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四勇冒険記 〜勇者として召喚された者たちの果てなき旅路〜 【2月以降に次話投稿予定】  作者: K.R.
冒険者編

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第51話「課題」


街に戻った一行、ギルドでの報告を済ませて向かった先は宿屋"大海(おおみ)"。



「こりゃあ、参ったぞっ……」



討伐依頼を終えた四人は室内に入ると、グリードが口を開く。

彼の顔には困惑が張り付いており、何かを深く考え込んでいる。


「……あぁ、いくら一般人より弱えぇ上に魔物の方から襲いかかってきたからって、まさかコイツが一回も攻撃しようとしなかったとはなぁ……」


レオスがため息を吐きつつ辛辣な意見を述べる。


「あ、あの…………おれのせいで余計な手間をかけてしまって……、本当にすみませんでしたっ!」


彼らからは失望した様子が伝わってくる。グリードもテレフィも恐らくガッカリしているだろう。

当の本人の伊村は反論できず、肩を落として申し訳なさそうな顔で頭を下げ謝罪を行った。


「…………!!」


その光景を目にしたテレフィは、ほんの僅かだが驚いている。


「チッ! 全くだ! お前のような奴をオレらのパーティに入れる事自体が間違いだったかもしれねぇな!!」


レオスが苛立ちを含んだ声で舌打ちする。

自分らの足を引っ張った彼へ冷たく言い放った。


「…………。ああ、確かに、そうかもしれねぇ! まだ伊村を戦闘に出すのは早かった!」

「今後も依頼をやるにはあまりに課題が多い! よし……、俺は決めたぞっ!!」


彼の意見にはグリードも同意を示す。

実戦で戦うのはリスクが大きいと判断すると、いきなり伊村の右手首を掴んだ。



「俺が伊村を、一人前になるまで鍛えてやるぜっ!」



訳がわからない伊村を出入り口の扉まで連行すると、グリードは高らかに修行を行う事を宣言したのだ。


「え……、ええええぇぇぇーーーっ!?」


レオス、テレフィの二人が驚愕するも、一番驚いたのは伊村。

声を上げながらこのまま宿屋の外まで引き摺られて行く。



◇ ◇ ◇



「よーし着いたぞっ! 伊村ー、ここでこれからお前に修行をつけてやるっ!!」



伊村が連れて来られたのは広々とした石造りの空間。

そこには同業の冒険者達が武器を交え試合をしていて、一種のトレーニングジムのような場所になっていた。


「あ、あの……!? グリードさん!? こ、ここって一体……?」


彼らの様子を見た伊村は、気圧されたのか目を丸くして呆然としている。


「ん? ………あぁ、お前は初めて来るんだったか。ここは"冒険者訓練広場"って場所でな、俺らみてえな冒険者はここで実戦に近い戦闘を行って鍛えていくんだ!」


グリードが圧倒されている彼の問いに答える。

やはりこの広場は冒険者の利用する鍛錬の場で、模擬戦等を通して存分に腕を磨けるのだという。


「"冒険者訓練広場"? ……ってまさか、ここでおれは修行するというんですか!?」


広場の語感から伊村は予想する。

ハッ!と察した表情でグリードに聞いた。



「おう、そうだぜっ! お前はこれからしばらくの間、ここで力をつけるんだ!」

「………まあ長くはなるかもしれねぇが、そうしねぇとお前は役立たずのまんまなんだからなっ!!」



彼は肯定した。それも至極当然のように。

一悶着はあったが、彼を師匠として伊村はこの広場を中心に以後みっちりと修行を受ける事になるのだった。


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