風を望まず
物語がこうでは、困りますが(汗)
散らせた花片と
剥がした屋根とを舞いあげる
対岸の火事よりまだ遠い風景は
四角い枠のなか
へらへら笑って そいつを見てるのが
おれだなんていうのも それほど愉快でもないが
心を痛める毎日に
生きてることを思い知るってんのも
ずいぶん 苦すぎる良薬だぜ
おれとしちゃ 四角い枠のこっちで
吹かない風を ただ ありがたがってたい
そんなもんだよな 恥じることもなく
刻んだ紙吹雪
剥がれた金メッキが舞い踊る
壇上の歌劇より ゆかりのない光景は
固く組まれた枠のなか
腰を浮かせて そいつに飛びこもうとするのが
やつだとしたのなら そいつは穏やかじゃないね
心を躍らす毎日に
生きてることを噛み締めるってのも
そうとう 甘すぎる美酒だろうぜ
おれとしちゃ 固く組まれた枠の外で
吹かない風を ただ 羨んですごしてたい
そんなもんだけど がっかりさせたか?