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青
たたずむ
白い陶器の陰にいる青
さみしそうな青絵の具
ひんやりとした白い砂丘のてっぺんで
青が身を焦がしている
つるつるとした白いこおりにこびりついて
青が声なく死にかけている
日差しがあぶくを溶かそうとふりそそいでる
魔女の虹色した風船さえ、青をおいて消える
洗い流してもらえなかったの
みんなといっしょに下水道の渦へ飛び込めなかったの
(大丈夫。きっと誰のせいでもないんじゃない?)
だれも青の姿など見えないさ
みえているのに見ないのさ
(あぁ、かわいそ)
眠りもなく
死もなく
青はあのとき勇気をださなかったばっかりに
いまもひとりで炎に凍えているんだ