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四勇冒険記 〜勇者として召喚された者たちの果てなき旅路〜 【2月以降に次話投稿予定】  作者: K.R.
冒険者編

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第11話「それぞれの転移場所」


シュンッ!!



植物が生い茂る草原のどこからか、風を切るような音が響き渡ると、ブワッと魔法陣が出現した。


「おわっ………!?」


その魔法陣は空中に展開されており、そこから一人の青年が姿を現す。

声を漏らして空から地上へ投げ出された彼は北本だ。

アデンにより強制的に元の異世界アルメシアへ帰されると、準備を整える間も無く勢いよく落下していく。


「よ、っと……! フー、危ねェー……」


だが、彼は身を翻し空中で体勢を直すと、力強く地面へ着地。

着地時に足だけでなく両手を使った、"五点接地"と呼ばれる方法を用いて衝撃を極限まで低減させた。

一瞬の出来事だが、焦らずなるべくダメージを軽減できる手段を実行へ移す。

常人とは思えない対応力と思考速度と言える。


(………? ここは、さっきまでいた空間じゃないな……。もしかして外の世界に戻ってきたのか?)


着地後すぐに立ち上がると、辺りをニ、三度見回して彼は考えが浮かぶ。

自分が投げ出されたこの地は、先ほどまでいた世界では無いのかと。


(………、やっぱここアルメシアだよな………。アデンがアルメシアのどこかへ転移させるって言ってたし……、まあ、とりあえず歩いてみるかー。どこかに街とかが有るかもしれねぇしな)


北本は深く考えた末に結論を出すと、その場から移動を始めた。



◇ ◇ ◇


          

シュンッ!



一面が砂で覆われた砂漠地帯にある岩場の中心部、そこへ風を切るような音が響き渡る。

まさにそれと時を同じくして、地面の上に魔法陣が出現する。


「ぬぅあッ!?」


そこから現れたのは学生服の青年。

これまたアデンによって別の場所へ転移された、東洋が立っていた。

ただ、出現時どういう訳か片足を上げていたからか、彼は勢いよくそこから後ろへ転んでしまう。


「いっててて……、はッ!? こ、ここは一体ッ!?」


転倒して思わず頭をさする東洋。

彼は、自分がどこに飛ばされたか確認する為に、周辺の環境を見回した。


(……なるほど、ここは俺がさっきまでいた謎空間とは違うことがわかったぞッ! ………だが、この場所は……一体………アルメシアの何処の地なんだぁァーーーッ!!?)


東洋はここが亜空間でない事は早いうちから理解したが、アルメシアの果たしてどこなのかは見当もつかなかった。


(し、仕方ない……進もうッ! あの太陽が照らす方向へ! そこに向かえばきっと、人が住む場所が見つかるハズだッ!)


わからない事をいつまでも考えていては埒が開かない。

東洋はこのように考え、視界に入る狐色に輝く太陽の光に目を細めながら、人のいる場所を目指し猛スピードで砂漠地帯を駆け抜けて行く。



◇ ◇ ◇          



シュンッ!!



天高くそびえ立つ木々が限りなく広がる、まるで樹海のように植物が生い茂る森。

その湖のほとりにて、不思議な音が鳴り響く。

音がしたと思えば、そこに魔法陣が展開される。

それは地面から5メートルほど離れた場所、二階建ての一軒家と同等の高さから出現した。


「ん? あれ? なんだか嫌な予感………」


魔法陣はクルクル回転しながら何かを放出する。

現れたのは伊村。彼もまたアデンによって強制的に地上へ移動させられたという訳だ。


「ふ、ふぉぉおあああっ!!?」


彼は間抜けな声を出しながら空中に投げ出され、そのまま体勢を変えられず頭から地面に落下。

本能的に脳天は回避するも、側頭部近くに直撃して流血、大の字に倒れる。


「ぐお、あ………」

(うぐ………こ、こんな……とこ………ろで………っ、また……死ぬ………のか………)


意識が混濁する程の強烈な痛み、無論ただで済むはずもない。

薄れゆく意識の中で伊村は嘆く。情けなさと失意の念に心を沈ませて。


「おーーー、だーーーーぶか! しーーーーろ! つーーーーるぞ!」

「…………?」


気を失う直前、ぼんやりとした視界は何者かの顔と、その装いを少しだけ捉えた。

自分を見下ろすのは女性か、何やら鎧を着ているようだ。

髪の色は真紅。ストレートか、長く伸ばしていると思われる。

だが、彼女の声は途切れ途切れでしか聞こえず、何を言っているのかはほぼわからない。


(だ……、だれ……だ……よ……、こ、こん……な……お……れ………を………)


最後の一言を心の中で形にする前に、伊村の意識は完全にブラックアウトしてしまった。


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