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四勇冒険記 〜勇者として召喚された者たちの果てなき旅路〜 【2月以降に次話投稿予定】  作者: K.R.
冒険者編

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第21話「冒険者登録」



(さて………ギルドは一体どこだ?)



北本は街の中を進む。

宿屋から出た彼は早速、冒険者ギルドがある場所を探していた。


(確かここら辺は、シレーノの西にあるっていう……商店街みてぇなとこか)


彼は今、シレーノ西部に位置する、至る所に露店が立ち並び多くの人で賑わう商店街に来ている。


(ん、食い物の匂いがするな……、だがもう食ったばっかりだし食欲がまるで湧かねぇ)


離れたところからでも分かるほど美味しそうな匂いが様々な食べ物を売っている露店から発されている。

が、北本は先程食堂で腹を満たしたばかりなので露店の食べ物を食べてみたいとは特に思わなかった。


(……まあ、とにかくギルドだ。早いとこ冒険者にならねぇと、この世界で食っていけねぇからな……!)


北本は即座に思考を切り替え、やや早い足取りで左右に露店が立ち並ぶ通路を進み冒険者ギルドの場所を探すことを再開した。



◇ ◇ ◇



「ここか……」



ギルドの場所を探し始めてしばらくして、北本は漸く冒険者ギルドがあるシレーノ西部の大通りへ辿り着く。


(まさかこんな分かりやすい場所に建っていたとはな……)


現在、北本の真正面にあるのは高さ約10メートルの大きな建物。

その大きく立派な建物の扉からは、剣や斧などの様々な武器を持った戦士風の男や、大きな杖のようなものを背負った魔法使いのような外見をした者たちが出入りしていた。


(……どう見ても異世界モンでよく聞く"冒険者ギルド"ってやつだよな、看板とかは無いみてぇだが……)


その建物を見渡す北本。

アニメ等で頻繁に目にするものと似通ったデザインだなと思いながら、彼は人が出て行くのが止むまで待った後にギルドの扉の前に立った。


(…………。冒険者登録をするだけだ……、何オレ躊躇してんだよ! ちょっと面倒くせぇけど……。この世界を生きていくには冒険者になるしかねぇだろ……!!)


ギルドの扉に手をかけた北本は一瞬だけそう迷い、しばらくした後余計な考えを排除し一つに纏めてギルドに足を踏み入れる。



◇ ◇ ◇



(うわー……、なんか全員オレを見てんだが……。クソ面倒くせぇ……)



扉を開けて中へ入った北本は建物内に設置されているテーブルやカウンター席で座っている冒険者と思しき者たちが、こちらを物珍しそうに見てきたのに気付き煩しく思った。


(とっとと登録済ませて退散しよう……)


北本は早々に帰る事を決心するとギルド内にある受付のカウンターの近くまで歩いて行く。


「おはようございます! 何か御用ですか?」


北本が受付カウンターまで近付くと、カウンターに居る女性のギルドの職員がそれに気付き北本に話しかけた。


「"冒険者"ってやつになりたいんだが?」

「ああぁ〜、冒険者になりたいんですね! 承知致しました! では今から冒険者登録の準備をさせていただきますので少しの間だけお待ち下さい!!」

ギルド職員は彼から要件を聞くと待機を言い残しカウンターの奥にある扉を開いて中に入る。

その間、北本はカウンターで待つ事になった。



◇ ◇ ◇



「……終わったか?」



しばらくして、ギルド職員がカウンターの奥にある扉からお待たせしましたと言いながらカウンターへ戻って来る。

そして、北本が見る中でカウンターの上に一枚の紙と羽が付いたペンを置いた。


「これは……何の書類だ?」


ギルド職員が置いた紙を手に取り疑わしげな目を向けつつそれを拝見した後、北本は彼女に聞いた。


「その紙はあなたのステータス……、所謂個人情報を書いていただく紙になります。……もし代筆が必要な場合はいつでもお申し付けください!」


北本の問いにギルド職員は自分の胸に手を当てて答えた。


「いや……、自分で書くから必要ねぇ」


北本がギルド職員へ返すと、手に持っている紙を再確認した。

紙にはステータスの項目が記載されており、LvからDEXまで以外の項目の文字が全て漢字で書かれていた。


(……全部漢字で書かれているから何の項目かは分かるが、問題はどう書くかだな………)


北本は項目にはどんな文字で書けばいいのかで少し悩む。


(……いや! 普通の日本語で書こう! この世界、漢字とかもあるぐらいだし、日本語で書いても分かるだろ!)


悩んだ末に北本は、項目のものと同じ日本語を使って書くことにした。

ステータスの項目に数字、そして日本語で漢字やカタカナ、ひらがなで表記された項目を書いていく。

……その後 数分が経過してから、項目の部分を全て埋めた北本は早々にギルド職員に紙を手渡した。


「………はい、なるほど……。全て書かれていますね! ありがとうございます!」

「どうやらこれは"日本語"……、北本さん(・・・・)! あなたは転移者の方だったんですね? 遠路はるばるシレーノの街までようこそ! どうぞゆっくりしていって下さいね!」


ギルド職員は早速北本から受け取った紙の項目をチェックし、彼が転移者である事が分かると北本に笑顔を見せて頭を下げた。


「……て、"転移者"だって!?」

「お、おいおい……。初めて見たぜこりゃ!!」

「本当なのか!? 信じられない!!」


すると、ギルド職員が北本に言っていた"転移者"という言葉に反応してテーブルやカウンターに居る数名の冒険者たちが驚愕の表情を浮かべながら口にした。

そして、それを聞いた他の冒険者たちも北本に注目し始める。


「お、おい……、なんで大声で"転移者"って言うんだよ。こんな人前で……」


やつれた表情でギルド職員に聞いた北本。

すると、それと同時に彼の後ろの方に居た冒険者の男が彼を呼んだ。


「おいアンター、総合力はどんくらいなんだー? 俺に教えてくれよー!!」


興味津々に冒険者の男は北本の総合力はどれくらいなのか彼に聞いた。


「は……?、そんなの教える訳g、」

「はい、北本さんの総合力は……えっ、"1264"!? Lv1で1264です!! 北本さんのステータスどうなってるんですか!?」

「………!?」


北本の台詞を遮ってギルド職員が大きな声で彼の総合力の数値を冒険者の男に教えた。


「せっ、1264!!? なんて高い数値だ!? 俺の二倍以上はあるぞ!?」


ギルド職員に北本の総合力の数値を教えられた冒険者の男は驚愕の表情を浮かべて叫ぶ。


「Lv1で1000以上もあるなんて……、やはり転移者は俺たちとは違う!! すげぇ……凄すぎるだろアンタ!!」

「……何て総合力なの、そこらの冒険者とは明らかに違う……!」


また、遠くの方に居る冒険者たちは彼の総合力の数値の高さに感嘆の言葉を口にしていた。


「……くそー、オレが転移者だってことなんでバラすんだよお前ー」


もはや諦め気味で北本がギルド職員に聞くと、彼女は口元を押さえてうっかりといった顔で口を開いた。


「あ、すみません! これ言っちゃいけませんでしたか!? 前言撤回します!」

「………、あー……もう遅せぇよ……。それに、こうなっちまったらもうどうにもならねぇし……」


ギルド職員は北本に対し頭を下げて謝ったが北本はそれを咎めず現状を変えることを諦めた。


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