僕と彼女と獣人の姉
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今日でオスカー・シャロンは投稿開始から1ヶ月になります。
累計アクセス2000、ユニークアクセスでも1000人もの方に見ていただけて、大変嬉しく思っております。
これからもぽつぽつ頑張って行きますので、よろしくお願いします。
今にも飛びかからんと身を屈める女性は、頭のてっぺんに獣の耳を生やしている。
さきほど"探知"を行った際に、男二人と反応が違ったのはそういうことか。魔物でも、かといって人とも違う、不思議な反応だったのだ。
じかに見るのは始めてだが、あの耳が作り物でない限り、獣人と呼ばれる種族なのだろう。
「なんだお前らは! 下がってろよ、こいつは俺が見つけた獲物だぞオラぁ!!」
「そうだぞ、怪我したくなかったら……いや、よく見るとこいつが連れてる女も凄ぇ上玉じゃねーか。
おい、そこのお前、怪我したくなかったら……」
物凄く三下っぽい台詞を発しながら、ナイフをちらつかせてくる男たちに、久しぶりの嘆息を返す僕。
はぁ。なんというか。わかりやすく雑魚くさい。
お姫様抱っこにより、もとからテンションが低かった僕のテンションがさらにだだ下がりになる。
「お前らさぁ……もうちょっと、なんというか、こうさぁ。
せめてもうちょっとチンピラとしても、なんか、こう。ないの?」
彼らにとっては知った事ではない話かもしれないが、略奪して人を刺して家に火を放ち、好き放題していた蛮族に弓や剣を向けられたところで、今の僕にとっては敵として大した強さを持っていない。そんななので、ちゃらちゃらとナイフを見せびらかしてチャチな文句を垂れるチンピラ風情になぞ、何の脅威も感じないのだった。
まして今はそばにシャロンが控えている。負ける要素がない。
とはいえここは男爵領であり、町中だ。そうそう騒ぎを起こすわけにはいかない。
すでに騒ぎになってしまっていると言われればそれまでだが、それをいたずらに拡大させていいかというとまた否である。
「てめぇ、俺らのこと馬鹿にしてんだろ。ただの脅しだと思ってやがンな、気に食わねぇ」
「痛い目見ないとわかんないようだな。獣人より先にこっちやっちまおう」
その言葉通り男二人は標的を僕らに定めたようで、ナイフをちらつかせながら距離をつめてくる。
その奥では、獣人の女性は静観の構えを見せている。逃走するなら今が一番良いと思うのだけど、何かしら意図があるのかもしれない。
「シャロン、昨日みたいな威圧はできる?」
なるべく穏便に済むならそうしたいので、すぐ後ろに控えるシャロンに聞いてみる。が、その返答は芳しくはない。
「はい。可能は可能です。
しかし、威圧はある程度戦闘の心得のある者相手でないと、望む効果は得られないと思います。
この場合は相手のレベルが低すぎて、あまり効果を及ぼせないのではないかと」
「弱すぎる相手には効かないのか」
「はい。有り体に言って、そうなります。
やってみますか」
相手が弱すぎてどうしよう、という困っているんだかいないんだかわからないシャロンからの返答だ。
僕が頷くと、シャロンは目線を鋭くし、プレッシャーを放ったようだった。僕には周囲の気温が一段下がったかのように感じられる。
明らかに『あ、これは手をだしたらやばいやつだ』と本能が警鐘を飛ばしてくる。隣に立つ僕でさえそうなのだ。これを正面から浴びせられたら、戦意喪失待ったなしである。
しかし。それを受けた男たちは多少うろたえはしたものの、戦意を失うほどではなかったようだ。
シャロンの威圧は、武術に類するものの技術であるらしい。
たしかに、たとえば隙の全くないような構えをとったとして、その心得のない人物には凄みが通じるものではないのだろう。
相手が弱すぎるというのも考えものである。ある意味豪胆なのかもしれない。
うーん、穏便に片付けるにはどうするかな。
男たちは粗野な恫喝を口々にしつつ、じりじりとにじりよって来る。
お互いが、飛び掛かるタイミングを測ってでもいるのだろう。威勢のいいことを言ってはいても、その実は統制も取れていない臆病者のようである。
やがて、その恫喝が、僕の許せるラインをスキップで軽やかに超えた。ので、粛々と処理を敢行する。
「男はいらねぇ。目の前で自分の女が滅茶苦茶にされるのでも見てーーゔっ」
「へっへっへ、目でも潰してやれば生意気なことは言えなくーーへぶっ」
下衆な視線をシャロンに向けていた男は、穏便に処理した。
同時に、僕に向かってこれみよがしにナイフを素振りして居た男は、一瞬で姿が掻き消えたシャロンによって背後から強かに蹴りつけられ、背中を逆方向に折り曲げながら吹っ飛んだ。
美しい姿勢で蹴りを放った彼女の、細くしなやかな白い太股と、見えそうで見えない絶妙なタイミングで翻ったワンピースの裾がふわりと元の形に戻る。
そのまま、てけてけと僕のすぐ側まで帰って来たシャロンが、そっと僕に耳打ちする。
「黒ですよ」
「待って、ねえ待って。なんの情報」
「はい。今日の私のぱんつの色です。興味を持っていらっしゃったようですので、ご報告の必要ありかと判断しました」
なぜかドヤ顔のシャロンさんである。そういう変なところで気を利かせるの、やめてほしい。
シャロンに蹴られた男が吹っ飛んだ先には、僕が穏便に処理した結果蹲っていた男の姿があり、組んず解れつしたり太股にナイフが刺さったりと阿鼻叫喚の様相となっていた。
痛そうだけど、人に武器を向けるのであれば相応の覚悟の上でのことであろうので、恨みっこなしでお願いしたい。
「"紅き鉄の団"とか聞こえたから来てみたけど、こいつら単なる雑魚のチンピラだな」
「そうですね。
揃いの防具もありませんし、統制もぐだぐだです」
うゎああああとか、うぉおおおおおとか野太い悲鳴を上げ続ける男ふたり。
なるべく素知らぬ振りをして立ち去りたい。いかに人通りが少ない路地裏とは言え、まだ夕暮れ時であり、こう煩くてはそのうち人が来るだろう。
「ま、待って。
君ら"紅き鉄の団"を知っとるん!?」
いつのまにか、地面にぺたりと座り込んでいた獣人の女性が、さっさと立ち去ろうとする僕らにそう声を掛けて来た。
「うんまぁ……」
「ウチも連れてって!」
必死な様相で食い下がられる。
面倒事は正直ごめんなのだけれど、自分たちから首をつっこんだ結果とも言える。
"紅き鉄の団"についての情報を入手したいのは僕らも一緒なので、本人がついてきたいというのであれば好きにしたらいいだろう。
シャロンの方を振り向くと、彼女も僕に頷きを返した。
「了解です。戦闘不能状態にします」
「ええっ、なんでなん!? いまそういう状況ちゃうかったやろ絶対!」
ーーあまりシャロンと僕とで意思疎通は取れていなかったようだ。
「だってあからさまではないですか!
こんな際どい格好をしている女性、明らかに怪しいです」
「なんでよ! ウチ悪い獣人やないよ!」
「なんですか、その胸! 褐色の肌に、獣耳なんて! オスカーさんを誑かす気満々ではないですか!」
「そんなんウチに言われても」
「そうだよ、落ち着いてシャロン」
「オスカーさんは黙っていてください!」
「はい……」
なんで僕が怒られてるのか。
世の中は不思議がいっぱいだ。
「はよ移動せぇへんと、騒ぎを聞きつけたヒトが来てしまうわ。
移動するんやろ?」
獣人の女性は、側に落ちていた帽子をぽすぽすと払うと、その頭に乗せる。
それに覆われて獣耳が見えなくなると、その人物が獣人であることが外からわかるパーツはひとまず無いようだった。
「ほら、行くよシャロン。君も、とりあえずはついて来て」
「ちょ、待って。少年、待って。
ちょっとこっち来て」
いまだに唸り声を上げ続ける男たちを尻目に、獣人の女性は僕に、こいこいと手招きする。
「危険です、オスカーさん」
ずいっと僕の前に割り込むシャロンに、女性はビクリと身を震わせる。
そして半泣きになりながら、懇願するように僕を見た。
「あの。えっと、その、な。
少年、すまんけどウチのことおぶってくれへん?
腰抜けてしもうて、立たれんのや」
どうやら。
男たちに向けて放ったシャロンの威圧をモロに食らったせいで、立てないらしかった。
ーー
ところ変わって、僕らは再び『妖精亭』を訪れていた。
見ず知らずの獣人の女性を僕らがとっている宿に連れていくのは、いかに大事な荷物はすべて"倉庫"に置いてあるとはいえ抵抗があったし、ちょうど夕飯時でもあったのだ。
また、先ほどの路地裏からほど近かったということもある。
ぐすぐすと情けない声を出しながらシャロンに背負われていた女性の腹の虫が唸りをあげたこともあり、ちょうどいいからと僕らは妖精亭の扉を叩いたのだった。
「おう。またお前らか。
ーー揉め事と修羅場はお断りしたいところだが、まあいい。奥の席だろ、座んな」
カランカランという鐘の音と、ぶっきらぼうな調子の店主に迎えられた僕らは、そうして再び奥の個室スペースに通された。
シャロンは背中から女性をぺいっと向かいの席に放り捨てると、僕の膝の上にちょこんと腰掛けた。
「あに"ゃっ。あたたた……」
乱雑に放り捨てられた女性は、お尻をさすっている。
「ちょっと、シャロン。
あの。シャロンさーん。降りよう、せめて隣に座ろう」
「むー。勢いで押し切ればいけるかと思ったのですが」
ばれたかー、みたいな感じでシャロンがのそのそと僕から降り、隣の席に腰掛け直す。そりゃばれるだろうよ。
「だってあの方、私に運ばれている間ずっとめそめそと。滅入るったらないです。
オスカーさん成分で補わざるを得ません」
なんだその成分。
「シャロンの威圧が怖かったんだと思うぞ。
なんか、シャロンが人に対してあたりがキツいの、珍しいね」
「むしろオスカーさんが甘すぎなのですよ、それは」
「ウチみたいな獣人は信用できひんっていうん?」
まだシャロンへの怖れのようなものが見え隠れしているが、若干憮然とした様子で女性が話に加わってくる。ちょっと涙目だが。
「いえ。そういうのは別にいいです。
あなたはオスカーさんに運ばれたがっていましたが、そういう部分のことを申し上げています。
その凶器のようなおっぱいで! オスカーさんを誑かそうなどと! 認めませんよ私は!!」
テンションの上がってしまっているシャロンに対し、女性は再び『そんなんウチに言われても』と困惑気味だ。
「シャロン、おさえて、おさえて。ここ、お店だから。
それに、ちょっとあれだ。真面目な場面だから」
僕がシャロンを宥めると、獣人の女性も真面目なトーンで話をはじめた。
「ウチはアーニャ。見ての通り、獣人って呼ばれてる種族」
帽子を脱ぎ捨てると、頭の上で耳がぴこぴこと動いていた。
いままでは服の中に隠していたのだろう、尻尾も出てきてふりふりと存在感を主張していた。
獣人。
その膂力は強く、生命力に優れている。しかし、その数は多くない。僕だって見たのは初めてだ。
獣人は、魔術への適正が無い。魔力を持ってる者すら、ほとんど居ないという。
詳しい理屈は知らないが、獣人はヒトより劣っているとされ、多くの国において奴隷としての取引が許可されているのだ。
奴隷となった獣人には、ヒトに逆らったらその生命を奪ったりするような、隷属の首輪が付けられる。
もとから魔術への適正をもたない彼らには、その首輪を嵌められたが最後、抵抗するすべがないのだ。
生命に関わるような制約を持った魔具などは、ふつう抗魔力がある生物にはそうそう効力を発揮するものではない。
たとえば植物にさえ抗魔力はある。しかしなぜか、獣人はほぼ全くと言っていいほど、抗魔力を持ち合わせていないらしかった。
僕が生まれるよりもっと前の時代から『そういうもの』として獣人は狩られ続け、数を減らしていったらしい。
ヒトの管理のもと、家畜のように"繁殖"させられる以外では、ほとんど増えることもなくなり、そのままゆるゆると滅亡を待つがごとき種族であった。
その点、目の前のアーニャと名乗った獣人の女性は、首輪を嵌められてはいなかった。
かなり珍しい、奴隷ではない獣人なのだろう。
先ほどのチンピラ男二人組が、どうにか捕まえようとしていたのはそういう理由であるらしかった。
スタイルの良い若い女性の獣人など、驚くほどの高値が付くに違いないのだから。
「単刀直入に言う。
ウチを、というより妹弟を助けてほしい」
ごつん、と固い音を立てながら、自ら机に頭を擦り付けて懇願するアーニャ。
そーっと側によってきて、そのしっぽをつつこうとしていた妖精のシアンがびっくりして、すごい速度でシャロンの後ろのに回り込んでいった。
「"にゃー、おこなの?
つくえ、わるいこ?"」
シャロンの陰からそっと顔を覗かせ、シアンがアーニャの様子を伺っている。
机に攻撃を加えていると解釈されたのか。
ようやく頭をあげたアーニャが、詳しい経緯をとつとつと話し出すと、シアンもシャロンの陰から出て来て机を撫で出した。労っているつもりらしい。
「2日前になるんやけど。ウチが留守してる間に、ウチら猫人族の隠れ里が襲われた。
長も殺された。生きとった仲間によると、ウチの妹弟は攫われてしもた。
他の連中は、もう諦めて逃げおったんやけど、ウチは諦めへん。諦められへん」
忸怩たる思いを噛み締め、ぽつりぽつりと語るアーニャ。
「人里に降りて来て、駆けずり回って得た情報が"紅き鉄の団"やった。
仲間の言ってた特徴からも、間違いない。でも、匂いももう途絶えてしもて、正直ウチには打つ手がない」
本来は綺麗な髪、綺麗な赤い毛並みであろうに、それを気にしている暇すらなかったのだろう。
ぼさぼさに乱れてしまっているその髪の下は、よく見ると目元には隈が浮かんでいる。
切羽詰まった様子で己の手詰まりを吐露するアーニャは、ついにぽろぽろと涙をこぼしはじめてしまった。
「ウチには、もう。あの子らを失ったら、なんもない。
あんたらが強いのは、よくわかった。だから、お願い。力をかして」
2日前に妹弟が攫われてから、ろくに食事も睡眠もとっていなかったのだろう。
一度不安を口にしてしまったアーニャは、もう涙を止めることができないようだった。精神的にも肉体的にも限界が近かったのだ。
「"にゃー どうした。どうした。大丈夫?
にゃー 大丈夫?"」
妖精のシアンはおろおろうろうろして落ち着きをなくしてしまうし、僕も女性の涙に対する耐性など皆無に等しい。実に居心地が悪かった。
シャロンのほうを伺うと、やれやれといった様子ではあるものの、オスカーさんがどうしたいかに任せます、といういつもの安心感のある蒼の瞳で、僕のことを見つめてきた。
そうして机の下で、僕の左手をきゅっと握ってきた。
シャロンには僕がそのまま放っておけるわけがないだろう、と見透かされているのだ。
蛮族に襲われた理不尽から、孤独に頑張っている様子をみて、自分を重ねてしまうであろうと。そのまま放っておけるはずがないと。
孤独になったとき、僕にはシャロンがいたし、シャロンには僕がいた。
そして、目の前にいるのは孤独に抗い続ける者だ。
つっかえつっかえ、鼻をすすりながらもアーニャは言葉を続ける。
「ひぐっ。ウチは差出せるモノなんて、持ってへん。ぐすっ……。
だから、きょうだいが無事に自由になるんなら、ウチのことは好きにしていい。
どう扱ってくれてもええし、一生奴隷として尽くすって約束する。
だから、お願い……ぐすっ。力を、かして」
再度頭を下げるアーニャに、妖精幼女はおろおろ。僕もおろおろ。
シャロンから握られている左手にはさきほどよりも力が込められ、ぎりぎりぎりと痛いイタイ、ちょっとシャロンさん痛い、シャロンさん痛い。
しくしくおろおろぎりぎりと。
落ち着いたはずの小ぢんまりした個室スペースは、いまやなんとも不穏な空気が立ち込めている。
べつに涙に絆されたわけではない。と思う。
一生好きにしていい、というのに惹かれたわけでも、もちろんない。
アーニャが怪しい、僕たちを嵌める何らかの罠ではないのか、というのは"全知"により棄却できる。
アーニャの言っていたことに嘘はないようで、彼女は本気で困り、本気で懇願している。
そしてその相手が因縁浅からぬ"紅き鉄の団"であるというのなら。
「だいたいの事情はわかったよ。
細かい話はおいおい聞くとして、協力を約束しよう。
いいよな、シャロン」
「はい。オスカーさんが決めたことであれば、私に異論はありません。
オスカーさんが、年上の女性の色香にやられたわけじゃないことを祈るのみです」
「なんて人聞きの悪い」
ごほん。
咳払いひとつ。場を仕切り直しにかかるが、なんとも締まらない。
「今さらだけど、僕はオスカー。オスカー = ハウレル。
こっちはシャロン。僕のパートナーだ」
本当に今更ながら自己紹介をすると、ぺこりと会釈をするシャロン。
「シャロンです。オスカーさんのパートナーです。
アーニャさん、ひとつはっきりさせておきたいことがあります」
協力する、という言葉を聞いて希望の色を滲ませていたアーニャだったが、シャロンにびしいっと指を突きつけられると、またすぐに萎縮してしまう。
先ほどの威圧の効果がまだ続いているのかもしれないし、協力の条件を提示されるのかと怯えているのかもしれない。
シャロンは隣に座る僕の左肩にがばっと抱きつくと、高らかに宣言した。
「オスカーさんの第一夫人の座は渡しません!
オスカーさんのはじめての相手の座も渡しませんからね!」
なんともいつも通りのシャロンさんであった。
しかしこの子は飲食店で何を口走っているのか。
「ちょっとシャロン」
「はい」
「正座」
「はい」
いそいそと椅子の上に正座するシャロン。
なんかもう、最後はいつも締まらない。
そんな僕らの様子にアーニャは目を白黒させていたが、どうやら自分が拒絶されたわけではないと納得はしたらしい。
涙の最後のひとしずくが、はらりとこぼれ落ちた。
「おいガキんちょども。辛気臭ぇ話が済んだならメシにしな」
そんな僕らの様子を見計らったのだろう。初老の店主がやってきた。手にした皿には料理が山盛りだ。
「"ぼるばろだ!"」
妖精幼女は店主がやってきたのを見るや、そーっとアーニャの尻尾に伸ばしていた手をひっこめ、初老の店主の足にひしとしがみ付く。
「ボウズも、何があったかは知らんがかわいい女を泣かせるのは、嬉し泣きだけにするんだな。
まずは美味い飯、綺麗な風呂、そしてしっかり寝ろ。人生の先輩からのアドバイスだ」
そう言ってニッと笑う、ぶっきらぼうながら優しさを滲ませる店主に、なんかもう全部持って行かれた感じだった。
作画担当にも「なにこのキャラ、えろすぎない?」と心配されたアーニャさんの登場です。
ようやく第二章も本筋に入ってまいりました。




