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俺は普通の高校生なので、  作者: 雨ノ千雨
3章 俺は普通の高校生なので、帰還勇者なんて知らない
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断章 fragment films ②


土壁に挟まれた路地 泥を踏んで


踊るような緋色の後ろ髪を追う



角を曲がると



アスファルトの端 並んで歩いた歩道


隣の少女が垂らした二つの三つ編み


黒猫の尾を探す



立ち止まると



割れた食卓 向かいに座るのはおさげの少女


さもしい食事に涙する



零れた涙がテーブルに落ちる


水面を揺らすように風景が歪む



目の前のテーブルが豪奢に


庭園の中でお茶の湯気がたつ


向かいに座るのは金髪の若く美しい男



柔らかく微笑んだ彼の瞳には


捻くれた少年の不機嫌顔が映っていた



空間をゆらゆらと曖昧にする湯気の先へ


少年は正しさを問いかけた――



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― 新着の感想 ―
「夢と記憶」が文中に絶妙に散りばめられ、見事に連携している描写は本当に素晴らしいです。最新話で改めて「夢の懸け橋」を思い出させられ、まさかここまで伏線が張られていたとは…これからも続いていくのでしょう…
昨日読み終わった後、なかなかコメントを書き込む時間が取れなくてすみませんでした… ふう、また僕の大好きなフラグメントフィルムでした。昨日の話は意識の流れと詩と散文が混ざったような書き方で、読者仲間と…
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