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こえ/ねこ
/ こえ
耳をふさいでみた
なにも聞こえなくなった
きみがぼくに何をいっているのか
ほほを茹でだこにして
くちを三日月にして
めを湖にして
しずかで、ここちよかった
きみが満月になるように、枝毛のある髪をさがすだけでよかった
しかしぼくは
きみをだきかかえなければ、いけなかったから
しぶしぶ
耳から手をはなすと
とてもうるさかった
あたまがくらくら
空気が小声でぼくの悪口をいった
/ ねこ
こちらを見つめる満月の中の黒いぼーる
もそもその、でっぷり白ひげの下から、お肉のはなびらがでていますよ
またしまいわすれ、おじょうさん
ちろちろと触ったって
ゆっくりに言ったって
きょとんとしてる子