第33話「熱血系冒険者誕生」
「さてッ! 一体何処に "冒険者ギルド" とかいうのがあるんだッ?」
セルフィスの促しに従い冒険者を目指す事にした東洋。
話を終えた彼は王城正面の門を出て、程近くにあるとされる"冒険者ギルド" を目指し早速歩き始めていた。
「……確かこの城を出た後は左に曲がり、そこから500メートルくらい徒歩で進んだところにあるらしいが………」
王城から出た東洋は、門の外で二つに分かれている道路を左方向に曲がりながら呟く。
顎に手を置き迷わぬよう慎重に進んでいく。
「若王からそう教えられたのだが、大丈夫なんだろうか……? まぁ、だらだら考えていても仕方がないかッ! 行ってみようッ!」
ギルドまでの道のりはセルフィスから聞いたものだが、本当にこれで目的地まで辿り着けるのかどうか東洋は少し心配になった。
が、長々と不安な事を考えても埒があかないとして、取り敢えず歩を進める事にした。
「あったッ! よーし、着いたぞーッ! ………ここが冒険者ギルドかーッ!!」
歩き始めて数分の時が流れ……、彼は自らの目の前にそびえ立つ石造りの巨大な建造物を見て声を張り上げた。
そう、ここが目的の"冒険者ギルド"だ。
「あの太陽が東から真上に来る前に登録だけでも済ませたいものだッ!」
街の建物の影に隠れ暑い日差しを放つ陽光に視線を移し眩しそうに目を細めながら、東洋はなるべく手続きが長引かないように願う。
そして、いよいよ彼は冒険者ギルドの扉を開け建物内へ立ち入る。
「お……おおおぉーーーッ!」
東洋が入って早々、大広間に複数配置されたテーブル席の冒険者らしき者たちが一様にこちらへ向き皆可笑しそうに彼へ視線を送る。
(そ、想像以上の広さだ! 冒険者ギルドってやつはこんなにもデカい場所だったのかッ!!)
冒険者ギルドの幅広さ、これに東洋は大層衝撃を受けた。
思わず入り口付近で立ち止まり建物内を見回す。
だがいつまでも呆気にとられていても時間が勿体ない。
驚愕もそこそこに、早速登録の手続きをする為に受付カウンターへと向かって行くのだった。
◇ ◇ ◇
「…………はい! これで冒険者登録は完了です! 今日から依頼を受けることができますので頑張って下さいね!」
あれからしばらくして、カウンターで冒険者登録の手続きをしていた東洋はようやくそれが終わった。
受付員へステータス等を記載した紙を渡した後、冒険者の証である冒険者カードを貰い遂に彼は"冒険者"の資格を得る。
「おう! 冒険者か……。やってやるぜッ!!」
上機嫌な様子で口にすると、カウンターを後にして依頼の紙の貼られた掲示板のある位置まで歩き出した。
(……今日から冒険者だ、全力で頑張らなければなッ!)
依頼のある掲示板に向かう最中、冒険者としての活動について意気込む。
(そういえば俺の冒険者ランクとやらは確か……、"Eランク"だったかッ……?)
(ギルド職員によると"Gランク"では俺の総合力が高いから依頼をこなすのが簡単すぎて全然事足りてしまうので、最初から"Gランク"より二つ上の"Eランク"の状態にしたと言うが……、いきなり二つもランクを飛ばしてしまって本当に大丈夫なんだろうかッ?)
東洋の冒険者ランクは最低のGランクではなく、二つ上の"Eランク"としてスタートしている。
これは通常より大幅に高い優れたステータスを持つが故に、このような措置をしたと職員より説明されていたらしい。
だがそれを聞いても、現ランクで依頼を受けても果たして問題にはならないかと東洋は少し不安を抱く。
(いや、俺には技能殺しという能力があるんだ! 心配は無いッ! ……自信を持て俺ッ!!)
しかし即座に保有するスキル・技能殺しがある限りは特に心配など不要だろうと考え自らを奮い立たせておいた。
(………よし、さぁて気を取り直して……初めての依頼を受けに行くぞーッ!)
冒険者ランクについて思案した後、彼は自分が初めて受ける依頼を探す為に掲示板へ再び歩き出した。




