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終わる世界に咲く世界  作者: アキノリ@Pokkey11.1
第一章
1/1

1、破滅する世界

.....。

☆(???)サイド☆


私は引退したいと思っていたから丁度良かった気がする。

考えながら私は預金残高を見つめる。

そこには20億円と書かれている。

これは私が生涯で儲けた数値に近い。


イッチーの付き合っている女が.....風の噂だが浮気したと聞いた。

クソアマが。

私は全てが分かってからすぐにアイドル活動を停止した。

そして引退する事にしたのだが。


周りからまだ続ける様に言われたが知った事ではない。

人気なんてこんなものだ。

そもそもアイドルをしようと思ったのはイッチーを探す為だ。

だから私にとってアイドルとは薄情な存在で良いのだ。


「イッチー。待っててね。私が.....貴方を幸せにしてみせる」


そんな事を言いながら私は事務所のドアを閉めた。

そしてロッカールームに全てを捨ててからそのままドアを閉める。

それから階段を駆け出して行った。


☆(一ノ瀬ヤマキ)サイド☆


今年の9月。

俺の彼女が浮気した。

というか自らで肉棒をしゃぶりに行ったのだ。

これが浮気でなければ何なのだ?


SNSから探して.....そして頑張った甲斐がこれか。

俺はあまりの事に絶望しながらクラスで項垂れる。

すると友人の須賀謙也すがけんやが「大丈夫か」と聞いてきた。


短めの黒髪に少しだけ色黒の男子生徒。

サッカー部の人間だ。

俺はそんな須賀に「大丈夫じゃないな。.....胸が苦しい」と告白する。

須賀は「だろうな。しかし.....裏垢とか外道じゃね?」と言う。


「須賀。お前は優しいな」

「.....まあ.....俺も彼女と別れたばっかだからな。.....お前の気持ちは死ぬほど分かるから」

「本当に外道だよな.....信じられない」

「.....別の女を見つけたらどうだ。お前も浮気して良いって事だぞ」

「それは確かにな。絶対に浮気するよ」


中路苑香なかみちそのか

物凄い美少女でありクソ野郎である。

俺の彼女で浮気した野郎。

絶対に絶対に許さない。

そしてもう2度と恋なんかしない。


「そういや今日転校生が来るんだったな」

「メッチャな美少女.....らしいな?」

「いや。それが.....」


そこまで言ってからチャイムが鳴って須賀は「あ。すまん。話は後でな」と去る。

そして直ぐにドアが開いて担任の教師が入って来た。

無精髭の男の横長。


それから横長は俺達を見渡してから「うん。うん。じゃあまあ。入ってくれ」と促してからそのまま横を見る。

そうしてから入って来た生徒は.....見た事のある顔だった。

いや。


「え!?遠山佐奈子!!!!?」

「日本中で有名なアイドルの!?この前引退とかって聞いたけど.....え!?」


という感じで唖然とする周り。

あまりの美少女に息を呑むクラスメイト。

クラスが固まった。

俺も驚きながらその姿を見てみる。


「初めまして。遠山佐奈子とおやまさなこです」

「.....という事でメッチャ有名なアイドルクラスメイトができるぞ」

「あはは。先生ったら」


遠山佐奈子。

超有名なアイドルグループのスタートレインのボーカル兼.....センター。

メチャクチャ有名だ。


というか美少女すぎて有名。

化粧をしてないと思われる白のキャンバスの肌。

それから少しだけピンクの頬。


顔がメッチャ小さい。

だが目が大きく唇もキュッと結ばれている。

俺も横を見てからの須賀も唖然としていると遠山佐奈子は俺を見た。

そして「んじゃ遠山の席は」と言った瞬間に俺に駆け寄って来る遠山。


「.....え?」

「久しぶり。イッチー」

「.....!?」

「私の事覚えてる?.....旧姓は鴨川だったよ」

「.....え!?お前.....」


そんな言葉を言いながらの遠山。

酷く唖然とする俺。

そしてあんぐりと口が開く。

その中で遠山は唇に人差し指を添えながら壇上にまるでアイドルの様に戻って行く。

それから俺達を見る。


「という事で遠山だが.....席はどうする?」

「それは勿論.....イッチーの横で」

「はっはっは。一ノ瀬にこんな彼女が居るなんてな。日本中で有名なアイドルだぞ。大切にしろ」


と高笑いしながら言ってくるが.....あの.....ガリ勉だった頃よりも輝いているんだが。

丸メガネしてないし。

どうなっているのだ.....と思いながら俺は愕然としながら鴨川.....佐奈子を見る。

鴨川佐奈子はニコッとしながら俺を見ていた。

そして駆け寄って来る。


「イッチーの横ゲット」

「.....お前.....教室が唖然としているから」

「え?私は全く気にならないよ?それよりも.....」


何を考えているのか佐奈子は俺の耳に近付いた。

それから息をかけてくる様に話す。

「離れ離れだった分.....イチャイチャしたいな」という感じでだ。


教室が固まる中俺は愕然としながら佐奈子を見る。

佐奈子は柔和な顔をしながら.....見ている。

というか佐奈子から何か恐ろしい気配を感じたが気のせいか?

ゾッとする様な感じの気配だが.....。

.....。

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