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【完結】宣誓のその先へ  作者: ねこかもめ
【十話】憤怒と運命。
105/269

(105)オレとボク

 何が起きているのか解らずあたふたしていると、その子供が口を開いた。


「ユウ。アイシャ。ボクは君たちに会える時をずっと待っていたよ」

「……待ってた?」

「そうさ。五百年間、ずーっとね」

「五百年って……君は人魔戦争の頃の人ってこと?」

「そうだよ、アイシャ。けど、あの戦争はまだ終わっちゃいない。カイブツたちが永いことお留守だっただけなんだ。奴らは逃げてなんかない」


……何を言っているのか、何一つとして分からなかった。


昔、魔王が倒されて魔物たちは逃げて行った。

それは降伏であると解釈され、人類の勝利となった。


そう教わってきた。


だが、この子の話ではそれは違うということになる。

そもそもこの子が何者なのかもわからないし、やけに俺たちに詳しいのも疑問だ。


「二人の事はユウ、君のおじいちゃんから色々と聞いているよ。同時に、君たちに大戦の真実を伝えてほしいともね」


——ここでも祖父が関わっているのか。


「真実?」

「そうさ。結論から言えば、戦争はボクが止めたんだ」

「止めた……?」

「うん。まあ、人類を救いたいとか世界のためとか。そんな大それた理由は無かったけどね」


妙な笑顔というか、誇らしげな顔というか。

そんな表情のまま、オレにそっくりな少年はつづけた。


「話すより見てもらった方が早いよね。アイシャなら出来るんだろう? ご覧、ボクの記憶を」

「えっと……じゃあ、お邪魔するね?」

「どうぞ」


アイシャが少年の頭に触れる。

彼女の肩に手を置き、俺も景色を共有させてもらった。



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