コスモ
愛くるしい、母星を探すユーフォー
数秒も眺める暇なく
手を伸ばす黒い宇宙たちに吸い込まれてった
だれかが真空で祝福された
黒の陰からそれを見つめてた
だれもが君を愛している、らしい
君の名前を吠える、名前のない声
それが毒入りだったとしても、
虚しさの塊だったとしても、
脂ぎってて理不尽な拳だったとしても、
君はそれを受け止める
ドブ色の絵の具塗られて
くさくったって
微笑んで
背筋のばして
僕は骨が痒くなる
誰もが君を愛しているなんて嘘だと
喉の奥にひっかかって息ができない
誰かが君に助けられた
って言ったって
君が救われるとは思えない
嬉しさなんて麻薬だ
ねえ
あまったるい夢なんだよ
キマッちゃった奴が君を神だと言うけれど
それがもしも本当だとしたらさ
なぜ僕を救わないのかって
君を恨むよ
君の息とへたくそな声
汗の染みた美しい五線譜
所詮機械の主旋律
背徳的な甘美
いつしか、君の声を聴かなくなった
もう十分に老いただろうと鼻で笑った
指紋がべたべたの録音テープは聞きたくなかった
僕はもう、宇宙の匂いを忘れたし、
宇宙はもう、僕に見向きもしない
ときどき街で君の声が聞こえる
放たれた音符の矢を
気付いたら追ってる
そうして「つまらない」と唾を吐く
昔から、薄々気づいてたけど
燻された銀の十字架みたいな曲だって
弦と線が重なった天の川に似てるから
気付かないだけで
君は最後まで僕に気付かなかったね
まあ、これは気にしてない
でも
その神の声とやらで僕を救わず
ぺらぺらの数字を救いだしたことは
赦さないからな
はあ
それでも、君を愛してたよ
自分で書いておいてなんですけど、なんてキモイ詩だ(笑)