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夜が来る  作者: jfk3363
4/5

「運命の人」

第四話

「運命の人」

「今日も偶然!」

「勿論、Kさんの方こそ私を待っていたんでしょ。」

これで三度目、偶然も三度も重なると、普通に考えると運命の人のように思えるが、何となくはぐらかされ例によって食事へ、毎回違う店をその場で選ぶ。

「牡蠣は、大丈夫ですか?」

「大好きです!」

駅前のビルの中にある専門店に入った。

産地の違う生牡蠣を何種類か食べ、私は白ワイン、彼女はビール、いつものようにさり気なく誘ってみたけれど、間髪入れず。

「無理!」

と云われた。

食事を終え、いつものBarへ行き呑み直しもう一度誘うと。

「私と付き合ってどうするの。」

「散々弄んで、オモチャにして、飽きたら捨てる。」

「そんな最低な男と誰が付き合うのよ!」

「そうよバカじゃないの!」

カウンターの中からママが云った。

彼女は、よく勝手に会話に入ってくる。

「昔、同じことを云った女がいた。」

「それで?」

彼女は、

「私と一度でも付き合ったら離れられなくなるわよ!」

と云った。

「そんなの嘘よ!」

「でも、そういう返しの方がいい。」

「それで、どうなったの?」

「俺から金をせびって若いイケメンと、どこかへ行ってしまった。」

「そんなものよ!可哀想に。」

「いいきみよ!」

と又ママが、入ってきた。

「冗談だよ、今、浮かんだストーリー、なかなかいい。」

と云いながらブッシュミルズを呑み干した。

「ハッスル!」

「バートレイノルズとカトリーヌドヌーヴね。」

この古いアイリッシュウイスキーを味わいながら遠い昔の苦い思い出が蘇ってきた。

「夜が来る」のメロディと共に。

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