あちらのお客様からです
で、あれがああなって、こうなった。
それで、あれだから、俺と<リトルネロ>は喫茶店で朝食を食べている。
ごめん適当すぎた。
つまり俺たちは今、魔法少女探しをする前に、少し腹ごしらえをしてるってわけだ。これもちょっと適当? すまない。今、食べるのに忙しいんだ……。
「もぐもぐ」
と<リトルネロ>がトーストをかじる。
「もぐもぐって言うな。普通言わねえから」
「え? そうなの? ……人間界に来てから、人間のことを知るために、マンガを読んだら、『もぐもぐ』っていってたよ」
俺は頭を抱えた。
「お前、そんなんだから魔法少女も見つけられないんだよ」
「しょぼん」
「しょぼんも言わないんだよ」
その時だった。
「あのう……あちらのお客様からです」
ドン!
と、超超超でかいパフェが、俺らのテーブルの上に置かれた。
まじか、こんなの初めてだ。
てかなんで!? 朝っぱらからパフェかよ!? てか「あちらのお客様」って誰だよ!?
俺は見た。
その「あちらのお客様」は、もうすでに店から出て行くところだ。
その顔は帽子を深く被っていたために、よく見えなかった。
何者だ一体。くそ怪しいぜ。
俺たちが魔法少女探しを始めたことによって、何かが動き始めたような感じがした。
とにかく。
「このでかいパフェを食べたら何かがわかるんだろうな」
と俺は弱々しく言った。
というのも、このパフェの器の底に、なんか紙切れのようなものが入っている。
これに何か書いてあるような気がする。
「わーい!」
と<リトルネロ>が手をあげて喜んだ。
「いっぱい食べていいよ」
と俺は微笑んだ。