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ペア

ぼくはいさぎよくきみにくちづけする


鼓膜と

心臓の底が

ふるえる


ど(ど)ど(ど)ど(ど)


ぼくときみがつながって、はげしく息をするだけ

下がらない幕がないのを忘れて

だれかのくしゃみもきこえない

ふるえながらなぞる水玉


ぷうるぷる

きかきかき

とうとうと


糸が小指にからまるけれど

きみはおくびにもださないでいて


きみが幾重にもかさねた声の

さいごのうすい一枚をおいたとき

ああ、あのとき

なまぬるいかぼちゃの拍手が見えた

ぼくにはきこえなかった

つかれた足と、はげしい呼吸がぼくのすべてだった

きみもそうだったと言ってくれ



まだきみはあのベルベッドにくるまれている?

頭はあるか 指は欠けていないかな

メトロノームはいま、なに色?


ぼくは海の底だ

藍色が骨までしみてたまったもんじゃない

ゆびを踊らせたって、白い砂が霧になるだけ


はるか頭のうえ

おおきな船が通るたび

きみと

こえを

おもいだすよ


暗闇のなか

錆びついた耳をすませて


なつかしく

よくひびく


とお、とお、とお

とお、


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