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四勇冒険記 〜勇者として召喚された者たちの果てなき旅路〜 【2月以降に次話投稿予定】  作者: K.R.
騎士団入団編

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第72話「宿所」

5話連続投稿四発目です!!


王城で戦兵の儀を終えた北本たち四人は、ダクターの先導で騎士団が利用する宿舎の前まで足を運ぶ。



「よし、ここが我らフィブリア騎士団の寝泊まりする宿所だ。今日はここで疲れを癒すといい」

「俺はこの後、国王様に用事がある。後日また会おう」



宿舎の入り口前で立ち止まったダクターは、簡潔に四人に言い残すと、王城の方へ引き返していった。


「………………」


彼の後ろ姿を見送る北本。

何か言いたい事でもあったのか、その顔はどこか神妙なものとなっている。


「ふぅー、やっと休めるぅー! オレもう動くの限界だったんだー!!」


大きく伸びをしながら、ネイヤスが宿舎の扉に手をかける。


「え、ちょ……ちょっと待ってよ!」


それを目にしたディローザが、慌ててその後を追う。


「うーん、この宿所……料金はかかるのだろうか?」


セシルの方は、二人と違って懸念を抱く。

その懸念とは金銭面。宿を利用するにあたって、宿泊代は発生するのか?

と、このような疑問を浮かべていた。


「それな。……まあ、団長から何も言われてねぇし、多分タダだろ」

「む、無料って……、そんな事があり得るのかな?」


その疑問に北本が反応、恐らくは不用だと予想する。

躊躇していても仕方ない、とばかりに適当な推測を口にしてから間もなく、宿へと入る。

セシルも納得できない顔ながら、彼に続いて施設内へと入っていった。



◇ ◇ ◇



「………まさか、マジで無償で泊まれるなんてな」

「けどその代わり、月給与の三割を差し引かれるって聞かされた時は驚いたよ」



宿所の中へ入った北本たちは早速、宿所の主人に手続きを申し込んだ。が、その際、直接金銭は取られないものの、給与から一定割合で料金を引かれることを知り、北本達は大層驚いたという。


「で……、オレらの部屋、この階だっけ?」


ネイヤスが辺りを見回しながらセシルに聞く。


「ああ、二階だよ。この宿舎は六階建てらしいし、ちょうどいい高さだよね」


宿を取る前、事前に階層を確認していたセシルは、少しだけ安堵した表情で答えた。


「そうだよなー。よっしゃ! んじゃあオレ、もうクソ疲れたから休んでくるー!」


ネイヤスは三人に別れを言うと、軽快な足取りで二階へ向かい、上がった先の左奥の部屋へ消えていった。


「!! そうだ、そう言えばまだ入浴してないじゃないか」

「二人とも、ぼくはこれから下の階に行って身体を洗って来るよ! それじゃあまた会おう!」


取り残された三人、少しの静寂が包む中、セシルが思い出したように叫んだ。

かと思えば、彼は風呂に入っていないと言い出し、北本とディローザの二人に一言告げると、急いで階段を駆け下りて行った。


「相変わらずの綺麗好きねアイツ。………えぇーと、確か私の部屋は……ネイヤスの右隣、か」

「北本、って言ったかしら? アンタの部屋はあそこ、セシルの部屋の左隣らしいから覚えときなさいよ」


ディローザは呆れ顔をしながらも、自分の部屋がネイヤスの隣だと確認し、階段を上がりそそくさと部屋へと入って行く。

最後に、去る前に彼女が北本へ部屋割りを教えてくれた。


「………。はあ、やれやれ、本当に大変な一日だったな」


シン……と静まる宿内、普段無口な北本だからこそ余計に静かになった空間。

その場に一人残った北本は、今日経験した様々な出来事を振り返り、大きなため息を吐きながら自分の部屋へ向かうのだった。



◇ ◇ ◇



バタンッ!


(ふい〜〜っ、やっと休めるぜ……。マジで今日は長かったわ)



装備を外し、机に置いた北本は一息つく。

部屋にある簡素なベッドへ腰を下ろし、背中をぐったりと沈めた。


(……ん? 待てよ? そういやもうすぐ"一週間"か? 何か忘れているよーな………)


ふと彼は、この世界へ召喚された"あの日"から今現在までの時間を、頭の中でざっくり数え始める。

その結果、自分が何かを忘れているような感覚を味わう。

ちなみに、アルメシアにおける一週間とは、現実世界の一週間(七日)と同じ日数となっている。


この事を何故北本は知っているのか、その理由は昨日馬車にてマリバに教えられたからである。



(……! あ、"アルメシアの基礎知識"……! シレーノの図書館で借りたままだったわ! チッ、完全に忘れてた!)


しばし思案した後、急に飛び起きて北本は顔をしかめる。

思い出したのは、以前図書館で借りた「アルメシアの基礎知識」という本。

コレを一週間以内に返却する約束を取り付けていた。

北本はその事をすっかり頭から忘れ去ってしまっていたのだ。


(急いで返しに行かねぇと! ……って、いや、その前にあの本、まだあんま読んでねぇんだよな……)


早急に本を返さねば、と焦る北本。

しかし、本の肝心の内容について、彼は未だ読破していなかった。

なのでどうしても彼の中で、まだ返す気にはなれないという未練ができる。


(…………。よし、決めた! 買うか、あの本。返してまた借りるってのもありだけど、どのみち返す必要あんだから面倒くせえしな!)


数秒考えて、北本が出した結論。

それは、"アルメシアの基礎知識"を、図書館に返却ついでに購入する事だった。

本そのものを買ってしまえば、もう返す必要はなくなり、わざわざシレーノまでの移動に時間と労力を費やすことも無くなると考えたからだ。

それに、本にはこの世界で生きて行く上で有益な情報や知識が書かれている為、必要な分だけ頭に吸収させておけば、いざという時に役に立つ。


(そうと決まれば、早いとこ騎士団の用事を済ませて、シレーノに戻るとすっか………あー眠……)


と、こうして決意を固めたところで、猛烈な眠気に襲われ、彼はそのままベッドに沈み込む。



「くー、くー………」



それから僅か5秒もしないうちに北本は熟睡。

枕に後頭部を向け落ち着いた様子で、規則正しい寝息をたてながら眠りに落ちた。


最後の五発目は9時50分に投稿しますのでよろしく!!

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