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三国志の関興に転生してしまった  作者: タツノスケ
第五部・学園離騒編
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108.湯浴み

オレと(しん)(らく)を乗せた馬車は、途中、()妃の屋敷に立ち寄った。


一言あいつに文句を言ってやらなければ気がすまない。

あんたがくだらないことを思いついて舞ちゃんを(そそのか)すから、オレが多大な迷惑を被っただろーが!!、と。

しかし先手を打った()妃に封じられた。


「お帰り~秦朗、待ってたわよ!ささっ、まずはひとっ風呂浴びて旅の疲れを癒さないと」


ちょっと待て。ここって男子禁制じゃないのか?


「ひどいわ!曹丞相の寵愛が衰え後宮の奥座敷を追われたお母様の傷口に、塩を塗り込むような暴言を吐くなんて……」


と言ってシクシク泣く。


「あ、ごめん。母上、オレはそんな事情とは知らず……」


「ぐすん。秦朗がお母様と一緒にお風呂に入りたいって言うなら許してあげる」


なんだ、嘘泣きか。オレは呆れて、


「断るッ」


「もうっ、ツレないんだから!曹林なんて喜んで一緒に入ってくれるのに」


えっ?アイツ(←曹林。秦朗に瓜二つの双子の兄)10歳にもなって、まだ母上と一緒に風呂に入ってるのか?


「だから秦朗のアレの大きさもまだ毛が生えてないことも知ってるもーん」


やーめーろー!恥ずいだろーが!

やれやれと怒る気力も失せたオレが男湯に向かうと、鄧艾が先に風呂に入っていた。


「あっ、若!いい湯加減ですよ」


「……おまえ、ご主人様より先に湯浴みするとはいい度胸だな」


「まあまあ、若の背中を流してあげますんで」


と言いながら上がった鄧艾は、石鹸を泡立てタオルでオレの背中をゴシゴシと洗う。


「若って意外といい身体してますね。けっこう鍛えてるんだ」


「おまえや甘寧ほどじゃないさ」


その時、壁を隔てた女湯から、舞ちゃんと(しん)(らく)()妃のきゃっきゃっ騒ぐ声が漏れ聞こえて来る。


(うわぁ、()妃様の胸って大っきいー。メロンみたい)


(やめてよぉ。もうオバさんよ)


(えー10歳になる興ちゃんのお母様だなんて信じられないくらい、若いじゃないですか!私、最初聞いた時、絶対ウソだと思いましたもん)


(うふふ、お世辞でも嬉しいわ。だけど舞ちゃんや洛ちゃんみたいな玉のような白い肌が羨ましいわぁ。プルンプルンの餅肌ね!どれ、少し触らせて)


(ちょっと()妃様、手つきがいやらしいです。アンッ!)


(いいじゃない、女同士なんだし)


(ああ~ん、どこ触ってるんですかぁ)


………………。

鄧艾が真っ赤になって股間を押さえる。もちろん、ショタのオレの裸に反応したわけではないことを願うぞ。


ふと見上げると、男湯と女湯を仕切る壁の上に30cmほどの隙間がある。オレは鄧艾と顔を見合わせ、互いに頷く。覗・く・か?


「若、ここに四つん這いになって下さいよ!」


「ちょっと待て。おまえ、主人を踏み台に使うつもりか?」


「えーだって裸の男同士の肩車なんて、どう考えたって絵的に地獄でしょう?さ、早く」


「いやそうじゃなくて、オレが下でおまえが上になって覗く役というのがだな、、」


「チッ、やむを得ん。先に俺が若を肩車してあげますから、後で絶対俺が覗くの手伝って下さいよっ!」


こいつ舌打ちしやがった!そうして渋々鄧艾は俺を担ぎ上げる。

あと、もう少し……駄目だ。わずかに届かん。


「はい交替。若、気合が足りないんですよ!さ、早く代わって」


股間を熱く(たぎ)らし、「今度は俺の番」と鼻息荒くオレに迫る鄧艾は、見ようによっては甘寧以上の変態だ。


「分かったよ。持ち上げるぞ、ぬおおーっ」


筋骨隆々の引き締まった裸体をさらす鄧艾を肩車したオレは雄叫びを挙げ、腹筋に力を込めて立ち上がる。まるで重量挙げの選手の気分だな。しかもいきり勃った鄧艾のアレがピクピク躍動するのを首筋に感じながらとか、なんという罰ゲームだ。後で絶対きれいにシャンプーしよう。


「ハァッハァッ、もう少し上に伸びませんか?えっ、無理?これだからチビは使えませんね」


「この野郎、後で覚えてろよ!で、どうだ?見えたか?」


「この体勢じゃ無理です。なので俺、このまま若の肩に立ち上がります。しっかり踏ん張ってくださいよ!せぇーの」


と言った時、男湯のドアがガラリと開いて、何故か女三人――バスタオルを巻いて胸元を隠した舞ちゃん・(しん)(らく)()妃――が現れた。


「この変態ども!女湯を覗こうとしてたでしょ!?現行犯よ、観念しなさいッ!」


壁向こうの艶めかしい声が聞こえるということは、当然、こちらの会話も向こうに筒抜けだったというわけで……。


「「いやあああーっ」」


慌てて股間を隠すオレと鄧艾。そのせいでバランスを崩した鄧艾は前のめりに倒れそうになり、姿勢を正そうとしてオレにしがみつく。たまたまその手がオレの両目を隠してしまって……。


「あ、危なっ……若、頼むから支えて」


「おいっ鄧艾、オレを巻き込むなぁーっ!」


ドーンという音とともに鄧艾はオレの肩から落ちて、ご開帳したまま仰向けに倒れた。オレは鄧艾の大事な部分が女性陣の目に触れないように、慌ててタオルで覆ってやる。それが、鄧艾がおっ()てたアレを頂点としてテントを張ってしまい、かえって悪目立ちする結果になってしまった。


「「ひっ。きゃあああーっ!変態っ!!」」


(だが()妃だけは「きゃー♡」と歓喜のハートマークが付いていたのをオレは聞き逃さなかったぞ)


その日、()妃邸の男湯に、鼻血を流した若い男性二人組の溺死体が浮いているとの通報が警察にあったらしい。←嘘



この回絶対要らないだろ。(呆)

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