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四勇冒険記 〜勇者として召喚された者たちの果てなき旅路〜 【2月以降に次話投稿予定】  作者: K.R.
騎士団入団編

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第73話「騎士団講座」


次の日の早朝ーー

騎士団の宿所を出た北本、と同期のセシル、ディローザ、ネイヤスの新人四名は、宿所の外で待ち構えていたダクターと、王城西部に建てられた騎士団の本部であるという基地の前に移動した。



「ここがレアーノ基地だ。我らフィブリア騎士団の総本部であり、この基地でお前たちは王都を守る騎士として働いてもらう」

「簡潔に、"本部基地"と俺らはいつも略して言ってるから、そう呼んでも構わん」



寝起きで目元が死んでいるネイヤス、

まだ髪も整えきれていないディローザ、

まぶしさに目を細めるセシル。

そして面倒くさそうにあくびを噛み殺す北本。

朝早くに起床した事もあり、やや眠たそうな様子のメンバーを建物の前まで誘導してダクターは説明する。


(ったく面倒くせえなぁ、ここで昨日言ってた"講座"ってやつに出なきゃならねぇ訳だし……)


ダクターにより基地へ連れ出された理由。

そう、彼らが今ここに来させられたのは、単なる施設見学の為ではない。


「新人教育講座」

すなわち、騎士団という大組織の歯車になるための第一歩を踏む時間であった。


前日の夜に四人ともダクターよりこう聞かされていた。


「さあ、早速入るぞ。……ついて来い!」


会話も程々に、ダクターが北本達を引き連れて、本題の基地の中へ入って行った。



◇ ◇ ◇



(……なるほど、これはまた立派なもんだな)



レアーノ基地の内部は、広くて複雑だった。

中庭から延びる複数の階段が、各階の通路を縦横に繋ぎ、まるで迷宮のような構造をしていた。


「ん? 騎士の方が何かを運んでいるようですが、あれは?」


するとセシルが、通路を黙々と進む騎士の姿を見つけてダクターに問う。

彼が抱えているのは大きな木箱。重そうに見えるその箱の中身は不明だ。


「ああ……、あれは武器や防具だ。補充分だな」

「戦うのが仕事の騎士ってのはな、剣が折れりゃ詰み、防具が割れりゃ命が飛ぶ。だからこうして、定期的に武器屋から仕入れたもんを運んで補充している」

「なるほど……メンテナンスもまた戦いの一部、というわけですね」


彼からの説明を聞いて、セシルは納得したように頷く。

それを受けダクターはフッ、と軽く笑い、短く鼻を鳴らした。


「よし、そろそろ講座が始まる時間だな。では、お前たちとはここでお別れだ」

「え、えっ!? 講座ってどこでやるんすか!?」


慌てるネイヤスに、ダクターが無造作に指を差す。

その先にあるのは階段。



「あそこの階段を登り、奥にある通路を真っ直ぐ進んだ先……“研修室”で開かれる。 ……しっかり耳を開いて聞いとけよ。下手すりゃ命に関わるからな」



この階段の先にあるのが、講座を行う人間がいる部屋。

場所を明かした彼は四人に忠告を残すと、すたすたと基地の奥へと姿を消していった。



◇ ◇ ◇



「――以上をもって、騎士団講座を終了とする!」

 


研修室に響いたのは講師、騎士団員の男の声。


(……はあ、長かったな。高校の授業よりかはマシだが)


その講座も遂に終わりを迎えた。

長く続いた拘束からやっと解放され、北本は伸びをしながら静かに疲労を吐き出す。

周囲ではセシルがきっちりノートをまとめ、ディローザは眠気に勝てなかったのか大あくび。

ネイヤスは、もう半分座ったまま寝かけていた。

団員の男……話によれば隊長の地位についているという彼の解散宣言を機に、次第にぞろぞろと他の三人が退室して行くなか、やや疲弊した顔をしつつ北本は感想を抱く。



(確か、講座の内容はーー)



一人、北本は半分スリープ状態に陥っていた自分の脳をフル稼働させて、今回聞いた内容を振り返る。


曰く、騎士団は朝6の刻〜夕方6の刻までの間の昼勤と、夕方6の刻〜朝6の刻までの間の夜勤と、二つの勤務時間があり、その勤務時間のいずれかの時間形態で騎士団員は職務をこなす事。


曰く、団員は剣や刀など武器を装備すること、それら以外の武器については、団長或いは上司となる騎士へ申請することで使用の許可を得なければ、一切の装備は許されないという事。


曰く、防具については基本的に団指定の兜と鎧、そして盾を身に付ける事。


曰く、騎士団の仕事は〇〇任務といった風に分けられており、一つは王都をパトロールする"巡回任務"、一つは王都外に出て危険な魔物等を討伐する"掃討任務"、そして三つ目が王都に住む貴族や王族の外出時に周囲を警護する"護衛任務"だという事。


これら、フィブリア騎士団で勤務する上で覚えておくべき重要な事を、隊長から受けた講座で北本は覚えた。


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