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【完結】宣誓のその先へ  作者: ねこかもめ
【十二話】扶翼と反抗。
123/269

(123)夢の始まり

「ゴメン、大丈夫?」


ぶつかった人が、しりもちをついたアタシに手を差し伸べてくれていた。

けど、アタシはそれどころじゃなかった。急いでるからじゃなくって。


「あ……」

「……? も、もしかして、どこか打った?」


——かっこいいっ!


去年まで、恋なんてしたことは無かった。する余裕がなかった。

同学年の子が彼氏を連れている現場は何度か見てた。


いいな~とは思ったけど。


「ご、ごめんなさい。大丈夫です!」


手を借りて立ち上がった。


「顔が赤いけど……」


——アタシすぐ顔に出るタイプだ⁈


「え、ああ、いや、これは違うんです!」

「そう? まあ、大丈夫なら良かった。もし痛みとか出たら無理せず医務室行ってな?」

「はい!」


……冷静に周囲を見ると、その人の横に女の人が立っていた。


なーんだ、彼女いるんじゃん。


「じゃあ。気を付けて」

「はい、すみませんでした」


手を振ってその人たちと別れた。

振り返ってみると、二人はとても仲良さそうに話してる。


「いいなぁ……あの人……」


——あ、席取らなきゃ‼



 教室で座って待っていると、人ごみをかき分けてマイが現れた。


「マイ~こっちこっち!」

「ノエル、ここ……」


——喜んでくれるかな?


「うん。空いててよかったよ、いい席」

「よくないよ……。一番前の、しかも真ん中ってあんた」

「え~、黒板は見やすいし声は聞きやすいし。完璧じゃん?」

「……まあいっか。ノエルって、チャラチャラした見た目に反してマジメよね」


中等学校を出た時、明るくなりたかったアタシは、

ムリして明るい子の容姿を真似た。

アタシっていう一人称もその一環。


……周囲の反応を見るに、やりすぎたかもしれない。


去年まで見てたクラスメイトっぽく意識してるんだけど、

もしかしてアレ、ギャルって言われる人たち……?


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