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俺は普通の高校生なので、  作者: 雨ノ千雨
2章 俺は普通の高校生なので、バイト先で偶然出逢わない
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2章34 零ノ捌キ~Eighth note beats feel FREE to DEATH~ ②


 ポロポロと涙を溢しながらエルフィーネが訴えかけてくる。



 彼女が普段口にする小言はコミュニケーション代わりのようなもので、半ば形骸化している。


 だから、いつもは本当に強く要求してくることはない。



 しかし、それは何も思っていないわけでもなければ、許しているわけでもない。


 ただ、我慢をしているだけだ。



 その我慢は当然有限であり、限界を迎えればこういうことになる。



――足を洗ってほしかった



 彼女はそう言った。



 彼女が死んでからのことなのか――


 それともこっちの世界に戻ってからのことなのか――



――それはわからない。



 だけど。


 きっと彼女はずっとそう思い続けていて、だけど言わずにずっと抱え込んでいたのだろう。


 それを弥堂はこの時に知った。



『せっかく、元の世界に戻ってこられたのです……。わたしたちが奪ってしまった……。本来あなたが送るはずだった……あなたの普通の生活……。それに戻れたのに……っ』



 奪った側が言うのかよ――


 そんな言葉が真っ先に思いついたが、弥堂は唇を絞めて声には出さない。



 昔からそうだ。


 彼女が泣いている間だけは立場を逆転。


 その間だけは弥堂が我慢をする側になる。


 二人でそう決めたわけではないが、そうなっていた。



「……運が無かったのさ」



 だから、どうでもいい言葉をとりあえず言っておく。


 しかしそれは逆効果だったようで、彼女の感情を余計に逆撫でした。



『運ではありません……! あなたは結局、自分で……』


「神さまがそう創ったんだろ」


『違います! やろうと思えば、普通の生活も出来たはずです……っ!』


「無理だろ」


『出来るまでやれば出来るのです……! あなたにだって……、出来るんです……っ!』



 そこでまた彼女は一度声を詰まらせる。


 弥堂は「勘弁してくれよ」という言葉を呑み込んだ。



『……わたしは――』



 エルフィーネはさらに大粒となった涙を落としながら先を続ける。



『――あなたが、この世界の普通の子たちに、馴染めなくても……っ。それでも……っ。あなたが普通の子たちと一緒に、教室に通っている姿が見れて……、わたしは、うれしかった……』


「…………っ」



 その言葉には反論したいことが一瞬で溢れかえる。


 だが、唇を噛んで、弥堂は何も言わなかった。



『上手に出来なくても……っ。それでも他の人たちと一緒に、この世界の“普通”に戻って欲しかったです……っ! 時間がかかっても……、続けていればきっといつかは……っ!』



 それは無理だ。


 毎日無理だと思っていて、最近はより強くそう思うようになった。


 その挙句がこのザマだ。



 人間ごっこを続けていても、どうせ辿り着くのはこんな戦場だ。


 人間モドキの成れの果てではなく、最初から人殺しのクソッタレなのだ。



 身体や魂をこの世界に戻せたとしても、時間だけは戻せなかったからだ。



 もうそういうカタチで『魂の設計図』は完成してしまっている。



 弥堂の頭の中ではそんな考えが巡っている。



 それは本音か、言い訳か、愚痴か――


 いずれにせよ、そのどれもを、彼女に聞いてもらいたいとは思えなかった。




『こちらへ一緒に渡ってきて……、あなたの生まれた世界を見て。わたしたちがあなたから何を奪ってしまったのか』


「奪ったのはイカレ女だ。お前のせいじゃない」


『……私はそうは思えません! ですが……、そうだったとしても。それでもこの世界で生まれたあなたを変えてしまった。私もその一因であることは、間違いありません……っ!』



 エルフィーネは以前から、このことに拘った。


 弥堂の人としての在り様を変えてしまった――と。



 言われるたびに否定しているのだが、彼女は納得しない。


 弥堂自身は言葉どおり、エルフィーネによって何かを壊されたり奪われたりしたモノがあるとは思っていない。


 むしろ彼女は与えてくれた人だと思っている。



 弥堂はあの異世界の殆どのモノを憎んでいるが、特に怨んではいない。


 例外があるとしたらセラスフィリアだけだ。


 あの女は確かに自分から全てを奪ったし、自分を変貌させたし、怨んでいる。


 感情のみで殺したいと思ったのは彼女だけで、そう思い続けた――思い続けている只一人の女だ。



 だからエルフィーネのことは一切怨んでいないし、そうでなければ恋人になったりもしない。


 だけど言っても彼女が受け入れないことは知っているので、それ以上は否定しなかった。



 そうであるから――


 だから――


 もしも――



「――俺が……、俺に、何か変わったものがあるのだとしたら……」



 濡れた瞳で見上げてくる彼女の顔を眼に映しながら――



「……それはお前が――」


『(――やめとけよ。そりゃあダサすぎんぜ? クソガキ)』


「――っ⁉」



 突如頭の中に直接聴こえた声に弥堂はハッとする。


 ルビアの声だった。



(わかってるよ……)


『……?』



 今のルビアの声はエルフィーネには聴こえていなかったようで、途中で言葉を切った弥堂の顔を見ながら不思議そうに首を傾げている。


 弥堂は言葉にしないようにしてルビアに感謝を思い、そしてエルフィーネへの言葉の続きは口にすることをやめた。


 言っても意味が無いし、また言うべきことでもないからだ。



 だから今ここに在る出来事について口にする。



「だが、そうか……」


『……なんですか?』



 明らかに弥堂の語り口が変わったことに気付きながら、エルフィーネは言及しない。


 この二人はずっと、こうだった。



「――だから。お前はこないだの悪魔どもとの戦いの時には、出てこなかったのか」


『…………』



 責めることよりも責められることに慣れている。


 彼女の人生はそればかりだったし、それだけのままで終わってしまった。


 だからそれはある意味楽なことでもあり、だから受け入れる。



『……可哀想だとは思います。でも、それでも……、私には貴方の方が大事ですから……』


「そうか」



 だが弥堂はそれを聞くだけで、知るだけで――それで終わりだ。


 信じることも、疑うこともせず。


 また慰めることも、暴くこともしない。


 それが何よりの苦痛となることを知らない。



『……すみません』


「別に」



 そして彼女はまた、諦めた。



 涙の失せた顔で問う。



『貴方は、やはりあの子を守るのですか?』


「約束しちまったしな。それに――そうすると決めた。決めたことはやる。必ず。何があっても、どんなことをしても。ずっと、そうだろ?」



 エルフィーネは悲しそうな顔で笑った。



『変わらないんですね』


「変われないのさ」



 弥堂はもうそれを悲しいことだと感じられない。


 そういう風に出来ている。



 そのように完成させたのは――自分自身だ。



『――でも、きっと……、そうだから……勇者の力がもう……』


「誰が寄こしたのかもわからねえモンに執着はねえよ。あいつは――水無瀬は、俺に目的をくれた。それで全てに十分だ。理由には足りてる」


『ですが……っ。それでは、セラスフィリア様の時と――』


「――変われないって、言っただろ」


『――……っ!』



 エルフィーネは唇を噛んで、そして頭を振った。


 一度俯いてからもう一度顔を上げた時には、いつもの無表情に戻っている。



『――わかりました。でも、それでしたらなおのこと、この場は撤退するのが最善です』



 生きていた時と同じように、深い悲しみを裡の奥の方へと秘め、戦いのことへと自身を向けた。



『ここでの勝敗は、マナの生死を直接には左右しません。有利になるか不利になるかだけ。その後貴方が居なくなることはリスクが勝ります。もしも仕事の成否を気にしているのなら、博士を連れて清祓課に――』


「――それだけじゃ足りないな」



 弥堂は彼女の言うことに「尤もだな」と思いながら、しかし拒否をする。



『何故倒すことに拘るのです。これは殺しの仕事ではないです』



 それも正しい。


 弥堂も異世界に居た時にはそう考えただろうし、今でもそうだと思う。


 だが――



「――ナメられるわけにはいかないからだ」


『それは、誰に、です?』


「全部だよ」


『答えなさい』



 冷たい彼女の目に、嘆息して肩を竦める。



「守るのなら――な」


『……あなたはバカです』



 頭痛を堪えるようにエルフィーネは顔を下げ、そして彼女も嘆息した。



『でしたら、自爆戦法はやめなさい。こっちの世界は、向こうよりも死に辛い』


「変な言葉だな。まぁ……、その通りだが」



 弥堂は思わず苦笑いをしてしまう。


 そのあまりのどうしようもなさに。



 じゃあどうするかと、死霊(レイス)の方へ視線を向けた時――



「――あーあ……」



――亡霊と眼があってしまった。



 レイスは弥堂へ目を向けて一瞬放心したように固まる。


 しかしすぐに、驚き、妬み、憎しみと――


 順番に表情を変えて歯を剥いた。



 そして、女の悲鳴のような金切り声で絶叫をした。



『イヌのカタチの顔で人間のような表情をされると、不思議な感覚がしますね』

「戦場でいつまでもモタモタしていれば、そりゃそうだよな」



 まるで他人事のように中身のない会話をしていると、霊体化した大きなイヌの頭は人狼の肉体を置いて弥堂に飛び掛かってきた。


 それは弥堂の想定していた以上の速度で、横に転がって躱したがギリギリのタイミングとなってしまう。


 すぐに体勢を立て直す。



「……っ! ほら、結局こうなるんだ。これも神のお導きか?」


『不敬です。殺しますよ? 貴方の行いのせいです』


「違うね。運がなかったのさ――」



 勝ち筋を見出す前に、再びレイスとの戦いに身を投じることになってしまった。



 レイスはもう一度弥堂に襲いかかろうと、目線を強める。


 だが、その直前――



「――撃ちなさいッ!」



 ミラーの指示が飛び、レイスの離れた人狼の肉体に集中砲火が行われた。


 魔力障壁がなくなったことで、銃弾が命中するようになったようだ。



 しかし、魔物としての強固さが健在なようで、即座にミンチにすることは敵わない。


 毛皮に防がれてはいるようが、それでも少しずつは肉体が損傷し、ダメージが入っているようにも見えた。



 その証拠にレイスが表情を変える。


 慌てて悲鳴を上げながら肉体の方へと急行した。



「無理はしないで退きなさい……!」



 するとミラーは狙われたチームを下げて、先程の様に別チームに攻撃をさせる。


 その傍ら――


 ミラーはチラリと弥堂の方へ横目を向けた。



「マッドドッグ……? まだ戦えるというの……?」



 驚きの目は、弥堂の右腕を写したところで怪訝なモノに変わる。



「腕が……? どういうこと……?」



 失ったはずの腕が戻っている。


 しかし深く考える余裕までは無い。


 霊体に襲われれば、決定的な対抗手段がないのは“G.H.O.S.T(ゴースト)”も同じだ。


 すぐに劣勢になり、攻撃も消極的なものになる。



 “G.H.O.S.T(ゴースト)”の銃撃が止んだタイミングで、弥堂は拳銃を向けた。


 その銃口の先は人狼ではなく、霊体の方だ。



 効かないことはわかった上で、わざとイヌの霊体を狙って引き金を引く。


 放たれた弾丸はやはり霊体を通り抜けただけだ。


 しかし、それを挑発と受け取ったようで、レイスの顔がまた弥堂の方へと向いた。



 弥堂は拳銃を放り捨て、両腕を開いて自身を強調する。



「見ろ。俺を見ろよ。これがお前の求めていたモノだ。これが完全なる永遠だ。跪けよ出来損ないめ――」



 その言葉にレイスは発狂した。


 これまで以上の絶叫を上げる。



 弥堂は「ふん」と鼻を鳴らし、エルフィーネは『はぁ』と溜息を吐いた。



『貴方は本当に怒らせるのは上手いですね。適当にその場の思い付きでバカにしているだけなのに、何故か相手の心を一番抉ることを言う』


「心外だな。まるで俺の性格が悪いみたいだ」

『そう言っているんです』


「仮にそうだとしたら、それはお前らのせいだ」

『なんですって?』


「俺をこうしたのはお前らだ。だから俺は悪くない」

『……さっきと言っていることが……、本当に都合のいい……』



 エルフィーネが失望を浮かべた時、レイスがまた弥堂へ飛び掛かってきた。



「――っ⁉ くそ……、速いな……!」



 反応が出来ないという程ではないが、簡単に躱せるものでもない。


 相手が不定形な霊体でサイズも大きいことから、弥堂はある程度のマージンをもって回避せざるを得ない。


 掠っただけでまた魔力を吸われてしまうからだ。



 だが、弥堂が狙いを引き付けたおかげで“G.H.O.S.T(ゴースト)”たちには余裕が生まれる。


 再び人狼への射撃を開始した。


 しかし、今度は魔力障壁を強化して置いてきたのか、銃弾は全て阻まれてしまう。



 レイスは大きな悲鳴を撒き散らして人間の動きを鈍らせ、霊体の蛇に隊員たちを襲わせた。


 何名かの隊員が捕まってしまう。


 レイスはすぐにマナドレインを開始した。



 その様子を視て、弥堂は「しめた」と走り出す。


 向かった先は、蛇が人々を襲う真っ只中だ――



「なにを――」


『ユウキ――ッ!』



 その行動にミラーは不審な目を向け、そしてエルフィーネは制止の声を上げた。



 走る弥堂を狙ってレイスが飛び掛かる。



「【falso(ファルソ) héroe(エロエ)】――」



 弥堂は『世界』から自分を引き剥がし、レイスの突進を躱した。



 弥堂が居た地点を通り抜けた先にいた“G.H.O.S.T(ゴースト)”の隊員たちがレイスの大きな口に食べられた。


 みるみる内に生命力を吸われて枯れた老人のようになり絶命する。



 そして弥堂が姿を現したのは、蛇に絡みつかれる隊員の傍だ。



“た、たすけ……”


「あぁ。今楽にしてやる――」



 救出を期待した眼差しに返すのは冷たい刃――


 弥堂は黒鉄のナイフをその隊員の首に突き刺し、速やかに生命を奪った。



「――な、なにを……⁉」



 驚いたのはミラーを始めとする人間たちだけではない。


 意味不明な弥堂の行動にレイスも驚きを浮かべていた。



 その隙に、弥堂は他の捕まった隊員たちも次々に殺していく。


 獲物を奪われた蛇たちが襲いかかってくるが、回避に専念しながら他の無事なままの隊員たちへと近づいていく。


 そうすると霊体の蛇たちは隊員たちを襲い始めた。



 戦場にまた人々の混乱と嘆きの悲鳴が増えていく。



「や、やめなさい! マッドドッグ……ッ!」


「捕まったマヌケは殺さないと、ヤツに魔力を与えることになる」



 ミラーの制止を無視して、弥堂がまた蛇に生命力を吸われる隊員をナイフで狙った時――



 レイスが絶叫しながら突っ込んできた。



「【falso(ファルソ) héroe(エロエ)】――」



 弥堂はギリギリまで引き付けてからまた姿を消す。


 無理をしての連続使用ではそう何秒も消えていられない。


 だが目的地はすぐそこ――十分だ。



 弥堂に狙われていた隊員がレイスの突進を受けたのとほぼ同時――


 手薄になった人狼のすぐ傍に弥堂は現れた。



 肉体に拳を押し当てて、爪先を捻る直前――



『――アアアァァァアァァァアァァァーーーッ!』



 ヤケクソのような怒りを叫んで、レイスは弥堂へ氷の矢を放った。



「ちっ――」



 零衝を中断し、弥堂は人狼から離れる。



「ほら魔力が減ったぞ。補充しなくていいのか?」



 おちょくるように言葉を投げかけると、レイスは歯噛みしながら蛇を隊員へと向けた。


 しかし、そうすると捕まった者を弥堂が殺し始める。



 そこへレイスが突進をしかけて人狼から離れると、弥堂はまた【falso(ファルソ) héroe(エロエ)】を使ってそっちを狙う。


 蛇を弥堂に差し向けても“G.H.O.S.T(ゴースト)”の隊員を上手く盾にされてしまい、そこからはまた繰り返しだ。



 あっという間に“G.H.O.S.T(ゴースト)”の戦力は減っていき、そして魔力の供給源を削られたレイスも余裕を失っていく。



 レイスは今度は魔術を乱射して、弥堂を人狼や“G.H.O.S.T(ゴースト)”たちの近くから追い払った。


 弥堂がそれを躱していくとやがて少し距離が空く。



 弥堂は直立し、向き直る。



 その身体が向く先は人狼ではなく、“G.H.O.S.T(ゴースト)”の隊員が居る方向だ。


 殺人者へ恐怖の目を向ける人間たちの前に死霊が立ち塞がり弥堂を威嚇する。



『こんなことをすれば、怨まれ憎まれます……』


「だろうな」



 エルフィーネに適当な言葉を返しながら弥堂は魔力の残量と身体強化の出力を調整する。


 蒼銀の光を灯す魔眼で死霊を視た。



 レイスの顔には何かが浮かんでいる。


 それはその魂にも表れる。



 戦場には不思議な構図が出来上がっていた。



 魔物が――死霊が、まるで弥堂からニンゲンを守るために立ち塞がっている。



「おい、お前なにしてる――?」



 弥堂に問われ、レイスはその霊体をビクっと揺らした。



「お前は死を誘う亡霊だろ? 何故人を守る? 何故死を拒む? 矛盾していないか?」



 重ねられた詰問に、レイスはその表情に明らかな不安を表す。



「違うだろ。お前の魂の意味はそうじゃないだろ。お前は『何』だ?」



 存在の意味を問うと、レイスの霊体がグニャッと歪んですぐに元に戻る。


 だが、明らかに――



「――揺らいだな?」



 死霊は一瞬とはいえ、確かにその魂の意味を見失い、存在を揺らがせた。


 己の在り様に確信を失くし、魂の強度を低下させたのだ。



 だが、それでも己を保つのに魔力が必要な以上、レイスは弥堂からニンゲンを守るしかない。



「どっちが化け物なのかわからねえな」



 そう嘯きながら黒いナイフの刃を見せつけてやると、レイスは己の意味を確かめるようにまた謳いだす。



「お前は下手くそだ。そんなに苦しいのなら、俺が殺してやる――」



 弥堂はナイフを片手に走りだした。




 ホンモノの死神は、『死』について『哭き』もしなければ『嗤い』もしない。


 ただ淡々と、作業的に、『世界』に『死』を撒き散らすだけだ。



『ユウキ……、これではまた……』



 死んだ女が、遺してきた男の『生』に泣いた。


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