ぎゃらりぃ そのいち
忙しい人のためのオスシャロあらすじとファンアート、補足など。
これまでのネタバレを含みます。
読み飛ばしても本編への支障はありません。
いただいたご質問などによって追記していくかも。
◆ 第1章のあらすじ ◆
故郷の村を焼け出され、新天地を求めてハウレル家は街道を行く。
しかし狙いすましたかのように現れた蛮族集団『紅の鉄の団』によって一家はバラバラに引き裂かれてしまう。
宝玉を手に、両親に逃され命からがら蛮族から逃げ延びたオスカー = ハウレルは、謎の地下空間で古代文明の兵器少女と出会う。
オスカーは自身を魔導機兵と称する少女をシャロンと名付け、宝玉を与える。シャロンはオスカーを主と仰ぎ、空回り気味なスキンシップを要求するのだった。
シャロンとともに探索を進めると、オスカーが逃げ込んだ謎の地下空間は、古代文明の研究施設だったことが判明する。
施設最深部に隠されていた結界に入ってしまったオスカーは、結界内部に閉じ込められたまま悠久の時を過ごした少女(?)フリージアと邂逅する。
力を渇望するオスカーはフリージアの提案を受け入れ、"全知"の神名を宿す眼鏡を借り受ける。
"全知"を扱うために破壊と再生を繰り返したオスカーの肉体は、急激な成長を遂げた。
結界からの解放と死を望むフリージアと再会の約束を交わし、オスカーはシャロンとともに外の世界へと脱出を果たした。
▲ 祥之瑠于先生( https://mypage.syosetu.com/707269/ )から寄贈していただいた一周年記念のオスカーさんです。
かっこかわいい。ありがとうございますっ!
▲ 挿絵担当のほっぷ先生( https://hopgrenade.tumblr.com )にいただいた、鋭い視線のシャロン。
オスカーくんの前ではいつもにこにこしているシャロンちゃんですが、凛々しい真面目な表情も魅力的です。
金髪蒼眼、白い肌で、という程度のほぼ投げっぱなしといって過言ではない指定から素敵なキャラデザを起こしてもらいました。
▲ ほっぷ先生にいただいた、ろりーじあさん。
まだ胸元が凶暴ではない頃。
両手で眼鏡を直す仕草がとっても愛らしいです。自己主張するアホ毛がチャームポイント。
こんないたいけな少女に作者はひどいことするよね。ごめんね。それもこれも"世界の災厄"が悪いんです。だいたいあいつのせい。作者わるくないもん。などと意味不明な供述をしており、余罪が追求されています。
▲ ほっぷ先生から寄贈していただいた一周年記念のシャロンです。
かわいい & かわいい of かわいいインティライミ。
● オスカー = ハウレル
本作の主人公。14歳。濃く茶色の髪と、同じく深い茶の瞳だったが、"全知"ブートキャンプによって魔力形質が引き出されて以降は髪の先や目に深い紫色が混じる。
身長は165cmくらいから178cmくらいに成長。
父仕込みの剣術と、母仕込みの魔術、両親から引き継いだお人好しな性格。敬語を使うのが苦手。
剣の腕も魔術の腕も年齢並み、人並みであり、「剣のみ」や「魔術のみ」をやり続けた同年代には普通に劣る。実戦経験もない。
好きなものは挽肉を揚げたものや羊肉を焼いたもの、人から必要とされること。嫌いなものは嵐と火事と蛮族。
目は悪くないのでファッション"全知"である。
村には年齢層の近しい女性はお隣のお姉さんくらいしか居なかったため、ぐいぐいくるシャロンに対していまいち距離感が掴めない。
● シャロン
本作のヒロイン。蒼穹をそのまま落とし込んだかのような蒼眼に、流れる絹糸のようなきめ細やかな金髪、白い肌。身長166cmの魔導機兵。製造番号128。
量子演算機構による擬似人格スコアが出荷基準に満たない『落ちこぼれ』でありながら、研究開発者のねじ込みによってロールアウトされた。
製造年月日的には2千歳を超えるが本人的には0歳と言い張る。オスカーと出会って目覚めた日が誕生日扱いである(現代換算すると10/31です)。
目覚めた時点で失っていた右足は他の魔導機兵が使うために部品取りされただけであり、戦闘による欠損ではない。
あらかじめ入力されている技能以外は知識として知っているものがあったとしても、使えるかどうかは別問題。
本人としては魔導機兵斯く在るべし、との言動を行なっているつもり。しかし、もし他の魔導機兵が聞いたら真顔で否定されるような言動をしている。
好物はとくになし。過去文明スゴイテクノロジーにより、摂取した食べ物からある程度のエネルギーが抽出できるが、とくに食べる必要も、眠る必要もない。
主に必要とされたいので、空回り気味の親愛をぐいぐいと押し付けに走り、その結果オスカーに引かれる。
バーベルスクワットの他、バービースクワット、プランク運動もおすすめしている。運動の前後にはきちんと柔軟すべし。筋肉痛のときは無理に動かさず肉体が超回復するのを待つと強くなれます。
● フリージア = ラインゴット
本作のサブヒロイン(?)被害者(?)みたいな立場。
『神を継ぐ者』の名を名乗ることを許された(元)少女、現役の骨。銀髪赤眼の虚乳。
生まれ持った"夢見"の神名と、後天的に外科手術で植えつけられた"不滅"の神名を持つ。勇者から半ば強奪した"全知"の眼鏡を持っていた。ひとりだけでスーパー神名大戦ができそう(活躍できるのは結界の中に限る)。
魔力を貯めておく肉体が骨しか残っていないので限定的なものになるが、常に魔力が充填され続けるという特殊条件下であれば、彼女は無類の強さを誇るだろう。だって、鍛錬の他にやることもなかったから。
"不滅"の神名の影響で死なない。精神的にも死ねないので発狂も許されなかった。
年齢換算すると2万歳を少し超えるくらいになるが、時間軸が捻じ曲がっているのでもはやよくわからない。少女という年齢ではないのは確かだが、好んでそう見えるように振る舞う。
まった〜りおっと〜りした喋り方をする。たまにシェイクスピアを引用する。
● オズワルド = ハウレル
オスカーの父。34歳。
冒険者をしているが、強くはない。
麦酒を好むが、強くはない。
しかし、粗野・粗暴な人物の多い冒険者業において、そのどこか憎めない人柄や優しさから、同業者や依頼者からの信頼は厚い。
キンカ村が蛮族に襲撃を受けて住居を失った際にも、カランザの町へ渡りを付けたのは彼の人柄によるもの。
● キルシュ = ハウレル
オスカーの母。31歳。
気の強い才女。魔術師。
魔術師として冒険者をしていたがオスカーを身籠もったことを契機に引退し、主婦をしていた。
元は王都の才媛で、平民出であることからやっかみを受けつつも将来を期待されていた。
不義理や理不尽、とくに他人の不幸に対して怒れる人物であり、同性の後輩からの信望がとくに厚い。
学徒時代に女子寮に夜這いを掛けにきた貴族の少年を便所掃除ブラシでぶちのめした経験があり、今もその女子寮にはその時のブラシが『お守り』として飾られている。
● 蛮族のみなさま
ならず者集団。魔物を従えていたり、組織立った動きをみせる。
ふつう、徒党を組んだ蛮族は経済活動の妨げとなるため、すぐさま討伐隊が組まれる。白昼堂々街道を襲う手勢など、尚のことである。
そのため、組織的な行動ができるほど練度が高い集団になることはほとんどない。元々が落伍者の集まりであるので、協調性もないのが普通だ。
魔術師や調教師などの技能者は、そんな後ろ暗い稼業に手を染めなくともまともに食っていく手段が多々あるため、そういう点でも異質な者たちである。
襲われる側からすればたまったものではない。
● 打ち捨てられていた魔導機兵
製造番号44。大剣の一刀のもとに切り捨てられていた。
切り口はやや融解しており、ただの剣による一撃でないことが窺える。
● 骨の所長
死後、少年と魔導機兵のいちゃつき現場を見せつけられた被害者。
● 魔導機兵
昔の文明(西暦の人類史)が栄えていた頃に製造した超兵器。
人間の代わりに戦い、戦略を立案し、愛玩される機械。全部で128機造られた。シャロンが最後の1機である。
量子演算機構と汎用炉を備え、地球上のほとんどあらゆる自然環境への適正を持つ。
溶鉱炉に沈んだらさすがに壊れる。
元から演算能力に優れていながら、魔導機兵同士のネットワークを活用することによってさらに並行思考や分散処理が可能となる。
情報戦、電子戦への理論兵装が多く搭載されており、電子的に閉ざされた隔壁なんかもハッキングして難なく侵入したりできた――のだが、本編時空では全く無用の長物となっている。
与えられた動力によって性能をセーブして行動するため、こと戦闘力において比類なき強さを発揮するということは動力が優秀であるという証左。
● 魔術
魔力を消費し、外界に力を発現させる術。
詠唱や、陣を伴うことが多いが、術師が外界へ及ぼす術式の形を正しく認識していれば良いので、省略が可能。
ただし、絵であればアタリやラフを廃していきなり完成図を描くに等しく、文であればプロットや校正もなしに傑作随筆を執筆するに等しい。早い話が、あまり参考にはならない。
体系立った学問として成立しており、魔力・技術が伴えば誰でも理論上は使えるものであり、魔法や奇跡とは明確に区別される。
血統によって先天的な魔力受容体の量・活性率が大きく変わるため、強力な魔術師同士の子孫は、より強力な魔術師になりやすい。
魔力の受容体が皆無、もしくはほとんど無い人物は、通常であれば魔術の行使はできない。
そのため、比較的人数の少ない魔術師は、食い扶持には困らない。
● 宝玉
オズワルドが報酬として持ち帰った、強大な魔力を秘めた黄色い魔石。
キルシュがオスカーを逃す際に託された、いわば形見。
その正体は、作者の別作品の『煌きのネクロマンサー』(なろう未投稿)でフィリアが作ったもの。
その顛末を知っている一部の稀有な方には、第五章の顛末が一足先にわかるかも。
● 神名
世界の理のひとつにして、法則、概念。奇跡の一種。
地球に重力があり、物体が地面に落ちるように。この世界には神名があり、その法則が適用されている。
能力があるから名が付くのか、名があるから能力が付くのかは不明。
神名にはそれぞれ位階が存在し、だいたいの場合、強力さ・稀少さに比例する。
第一階位の神名は"世界"のみ。第一階位にまで登りつめれば、新たな世界を生み出せるとされる。――が、『オスシャロ』には関係ない話。
● 転移装置
のっぺりとした円柱形で、中が空洞になっている。
異なる二点間に存在する装置の間に、距離をゼロにする擬似的な門を開設する装置。
莫大な電力を消費するため、食料等の運搬には向かなかった。二点間の距離、移動させる物体の質量に比例して消費するエネルギーは増大する。
元は魔道具ではなく、電力で駆動していたものをオスカー with "全知"によって魔改造され、魔力駆動に。
● キンカ村
王都からかなり遠く、辺鄙な村。オスカーの故郷。
オスカーが単に『村』と言うときは、多くはキンカ村のことをさす。
行商も滅多に訪れないが、いちおう冒険者組合の出張所はあった。
山間の村であり、食は山の幸が主体。小麦よりも根菜の栽培がさかん。
村の端にはエムハオの干し肉が干して吊るしてあったりする。保存食としての役割と、それに釣られてやってきた鳥や獣を狩るためのもの。
蛮族によって食料の備蓄まで含めて家屋に火を放たれたため、冬越しが実質不可能になってしまった。