表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/445

僕と灰色の部屋

じわりじわりとブックマークしていただいている件数も増えてきて、嬉しい限りです。ありがとうございます。


今日は関連する3話を更新しています。

3話といっても、そのぶん短いので、まとめても他の1話よりちょっと長いくらいかな。


それとは別に、サブタイトルの命名規則を変更しています。

既存のお話に関しても、そのうち変える予定ですが、本文は変わらないと思います。

 白い部屋。向かい合って立つ僕と少女。

 赤目銀髪の彼女は、本人の言を信じるならば2万年以上生きているという。


 カラン、と乾いた音を立てて僕の手から"バールのようなもの"が転がり落ちる。


 あまりに荒唐無稽。

 あまりに非現実的。


 世界がどうのという話も、2万年という話も、ただの少女の妄想として片付けてしまうほうが、よほど容易い。

 だというのに。彼女の目や声は、僕を騙すそれではない。

 それほど僕の人を見る目が優れているというわけではない。

 しかし、この凄みのような、一種異様な威圧感ともいうべきものは、確かに彼女から放たれていた。

 少なくとも、それは決して年若い女性の出すような気配ではない。


「あ、だから外では、オスカーくんがここに入ってきてからまだ数秒くらいしか経ってないくらいなんじゃないかな〜。

 正確な時間はわからないけど、ここ数百年はーーあ、内部での話ね。ここ数百年はとくに魔力が充満しているから。

 シャロンちゃんへの説明がある程度遅くても大丈夫だと認識してもらえると、うれしいな〜」


 僕は、2万年以上閉じ込められてたと言う少女に衝撃を受け、シャロンのことを指摘されてようやく我に返った。

 竜種ですら、千年生きると言われているくらいのもので、ゆうにその20倍である。

 その期間を、この少女ーーいや、少女ではないのか。フリージアは、孤独にここで過ごしていたというのか。


「ろりばばあは禁句だからね〜。言ったら怒るんだからね〜。

 ふぅ。わたしの話はだいたいしたから、とくに疑問がなければオスカーくんが強くなる話をしたいんだけど、いいかな?」


 くるりと回ってこちらに背を向けるフリージア。

 禁句についてはわからないが、確かシャロンも似たようなことを言っていた気がする。ふるき者たち共通の概念なのかもしれない。

 フリージアがこちらに背を向けている今なら、壁に向かって走れば、もしかすると止められることなく外に出られるかもしれない。

 しかし、僕にその気はなかった。少なくとも、今は。


「その前にひとつだけ。『わたしの望み』って言ってたよな。

 それは、ここから出ることか?」


「ーーはずれ。

 それもあとでちゃんと答えることにするけど、順序の関係で先にオスカーくんの話を済ませたほうが理解が早いと思うんだ〜。

 それで良しとしてくれないかな〜」


「……わかった」


 僕が応じると、こちらをくるりと振り向いたフリージアは、微笑みを返した。いくぶん自然な表情に感じる。

 彼女の表情の作り方に僕が慣れたのか。それとも、彼女が表情の作り方に慣れて来たのか。

 フリージアの言を信じるのであれば、2万年にもわたり孤独だった彼女の表情がぎこちないからといって、誰が責められよう。


「あと、ふるき者とか言うのも禁止。純粋に傷つく」


 いつもの間延びした喋り方をやめ、禁止事項を追加で告げるフリージア。表情は相変わらず読みにくいが、なんとなく雰囲気は陰鬱である。どんよりどよどよしている。

 女性に歳のことは禁句である。


 気を取り直して。


「確認するけど〜。

 わたしはオスカーくんを強くすることが、わたしの望みに繋がるから手伝いたい。ここまではいいかな〜」


「大丈夫だ」


 望みが不明なので、それが僕に繋がる理由も不明だ。

 しかし僕が強くなることで何らかの良いことがフリージアにとっても起こるのだろう。

 おそらく"全知"とやらで先読みまでできるのではあるまいか。


「鋭いね〜。正確には"全知"と"夢見"の合わせ技なんだけどね〜。

 全てを知るものと、未来を知るもの。

 視た相手の、確率の高い未来がある程度わかったりするんだよ。反則くさいよね〜」


 確率が、とか言っていたのはそのせいか。

 反則くさいもなにも、完全に反則な能力だろう。


 自らの能力のことをも、フリージアは隠すことなく話してくる。

 彼女のいう『できる限り答える』に該当するのだろう。



「『計算された恋は卑しい』だなんていうけれど、2万年以上待って初めてのチャンスなんだから、必死にもなるよ〜。恋じゃないけれど。

 ずぅっと待ち続けて、やっと最初に侵入ってきたオスカーくんが、いきなりわたしの望みを叶える可能性を持ってるんだから、とってもびっくりしているんだよ〜」


「そんなにも長い間、ここに誰も訪れなかったのはなんでなんだろうな」


 僕がここに侵入ったきっかけは、せいぜいが岩場が崩れて穴が開いたから、とシャロンと僕の合わせ技で壁に穴を開けられたから、である。

 壁の穴に関してはともかく、研究施設側にも略奪の跡がないことから、そもそも僕が初の生きている侵入者なのではないか、と思っている。


「推測だけど、第七神継研究所自体に、人避けの結界でも張ってあるんだろうね〜。

 『なんとなくこっちには近づかない気分になる』みたいなものが。オスカーくんは身に覚えがないかな〜?」


「うーん。とくには……いや」


 本当にそうか?

 あの時、何が起こったっけ。僕は3日前のことを思い出そうとする。

 両親の最期の顔が浮かんできて、再び胃液が上がってきそうになるのをこらえながら。


 僕は。僕はあの時。

 蛮族から逃げ、僕は最初、岩場を目指しーー違う。川だ。

 すぐに岩場付近をやめて川を選ぼうとした、ような気がする。

 川にすでに死体があったこと、直後に地揺れが起こったことで、無我夢中で岩場に逃げ込んだ。


 そう、岩場に逃げ込んだときは、ほぼ何も考えていなかったといって良い。

 まっすぐ走るのは、追いつかれるまでが時間の問題だったため考えないとしても、岩場に向かうことも、川に向かうことも、等しくリスクのある状態であった。

 しかし、僕は当初、岩場のほうにだけリスクが頭に駆け巡ったのを思い出す。


「あれが、思考を誘導するタイプの結界」


「推測だけどね〜」


 後からそれと指摘されないと、いや、されたとしても気づきにくい結界。

 永くにわたり、ここが閉ざされたままになっていたことの説明にはなる気がする。


 しかし、それにはまた新たな疑問が生じる。その思考誘導の結界にしても、この場の時間を歪める結界にしてもそうだ。

 これを作り上げたのは、おそらく意図してのことであろう。先ほどフリージアもそれらしいことを言っていた。

 ならば、その効力が永らく維持され続けているのは何故なのか。


 結界タイプの魔術は、ただ魔力を放出する類の魔術に比べると燃費が良い。内部で魔力を循環させることで長持ちにできるのだ。

 そのため、ただの放出では1分も保たないものであっても、結界の魔法陣でも描いて同じ効果を発動した場合、込められた魔力は同じでも、たいていの場合結界タイプのほうが5倍、つまりこの場合は5分くらいは持続するだろう。


 しかし、それにも限度がある。

 千年どころか、10日程度ですら、魔術師が頻繁に魔力を補充しないと効力を失うであろう。

 そう、魔力を補充してやれば保つとも言える。つまり、そのための魔力吸収。


「ご明察だね〜。

 予め予測していたのかな? それともシャロンちゃんの考えなのかな。両方か〜。

 この施設の動力になってる魔力は"勇者"の理論を下敷きにして、ある程度の近さまでの魔力を濾し取るような形で賄われているんだよ〜。

 それでさっきも言ったけれど、ここ数百年の魔力充満具合はなかなか異常な感じなんだよね〜。使っても使っても溜まる一方でね〜」


 この結界内部と外との時間差というものが本当かどうか、また、どれほどのものかということは、現時点ではわからない。

 しかし、僕を外に出したくない理由のひとつとしては符号しているように思う。僕の「すぐ戻る」が、ここにおいての「すぐ」である保証が全くないのだ。


「そういうこと。あとは未来永劫にわたって戻ってきてくれない確率もあったからね〜。

 まあそれはいいや。オスカーくん強化計画の話だったね」


 急な話題転換ではあるが、聞きたいことはだいたい聞けた。

 おそらく突っ込んで欲しくない部分もあるのだろう。

 今のところはフリージアと協調路線を取ることに大きな問題はない。無駄に反感を買う必要はないだろう。


 あとはフリージアの言うとおり、僕が強くなる方法と、ここからの脱出方法だ。

 脱出方法の方も、僕が強くなることと紐付いているような話し方だったが。


「ところでオスカーくんは超回復という理論を知っているかな〜。

 ーーうん、知らないみたいだね〜。オスカーくんは剣を使うんでしょう? 1日に何回くらい振れるのかな」


 またも突然の話題転換。

 おそらくどこかしらかで話は繋がるのだろうが、わからない側からすると最初はちんぷんかんぷんである。

 仕方なしに、聞かれたことには答えることとする。


「鍛錬だと1日300回ってことに決めてるよ」


「うんうん。じゃあ600回は振れないかな?」


「いや、体調にもよるけど振れるとは思う。ただ、翌日は腕も腰も使い物にならないと思うけど」


「そうだね〜。

 そうやって鍛錬をずっと続けると、だんだん600回振っても大丈夫になってくる。わかるかな〜」


「そりゃ、まあ」


 シャロンだって言っていた。力が欲しければ筋トレだ、と。

 ということは。この時間の流れがおかしい結界内で"バールのようなもの"を振り続けて強くなれ、と?


「その方法だとわたしの望みとは関係ない着地を決めそうだから却下させてもらうね〜。

 とにかく、すごく簡単に言うと、筋肉を限界近くまで傷めつけて、それを体が治すときに、ヒトは強くなるってこと。それが超回復。

 ここまで大丈夫〜?」


「ああ、大丈夫」


 永き時を"バールのようなもの"を振り続けることに費やすことにはならなさそうで、素直に胸を撫で下ろす。


「そしてこれは魔力の扱いに関しても、基本は同じなんだよ〜。

 魔力を外から取り込む力、溜め込む量、放出する力。これらは魔力を使えば使うほど、鍛えられて行くんだ〜」


 個人によって限界はあるけどね〜。と、ズレてくる眼鏡を指で位置を調整しつつフリージアは続ける。

 それはそうだろう。剣を振ることだって同じで、個人によって向き不向きや体格の違いだってある。


「この結界はもともと、わたしたちを閉じ込めるためではなくって、その鍛錬のために作られたものなんだ〜。

 だから、治癒も魔力充填も勝手にやってくれる作りになっているし、なんならここに来てから空腹感も感じていないはずだよ〜。その他にも滅菌処理とかいろいろあったはずなんだけど、詳しくは覚えてないな〜」


 そういえば、ここに来てから空腹ものどの渇きも感じていない。

 元々残り少なくなっていた水は、できるだけ摂取しないようにしていたこともあり、ある程度いつも喉は乾いていたはずなのだ。

 結界に踏み入った当初は、死んでしまったためかと思ったものだったが。


 わたしたちを閉じ込めるためではない、というのも理解はできる。

 なぜ人間しか通れないようにしたのかは、わからないままだが。


「わたしたちっていうのはーー」


「ああ。うん。オスカーくんのことじゃないよ〜。

 わたしや、他の実験体の子たち。他は皆先に逝っちゃったんだ〜」


 真っ白な部屋で、最初から彼女ひとりだけではなかったことに、ほんの少しだけ安堵する。

 ん? 真っ白な部屋?

 ”先に逝ってしまった皆”は消失してしまったということだろうか。

 フリージアが覚えていないといっていた結界の作用のうちのひとつなのだろうか。


「それで、肝心のオスカーくんを鍛える方法なんだけどね〜。

 じゃーん。この子を使いま〜す」


 またずり落ちかけていた眼鏡を外し、じゃーんという自分でつけた効果音とともに差し出してくる。


「これって、さっき言ってた神名の」


「うん。"全知"の眼鏡だよ〜。

 本当はお友達のものだから、又貸しってことになるんだけどね〜」


 フリージアの言う、お友達。結界内では2万年以上。外でも少なくとも1500年以上前の人物。

 貸与されたまま、返すべき持ち主は、もう。


「神名持ちなだけあってね〜、すっごく便利なんだけど、すっごく魔力を使うんだよね〜。

 もうね、確実に血反吐吐くと思うよ〜。

 最初にこの子を着けたときのつらさは、わたしの長すぎる人生ーー人生なのかな、もうヒトじゃないかもしれないけど、その記憶のなかの、つらかったこと第3位に入るからね〜」


 そんなモノをぽんと渡されても、という気持ちと、これで強くなれる、という気持ちがせめぎ合う。

 否。せめぎ合っているフリをしているだけだ、本当はもう決めているんだろう、僕は。


 強くなりたいんだ。


 独りにならないために。

 独りにさせないために。

 望みでも、呪いでも構わない。結果が同じなら知ったことではない。


 僕は、強くなるんだ。


「ありがとう、フリージア」


「うんうん。わたしの望みのためでもあるからね〜」


 フリージアがなぜか床に眼鏡を置く。

 拾って、と身振りされるので、その通りにして僕は眼鏡を受け取った。


 装飾もほとんどついていない、赤い縁の眼鏡。

 触り心地は、研究施設の機材にあった、つるつるしているものに似ている。

 この眼鏡もフリージアとともに長すぎる年月を過ごしてきたであろうに、使用感はあるものの綺麗な状態を保っている。


「すっごく魔力を使うけれど、それはこの結界に満ちている魔力がどんどん補充されるから、心配しないでいいよ〜。

 それとすっごく痛いし苦しいけど、わたしも補助をしてあげるから、がんばってね〜」


 痛いのも、苦しいのも、嫌だ。好きではない。たいていの人はそうだと思うし、もちろん僕だってそうだ。


 でも、力がなくて嗚咽を漏らすことになるのは、もう嫌だ。

 独りで逃げ去るようなことになるのは、もっと嫌だ。


 おそらく、もう二度とそんなことは出来ない。

 その場でともに戦って死ぬことを選ぶだろう。きっと僕の心が耐えられないと思うので。


 たぶん、シャロンは怒るし悲しむだろう。

 しかし、怒られても悲しまれても。独りで生き延びるより、ともに戦って死ぬ方を選ぶだろう。


 そして、それよりもともに戦って二人とも生き残るほうが良い。良いに決まっている。


 そのために必要なのは、力だ。

 戦うための力だ。ともに生き延びるための、力が必要なんだ。


「わかった。

 フリージア、よろしく頼む」


「任されたよ〜。馴染むまでの話し相手も引き受けるよ〜。たぶん動けないし。

 って、ああ、座るか、寝転んでからのほうがいいよ、倒れるから。100%倒れちゃうから」


 フリージアはその場にちょこんと腰をおろし、自分のそばの地面をぽんぽんと叩く。

 ここへ座れ、ということか。

 ふりふりのついたスカートから伸びる生足を見ないようにしながら、フリージアのすぐ側に腰をおろした。


「おっぱいだけじゃなくて脚も好きなの〜?

 思春期だね〜」


「ほんとそういうの勘弁してください」


 "全知"の眼鏡は僕の手の中にあるのに、何故僕の考えが筒抜けになっているのか。

 これはもしかして"全知"の力ではなく、女の子が独自で持っている嗅覚のようなものだとでもいうのだろうか。

 そういえばシャロンも僕が見惚れているときにわざわざ際どい格好をしたりしていたようなフシがーーまさか今まで全部見透かされていたのだとしたら。

 そうなると、最初に会ったとき、名前をつけたとき、僕に仕えると言ったとき、ハクイを披露したとき、暗がりで突然抱きついてきたとき、髪を撫でたらはにかんでくれたとき、身体を拭いてもらったとき、ほかにもたくさん。僕がぐらっとなった瞬間があったが、あれら全てがバレていたとすれば。なんでもない、みたいな風を装っていた分まで含めて滑稽な僕のアレがソレでうぁぁああああああ、次に会ったときにどういう顔をすればーー


「ごめんごめん〜。

 そんなに考え込んじゃうとは思わなかったよ、いろいろ複雑なんだね〜。

 がんばれ、男の子〜」


 若干引いているっぽいフリージアであるが、元はといえば原因は彼女にある。


 しかし、不貞腐れていても仕方がない。

 フリージアが見つめるなか、僕は手元の眼鏡に視線を落とす。


 痛いし苦しむことになるらしいが、これで力が手に入る。

 どの程度のものかはわからない。しかし、少なくとも今の自分よりは強くなる。強くなるんだ。


 そうして。ひと思いに眼鏡を装着した。


 その瞬間。


 世界がぐにゃりと歪んだ。


 白い部屋は色を、形を変じさせる。


《視覚操作・幻覚》


 見えている、いや、なにが。

 白い、いや、違う。


 僕の目や鼻、口からドロっとしたなにかがドロっとしたなにドロっと吐き出


「……グボッ……ぅっ……グバはッガッはぁ! うボァッああ。ああぁあ。あッあああああああーー!!!!」


 吹き出る


 突き刺される


 なにが


 ぶちぶちぶちぶち


 なにか 切れてる?


 ぼくが


 なに


《視覚操作・幻覚》


 しろいへやと、灰色と赤黒とのへやが重なって見えている。


「シャ……ン」


 手を伸ばす


 誰に


 なにを


 よこたわり、なにかをはきだす


「ヴぉ……ッグバぁゥッ…ぁああぁぅあ」


 涎、涙、血、命


 こぼれているのはなんだ


 はきだして。なおって。はきだして。なおされて。


「目」


 目が。


 目が、めが、めが、目が、


「…ん……て〜。

 はちじゅっぱー……とくらい…いきのこれる…ら〜」


 だれか なにか いう


 だれに ぼくに なに わからない


「………ジあ」


 ふりーじあ


《視覚操作・幻覚》


 そこに いるのは おんな ではない


 すわったしせい の ほね


「……えたかな〜。

 ……しのほんとうの……」


《視覚操作・幻覚 使用者:フリージア = ラインゴット》

《フリージア = ラインゴット "夢見" "不滅" 魔術 言語理解》


《結界・錬磨空間狩魔》


《シャロン》


 ほねが。


 ぼくをみおろしている。


 りかいする。これは、ふりーじあ だ。


 なぜって。すべてのことがぼくには"視"えていルるるるるる


「しゃろん」


 そのひとの名を よぶ。


 そとから かべを たたく かのじょに。


「ぼくは」


 ぼくは だいじょ


「グバッああぅゎぁァアアァあ!? ああaAAAあえぁあ」


 ちから てにいれるから


 だから


「シャロン」


 きみは わらって


 明滅する。氾濫する。混濁する。すべて全てスベテが白と黒とぐちゃぐちゃのぐちゃぐちゃにナル


「……すみ〜」


 なにか いま きこ


 ブツーー。

 ーー。

 ーー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ