度追加でお金を握らせないとアーニャたちは嫌がられることがある。個室の浴場ですらそうなので、大きなお風呂屋には行ったこともない。
獣人の入った湯は嫌がられるだとか、毛が付くだとか風呂屋側にも都合はあるのだろう。
だから、そんな都合を気にしなくて良いものを、僕らは作ろう。
「とはいえ、ラシュも手伝ってくれよ。
そうだな、お湯をどうするか、とか保温させる仕組みを作りたいから、煉瓦から作るか」
「うん。がんばる」
店番をアーシャに任せると、僕とラシュは連れ立って郊外で煉瓦作りに繰り出した。
シャロンとアーニャは今日は朝から居ないのだけれど、簡単な計算もこなせるようになったアーシャなら、おそらく問題ないだろう。
呪文紙も持たせてあるし、何か問題があれば"念話"をくれれば"倉庫"を経由して首輪から相手に魔術をぶち込めば良いのだ。
早々に煉瓦作りに飽きたラシュが、らっぴーの粘土像を量産しだしたり、それがちらほら売れる商品になったりするのは、また別のお話である。




