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四勇冒険記 〜勇者として召喚された者たちの果てなき旅路〜 【2月以降に次話投稿予定】  作者: K.R.
冒険者編

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第25話「勧誘」



(じゃあ読むか……、えーと昨日読んだのは……)



北本は"アルメシアの基礎知識"を開き、昨晩閲覧したページを思い返し今回読むページを決める。


(……よし、今日はここを読むかー)


数ページ捲ったところで、昨日の夜に見ていたページを発見。

その次から読み進めることにした。



◇ ◇ ◇



数時間後……。



(ふぅー……、かなり読んだなー………っておいおい、もう夕方かよ!!)



"アルメシアの基礎知識"のまだ読んでいないページを黙読していた北本。

彼はふと窓を覗くと、街がすっかり夕焼けに染まっていることに気付き、やや急ぎながら本を閉じて鞄に仕舞った。


今回北本が読んだところは身分と職業、武器と防具、魔法と属性、そして種族について書かれたページである。

身分と職業について記載されたページには、アルメシアで暮らす人々の社会的な地位を表す身分と生活する為に必要な金銭を稼ぐ職業のことについて書かれていた。

アルメシアには身分が大きく分けて3つある。

一番上が"王族"と"貴族"、その下に位置するのが"平民"、そして一番下が"奴隷"である。

王族と貴族は毎月に数百万もの大金を貰えるが奴隷に関しては扱いが悪く、盗賊や人攫い等に連れて行かれた者は奴隷商に売り飛ばされ、この身分に落ちる場合が多いようだ。

職業は現在主流の冒険者を始め鍛治師や錬金術師、傭兵、騎士、兵士、門番、癒魔法使い(ヒーラー)など数多存在し、これらは一定量の仕事をこなすことによって相応の賃金を得られる。

また、どの職業にも就いていない者は"無職"と呼ばれる状態になる。

通常最大3つまでの職業を兼業することもできるという。


武器と防具のページには冒険者や剣士、騎士等の戦闘系の職業に就く者が装備する武器や鎧や盾といった所謂防具のことが記載されていた。

武器は剣や斧、槍、大槌を初め多種多様な種類があり、これらいずれかの武器を装備することによってATK(攻撃力)を上げることができる。

また大半の者がこのどれか一つに適性があり、適性に合った武器しか上手く使いこなせないようになっている。

防具は兜、鎧等軽いものから重い種類も存在し、これらの防具を装備することによってDEF(防御力)を上げることができる。


魔法と属性のことが書かれたページには主に魔法使いや癒魔法使い等が使用する魔法の種類やその原理、そして属性について記載されていた。

魔法とは基本的に魔法使い等MPが多い職業に就く者が使用でき、自分のMPを消費した後、使いたい魔法の名前を一言唱えることによって発動できる特殊攻撃のことである。

自分自身のMPと空中に漂う"魔元素"というエネルギーを練り合わせ使いたい魔法名を口にした後、そこから発せられる声の波長によって魔元素とMPが混ざり合うことで魔法が発動するようになっている。

魔法には属性があり複数の系統に別れていて"火属性系統"、"風属性系統"、"電気属性系統"、"氷属性系統"、"土属性系統''、"水属性系統"の6属性の魔法系統が主となっている。

かなり稀だが"光属性系統"と"闇属性系統"の魔法を扱う者も居る。

かつては"自然属性系統"という魔法が存在していたが、現在ではその属性の魔法を使う者は誰一人として確認されていない。

また、属性には武器と同様に適性というものがありそれぞれの属性系統のうち、大半の者がどれか1つから多くても3つまでの適性を持つ。

稀に4つ以上の適性を有する者もいるようだ。


種族のことが書かれたページには人間の男性や耳の尖った女性、肌が褐色で二つの鋭い牙とツノが生えた男性、そして側頭部の辺りに獣のような耳が生えている少年のイラストが描かれておりそれらの身体的な特徴が記載されていた。

耳の尖っている女性は"エルフ"、褐色肌で牙とツノが生えた男性は"吸血鬼"、側頭部に獣耳がある少年は"獣人"という名の種族であり彼ら以外にも"魔人"や"ドワーフ"といった種族がこのアルメシアには存在するようである。

こうした一般常識を頭に取り込んだ北本は、"アルメシアの基礎知識"を鞄に入れてから扉の近くに足を運んだ。


(……さて、図書館で借りたやつも読み終わったし、そろそろ飯食いに行くかー)


そして、食堂で夕飯を食べに行く為に気怠げな足取りで出て行った。



◇ ◇ ◇



あれから数日、北本は日々冒険者として着実に依頼をこなしていく……。

特にここまで命に関わるような危険もなく実力と実績を積んでいった彼は今日も宿屋から出てギルドへ行き、依頼を受ける……つもりだった。



「……んん〜〜〜! ……は?」



宿屋・白霧にある自室のベッドの上で目を覚ました北本は、辺りを見回していつもと違うことに即座に気付く。


(……マ、マリバ!? ちょっ……何でオレの部屋にいんだよ!?)


北本が寝ていたベッドのすぐ横にある椅子にマリバが腰掛けて、何故か眠っていたのだ。


(……どうする? こっから叩き出すか? それとも起こした方が良いか……?)


しばらく悩んだ後、北本はマリバを起こすことを決めた。


「……おーい、マリバー起きろよー。何でここにいんのか知らねぇけどよー」


マリバが何故自分の部屋の椅子で寝ているのか理解できず、北本は眠っている状態の彼に何故ここで寝ているのか問いたい気持ちを抑えマリバの肩を揺らす。


「ん……、はっ!! 確か私はっ?」


北本がマリバの肩を揺らしながら早く起きるように呼びかけているとピクリと両手の指を少し動かした後、眉毛を二回程動かして目を覚ました。


「あっ、北本さん! ようやく起きてくれたのですね!?」

「………は?」


マリバが起きて早々と北本に対し語りかけると、椅子に座った状態で背伸びをした。

ちなみにマリバが北本の名前を知っている理由は、数日前に討伐依頼を終えて帰って来た際に北本がマリバに挨拶されたときに彼から教えられた為である。


「おい、お前今まで寝てたよな……? オレの部屋で」


そんな様子のマリバに少し腹を立てながら話しかける北本。


「え? 寝ていたんですか私……? いやあすみません! 昨日の夜に北本さんにちょっと用があってこの部屋に来させていただきましたけど、その時もう就寝されていましたので……」

「起こそうと思ってあなたの名前を呼び続けていたのですがどれだけ言ってもなかなか起きず……、気が付いたらこの椅子に座ったまま睡魔に襲われてしまったという訳です……」


申し訳なさそうな顔をしてマリバは北本にこの部屋で眠っていた理由を話した。


「……そうか、この部屋に来たのはオレに用事があったからか。……で? オレに一体何の用があったんだ?」


マリバの話を聞いた北本はその話の中で自分に用があって部屋に来たことについてそれは何なのか言及する。


「はい、実は…………急なんですが、北本さん。"フィブリア騎士団"に入ってみませんか?」


冷静な表情でマリバは、フィブリア騎士団という組織への入団を北本に持ちかけた。


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