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週刊三題 二冊目  作者: 長岡壱月
Train-150.May 2025
247/285

(2) Re:メタラー

【お題】悪魔、妖精、正義

「うぅ、どうして……? どうして……?」

 おそらく“彼”と思しき生命体は、独り途方に暮れていました。

 大きさは、この世界の人間の両掌に収まるぐらい。真っ白な毛並みと頭頂部にピンと生え

た耳、二又に分かれた尻尾からおよそ猫と形容とできそうな外見をしていますが、一般的な

それの類と同一視するには背中の翅が異質でした。何より先述のサイズ感と、明らかに人語

を駆使して嘆くその姿は、目撃するみる者を驚かせる材料に事欠かないでしょう。

 夕暮れ時の街、大通りを中心に行き交う人々とネオン。

 されどその誰一人として、彼を気に掛ける者はいませんでした。気付いていなかったと言

って差し支えないでしょう。

 少なくともその存在に気付いた者は──文字通り“化け物”を見るかの如く──怯えるか

訝しむかの何れかでまともに取り合おうとせず、足早に立ち去ってしまった後です。時に彼

は、縋るように二の句を継ごうとしましたが、中にはそのさまに更なる恐怖や自己防衛の本

能が働いた者らもいました。思わず叩き落とし、或いはタガが外れたように蹴り上げ。そう

して直撃と、相手の抵抗が無かったのをこれ幸いに、急ぎその場を逃げ出してゆくばかりだ

ったのです。

「どうして誰も……ボクの話を聞いてくれないんだい……??」

 小さな身体に刻まれたダメージは、存外に彼の体力・気力を奪っていました。

 ふらふらと、路地から表通りへ戻ることすら難儀する歩行。中空を舞う元気すら、最早残

されてはいませんでした。

 も、もう駄目だ。おしまいだ。ボク達の世界も、この世界も……。

 そうして手放しそうになる意識に負け、失意のままに倒れ込もうとしたその時。

「──わっ!? だ、大丈夫!?」

 彼に手を差し伸べる人物が現れたのです。

(この世界の、人間の……子供……?)

 古びたアスファルトの地面に倒れそうになった彼を、自身の掌で受け止めたのは、偶然こ

の道を通り掛かっていた一人の女の子でした。紺色のセーラー服姿に、片手にぶら提げてい

た鞄。くっ付けてあった幾つかの動物系キーホルダーが揺れ、彼女は彼をそっと慎重に掬い

上げます。鞄は思わず、一旦足元に置いていました。自分が地面と激突しなかったことに違

和感を覚えた彼が、ようやく彼女に助けられたのだと理解します。

「君、は……」

「えっ。ネコちゃん、喋れるの?」

「……ボクは、君達の呼称するところの猫ではない。メルニカリアの従属生命体、ベルノー

チカ3395──」

「ベルちゃんね。こんな小さなネコちゃんがいるんだ~、初めて見た」

「……」

 はて、このはちゃんとこちらの応答を理解しただろうか? 彼ことベルは内心小首を傾

げていました。

 ただ同時に、これはまたとない好機チャンスだとも彼は悟ります。少なくともこれまで自分と遭遇

した人間達は、こちらの姿を見て怯えるばかりだったのですから。ぐっと諸々を呑み込んで、

彼は彼女に託すことに決めたのでした。

「君、名前は?」

「私? 絵梨。三枝絵梨」

「エリか……良い名だ。すまないがボクを、安全な場所まで運んではくれないだろうか? 

君には恩があるし、話もある」


 更に夜も更けては路頭に迷うのは確実だったため、彼ことベルは駄目元で彼女の自宅へと

招き入れてもらうことにしました。幸い彼女──絵梨はその善意のまま、彼を助けようとし

ていたため、そこに意思の食い違いは起こりません。連れ帰られてすぐ、バスルームで泡塗

れにされて洗われた後、彼は彼女の自室でドライヤーの温風を浴びせられていました。

 贅沢を言うなら、洗浄ではなく治療を所望したいのだが……。

 いや、ボク達のような個体は自己再生機能が付いている。この程度の負傷ならまだ、時間

をかければ修復可能なレベルだろう。

「──うん、綺麗になったね♪ どう? 気持ち良い、ベル?」

「ああ、感謝するよ。ボクに臆することなく接してくれたのは君が初めてだ」

「ふふっ。時々ベルは、ちょっと難しい言葉を使うけど……元気になったらそれでいいや」

 セーラー服から部屋着に着替え、ベッドの上で彼女はベルにるんるん気分で話し掛けてき

ます。彼は少しじっと彼女を観察もとい、その知的能力を測っていましたが、この世界の人

間の年齢と換算すればそこまで極端という訳でもないでしょう。大体中学生ぐらい、でしょ

うか。ベルは改めて彼女にこれまでの経緯と願いを話し始めます。

「……そう言えば、ご両親の姿が無いが。まだ帰宅していないのかい?」

「うん。お父さんもお母さんも、いつも帰って来るのはもっと遅いよ。だからベルが心配し

なくても大丈夫。見つかりそうになっても、新しいぬいぐるみだとか何か言っておけば、見

分け付かないだろうから」

「そ、そうか。確かにこのベットの周りには、随分の数があるな……」

「皆お気に入りの子だよ~。あ、でも、ベルはぬいぐるみじゃなくて生き物なんだよね?」

「ああ。ボクはメルニカリア──君達の住むこことは違う、別の世界から来た。厳密に言え

ば作られた種族だ。あちらの世界で言う君達のような、主に仕える存在としてね」

「異世界……! いいね、いいね! でも何でそんな子達が、こっちに?」

「……逃れて来たんだ。そして立ち向かう為に。エリ、是非とも君に力を貸して欲しい」

 ベルは十分に動くようになった身体で、スンとベッドの上に背筋を伸ばして座り、寝そべ

る彼女としっかり向かい合うようにして言いました。彼女も彼女で、真面目な話になってき

た雰囲気を感じたのか、同様に居住まいを正してから口を閉じます。正直不安は──本当に

信じてもらえるかは不透明でしたが、ベルにはもう時間的にも体力的にも余裕はなかったの

です。

「ボク達の故郷、メルニカリアは今、滅びの危機に瀕している。ヒトを始めとした知的生命

体に取り憑き、その悪感情を食らうことで生きる“ナイトメア”らに乗っ取られ、社会が回

らなくてなってしまった。そして次に奴らが目星を付けたのが、この世界──エリ達の暮ら

すこの星という訳だ」

「わ、私達の!? う、う~ん……。でも何でそのナイト何ちゃらで、ベル達のいた世界が

そんなことに?」

「奴らは悪感情を食うと言っただろう? 最初こそ、主達の中にはこれを歓迎する向きもあ

ったんだ。自分達を苦しめる宜しくない心の働きを、そいつらが食べてくれるんだからね。

残るのは善良な感情、善良な行動力。寧ろ社会全体にとっては良いことだ」

「うん」

「でも……そう上手い話じゃなかったのさ。ナイトメア達に悪感情を食われる度に、その人

間が持つ感情全体が少しずつ小さくなっていたんだよ。食われる度に無くなっていたのは、

何も悪感情“だけ”じゃなかった。何度も何度も悪感情を食われた人間は、やがて善悪はお

ろか、一切の心を失って廃人と化してしまったんだ」

「……」

 こんな女の子に打ち明けるには、あまりにも酷な話だろうか? しかしベルにはもう頼れ

る相手がいませんでした。この世界に逃れ、奴らのもたらす災いを止める為には、現地人で

ある彼女らの協力が不可欠です。

 思わず押し黙っている彼女に向け、ベルは続けました。改めて彼女を、自らが選んだ反撃

のパートナーとすべく動き出します。

「気付いた時にはもう、ボク達の世界は取り返しのつかない状況にまで陥っていた。沢山の

人間達が抜け殻同然となって、社会は停滞。辛うじて残った主達がボクらを奴らの逃げたこ

ちら側に送ってくれたけれど、互いの連絡が取れていないということはおそらく……」

「そっか……。ベルは、凄く大変な目に遭ってきたんだね……」

「ああ、そうとも。なのに……なのにこっちの人間達は『お前みたいな胡散臭い奴と契約な

んてできるか!』とか『どうせ利用するだけ利用して、ゴミみたいに捨てるんだろ!?』と

か、挙句は言うこと欠いて『実はお前らが黒幕でした~ってクチじゃないの?』とか、とに

かく信用してくれないんだよ! 本当、訳が分からないよ! 何で会う人間会う人間から、

そこまで罵倒されなくちゃいけないんだ!? まるで親の仇でも見るような目で……! 本

当にもう、本当にもうッ!!」

「……ベル?」

「っ。す、すまない……取り乱した」

 その途中、これまで散々だった勧誘の“失敗例”がつい蘇ってしまい、捲し立てるように

不満をぶちまけてしまったことは割愛するにしても。

 きょとんと小首を傾げ、おずおずと声を掛けてくる彼女に、ベルはハッと我に返ると咳払

いをして言葉を打ち切りました。改めて自らを落ち着けて、話を元に戻します。

「エリ。どうかボクと一緒に、こちら側の世界に流れて来たナイトメア達を倒して欲しい。

危険な目に遭わせることだとは解っている。でも──」

「いいよ」

「え?」

 正直、彼も造られた存在とはいえ、自我を持つ一個体の端くれ。これが唐突で相手にメリ

ットの乏しい懇願だとは理解していました。場合によっては奴らを駆逐することが、ひいて

はこの世界に及ぶ災いを防ぐことにもなるし、自分達の世界を取り戻す一歩となる──双方

の利益を匂わせて説得しようと考えていましたが、それらは他でもない彼女自身からの即答

によって不必要となりました。思わず驚き、短く聞き返した彼に対し、ニコッと笑って彼女

は応えます。

「ベルが困ってるんでしょ? なら手伝うよ。これも何かの縁だしね? それにベルの話が

本当なら、誰かがやらなきゃ皆が空っぽの不幸になっちゃう。それだけは何とかしないと。

こっちの世界まで、ベル達の世界のようには、させない」

「──」

 彼ことベルノーチカ3395番は最初、こんな子供に任せるのは難しいだろうかと考えて

いました。ですが今は違います。自分のことを見た目だけで判断せず、最後まで話を聞いて

くれ、その上で己の意思で力を貸してくれると言ってくれた彼女こそこの状況を打破するの

に最適な人材だと思い直すことができたのでした。

 暫しポカンと、されどやがて感極まってぐしぐしと両目を拭った彼は、気合いを入れ直し

て頷きます。

「……ありがとう、エリ。本当にありがとう」

「そうと決まれば早速行動開始だ。先ずは色々と、君に教えなければいけないこともある」



 人語を操り翅を持つ、子猫型生命体・ベルノーチカに導かれ、彼女はかくしてナイトメア

達との戦いに身を投じる日々を送ることになりました。若さと正義感、善意のままに突き進

み、街に潜む“悪夢”を人々から引き離す正義の味方へと。

「──なぁに、これ?」

「君達の世界では、音叉おんさと呼称されている物だね。今は小さく携帯モードにしてあるけれど、

ナイトメアとの戦いではこれが君の最大の武器となる」

 ベルに渡されたのは、キーホルダーに見えなくもないUの字の先端が付いた金属棒。彼の

説明によれば、こちらの世界の人々に憑いているナイトメアらは、この音叉から出る特殊な

波長が大の苦手とのこと。基本的にはその性質を利用し、憑かれた人間から引き剥がすこと

が最優先となります。

「身体の何処でもいい。軽く叩いて音を出しながら、力を解放するよう念じてみてくれ」

「うん」

 リィン……と、彼女は言われるがままにこの小さな音叉を手の甲で鳴らし、そっと祈るよ

うに目を閉じました。

 するとどうでしょう。反響し始めた清らかな音はやがて波紋の如く広がり、彼女の姿をベ

ルを思わせる白いモコモコのドレススーツに変貌。小さな音叉も元の形状を反映した杖に変

化して彼女に握られ、変身が完了します。

「よしっ!」

「おお? おお……!」

「ボクの力を注いだ強化装束パワードドレスだ。ナイトメア達のパワーやスピードにも渡り合える筈だよ。

奴らを宿主から引き剥がした後は、出力の増した波長で存在ごと消し炭にしてやるんだ」

「オッケー、任せといて」

 ベルの嗅覚、そして彼から託された小さな音叉──いわゆる変身アイテムを頼りに、彼女

はナイトメアに取り憑かれた人間達を見つけた都度、これと相対してゆきました。

 過労に苦しむ会社員のお兄さんに、ちょっと強面なお兄さん、ひいては同じ世代のクラス

メートや自身に近しい友達まで。彼女は世を忍ぶ少女として過ごしながら、一方で彼・彼女

らと一対一になるようあれやこれやと策を弄しては変身。杖型のパワーアップした音叉から

放たれる浄化の音波で、苦しんで正体を現したこれを倒してゆきました。事件に関わってし

まった人間達は、ベルが記憶を改竄することで口封じ。事が大きくならないようサポートに

回ってくれます。最初こそ慣れない使命に苦戦することも少なくなかった彼女でしたが、次

第にその実力はメキメキと上がってゆくのでした。


「消え去れ、悪夢! ホーリーブラスト!」

『グ、ギャアァァァァーッ!!』

 渦巻き光り輝く音波が放たれ、また一体ナイトメアが粒子状に霧散して消えてゆきます。

 その日も、新たに憑かれていたサラリーマン風の男性からどす黒い靄のような本性を現し

たナイトメアに必殺の一撃を加え、一仕事終えた彼女は、変身を解除して密かに安堵の息を

漏らしていました。杖は再び小さな音叉型アクセサリーに戻って掌の中に、気を失ったまま

の男性はベルがふよふよと近付いて行って目から閃光をパシャリ。いつものように忘却措置

も完璧です。

「お疲れさま、ベル。そっちは終わった?」

「ええ。これでまた一体、奴らを倒すことができた。すっかり慣れたものだな、エリ」

「まぁねえ。だけど油断は禁物だよ? そうやって奴らに負けちゃった子が、今まで何人出

ちゃったことか」

「……」

 されど人知れず戦い続ける日々は、決して順風満帆だけではありませんでした。時にはよ

うやく、ベルの同胞からナイトメアに対抗するべく力を得た他の少女達が、二人の前に現れ

て共闘・競争を繰り広げたりもしましたが……その過程で命を落とした者もいました。時に

ナイトメアを敵として憎む心は、他でもないナイトメア自身にとって絶好の餌にもなってし

まうのです。

「君のせいじゃない。彼女らは彼女らで頑張った。でも届かなかった、それだけだ」

「うん……」

 解っているつもりではいました。なまじ経験を重ね、敵は待ってはくれなくて、何より心

を落ち着けていなければ付け入られる。ベルの諭しも今や何回聞かされたことか。彼女は言

葉少なげに頷きます。ナイトメア達の侵食は、今も尚こちら側の世界に止まることなく拡が

っているのです。

「……何時になったら、奴らを全員追い出せるのかな? ベルのいた世界だって……」

「分からない。ボク達も、そもそも実際にどれだけの規模だったのかまでは調べ切れていな

かったのが正直なところだったから。少なくともエリ達の活躍で、奴らがこちら側の世界を

埋め尽くすという事態にはなっていないけど……」

 終わりの見えない戦い、と言われれば否定できないのが辛いところでした。即ち敵を各個

撃破すればそれで良かった状況が、少しずつ変わろうとしているということです。彼女も流

石にその辺りの情勢には敏感になってきているようで、いまいち煮え切らないベルの回答に

モヤモヤしていました。

「……ま、私達がやれることをやってゆくしかないでしょ。今夜はもう遅いし、そろそろ家

に帰って休んで──」

 ちょうど、そんな時だったのです。先刻までの交戦を聞きつけてなのか、路地裏の向こう

からネオンの逆光に隠された集団がこちらに駆けてくるのが見えます。彼女は慌ててベルを

リュックサックの中にしまいました。肩に引っ掛け直して、無関係を装って急ぎ場をすり抜

けようとします。

「待てよ。お前らだろ? ここ最近、夜な夜な親父狩りをしてるっていう女子中学生は」

「えっ?」

「とぼけたって無駄だぞ。証拠は挙がってんだ。お前らに襲われた奴は全員、やっと苦労か

ら抜け出せた人間ばかりだったんだ。病んでた心や体が軽くなって、働けるようになった。

笑顔を見せるようになった。決まってそういった奴らを、人知れず襲ってる連中がいるって

タレコミがあってよお」

『──』

 立ち塞がったのは、老若男女幅広い二・三十人の一団でした。中には木刀や鉄パイプを布

に隠して武装し、荒事も辞さないと言わんばかりの面子も混じっています。

 思わず絵梨とベルは、互いに顔を見合わせていました。そっと気付かれぬようにリュック

の外と中から、これは拙いことになったと反論や退避の道を探ります。

(ねえ、ベル……)

(間違いないな。ボク達の世界でもあったパターンだ。ナイトメアに憑かれているとは知ら

ずに、当人らが苦悩から解き放たれているんだから邪魔するなと。そういう輩がこうやって

徒党を組んで、かつての主らを妨害してくることが何度かあった)

(……)

 言ってしまえば、誤解ではあったのです。彼女らが一団の言う、標的にされた人々と接点

があったのは、その人々がナイトメアに憑かれる程の悪感情に苛まれていたから──疑うべ

き相手と順序が逆でしかないのです。

 ただ真実じじょうを知らない殆どの一般人に、それらを求めるのは不可能でした。

「てめぇらのせいだ! てめぇらのせいで、やすさんが……!」

「一体何が目的なんだ? 答えろ! 返答次第じゃあ、このまま私達が君を警察まで連れて

ゆく!」

「大体、こんな時間までうろうろしてるなんて……。本当最近の子は……」

『……』

 ぶつぶつ、くどくど。

 集まり立ち塞がってきた大人達が一様に宿しているのは、こちらに対する不信感。各々の

友人・知人ないし地域コミュニティの同胞に起こった事件は、目の前にいる彼女のような得

体の知れない輩が持ち込んできたのではないか? そう強く疑っていたのです。彼女もリュ

ックの中のベルも、とても落ち着いて話し合いなど通じそうにない──そんな直感に強く引

き摺られていました。失望の念を抱いていました。

 今までこんなに頑張ってきたのに。真実は違うのに。

 なのに彼らから“視える”感情は、それこそナイトメア達が好むような、どす黒く淀んだ

悪意そのもので。ベルかれが元居た世界で味わってきた、ヒトの過ちそのもので──。

                                      (了)

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