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四勇冒険記 〜勇者として召喚された者たちの果てなき旅路〜 【2月以降に次話投稿予定】  作者: K.R.
騎士団入団編

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第66話「第2審査」

今回は10分置きに三回投稿します。


第1審査から一時間が経過。

その時点で、入団試験に挑んだ受験者の半数以上が脱落し、無情にも訓練場を後にしていた。



「よし! ……これで全員終わったようだな! これにて第1審査は終わりとする。第2審査は準備が済み次第速やかに行う、それまでは各自しばしのあいだ休憩を取るように!」



響き渡る号令と共に、ダクターは受験者たちに告げる。

苦難を極めた最初の審査が、やっと終わりを迎えたのだ。

彼は試験官の一団と共に訓練場の外部扉を開け、次の準備に向けてその場を後にする。


(……はあー、やっと終わったか。にしても随分と減ったな、ここに残ってんのは……ざっと200人ぐらいか……?)


北本は訓練場に残った者の数をざっくりと見積もる。

視界に映るのは、荒い呼吸と汗を拭う受験者たち。場に残った人数の少なさが、この試験の厳しさを物語っていた。


(この後の第2審査でも、どうせまたゴッソリ減るんだろうな。はあ、なんて難易度の高え試験だよ)


不満とも愚痴ともつかない思いを胸中で呟きつつ、北本は訓練場の片隅にある長椅子へ腰を下ろす。

ダクターの言葉通り、先の審査で消耗した体力を少しでも取り戻す必要がある。



(……ん、あいつは……さっきオレの話してた奴か)



すると……彼の視線の先にとある人物が映り込む。

その人物とは、審査の前、北本と話をした緑髪の青年だ。

無事に彼も審査に合格したようで、周りを数名の受験者に囲まれ柔らかな笑顔を浮かべていた。


「すげぇ! 俺より乗りこなしてたぞアンタ!」

「こりゃ第2審査も余裕で合格できそうだな!」


彼を囲む受験者たちが次々と称賛の言葉を投げかける。

その数は五人、彼らも試験を通過したのだろうが、青年は一際乗馬が上手なようだ。

 


「いやいや、王都を護る騎士を目指す以上、これくらいはできて当然だよ」

「さあ、君たちも休憩しておいで。貴重な10分だ……体力回復に使わないと、第2審査でバテちゃうからね」



それに対して青年は、少し照れたように笑いながらも、誇りを隠さず応じる。


(……人気あるな、あいつ)


自然と人を惹きつける雰囲気と実力……、顔も整い万人から好かれそうな優男だ。

温和なムードのまま、受験者達がぞろぞろと彼のもとを離れて各自休憩をとり始めるのを目にしながら、北本は何となく納得する。



◇ ◇ ◇



「休憩終了だ! これより入団試験・第2審査を始める!!」



訓練場にて休息を取っていた受験者たちに号令がかかる。

今まで場を離れていたダクターが戻って来た。

彼は場内を見回し、第2審査の開始を宣言。自分のもとへ手を振り北本達を呼び寄せる。


(もう第2審査をやるのか……、もう少し休ませてくれと言いたいところだが、どうせ言っても無駄か。ああ面倒くせえ)


その声を聞いて北本は立ち上がり、気だるそうにため息をついた。

あと少しだけ長く休憩を取りたい、北本はそう思いつつ受験者らと共にダクターの近くへ向かう。


「第2審査は会場にて俺が話した通り、この訓練場を50周するという内容だ」


ダクターは、自分が説明した通り次の審査の項を簡潔ながら教えると、受験者たちを訓練場のグラウンドに五列に並ばせた。


(す、すげえ人数だ、コイツらと走るってのか……。この列だけで40人以上いるだろコレ………)


北本は同じ列にズラリと並び立つ受験者たちの人数を見て、僅かながら驚く。



「よし、全員並び終えたな! この"壁"の間で一周にしよう!」

「総距離はおよそ1キロだ、制限時間は特に設けん。とにかくこの訓練場を50周するまでひたすら走り続けろ! ………では、始め!!」



一周する地点を定めたダクターが声を上げる。

その場所は訓練場に沿う形で建てられた宿所とその支えの柱の間。

そして、彼の宣言を合図に、審査はいよいよ開始の時を迎えるのだった。


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